上田市、砥石城址と陽泰寺



上田市砥石城。前回訪問した時は時間がなく、米山城付近しか探索することができなかったので、日中、もう少し時間をかけて探索したいと思っていました。


砥石城の城域はとても広く、また縄張図の案内看板もないので、一般的な駐車場からだと、よく知らない人は4つの砦の内、「米山城」「砥石城」にしか行かないことになってしまうかもしれません。曲輪や堀などが集中する「本城」「枡形城」こそが砥石城の魅力なのです。



  


今日は、その「本城」に近いお寺、陽泰寺に車で来てみました。やはり予想通り、広い駐車場がありました。立派な山門です。



  

  


「砥石法窟」の看板。どういう意味でしょう。真田氏六文銭と関係がある六地蔵様もあります。こちらはきっと真田氏とゆかりの深いお寺に違いありません。砥石城(本城)への登山口が境内にあるのか探していると、副住職の奥様が見えてやさしく登山口を教えて下さいました。帰りにまたお礼を兼ねて寄らせていただきます。では行って参ります。



  

  


陽泰寺から大手口付近の道路向かいあたりはうち小屋といって、城主や家臣団の屋敷があったのではないか、と考えられているところです。砥石城大手口の看板は小さくて解りづらいですが、陽泰寺からすぐだと思っていれば間違いありません。



  

  


しばらくジグザグに登ると「水の手」との分岐点があります。まずは本城方向へ。



  


登りあげると本城域南側にある馬場があります。



  


切岸で区画された段曲輪がいくつもあります。



  


切岸地形がよく残っています。場所によっては5m以上の高さがあります。



  


石垣も一部、残っています。



  


石垣の上の段が本城と呼ばれる本丸です。堀切の跡もよく残っています。



  


そのさらに奥が「桝形城」と名前の着いた場所。一段高くなり、砥石城の最高地点となります。



  

  


真田町が一望できるほか、真田本城、松尾古城、真田氏御館跡等がよく見えます。当然、物見として使われていたことでしょう。私的には「砥石城」「本城」「桝形城」などと名前に城をつけるから訳が分からなくなるし、三つを総称して『砥石城』とするように訂正すべきだと思います。



  


その先の金剛寺峠への道では、城の造りらしきものは見当たりませんでした。



  


水の手分岐まで戻って、水の手方面へ。



  


すると、けっこう段曲輪があることが解ります。手が入っていますね。



  


この沢が恐らく水の手なのでしょう。今はもう枯れてしまっています。旧松代街道の看板。幕末、佐久間象三が上田へ勉学に通った道だそうです。



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さて、お礼を兼ねて陽泰寺に寄らせていただきましたが、なんと飲み物やお土産のお菓子まで御馳走になってしまいました。パンフレットを拝見させていただいたところ、なんと、曹洞宗「陽泰寺」は白鳳十一年(683)の創立で、白山を開いた高僧泰澄がこの地を訪れ、庵を結んだことに始まるのだそうです。げ、泰澄の弟子の清定(じょうちょう、きよさだ)が四阿山に白山比竎神を勧請したこになっていますが、うわっマジで?


さらに天平九年(737)に行基が仏殿を創建し、海野氏の祖とされる清和天皇の第4皇子貞保親王の子・善渕王(信濃守)が山号を向富山と命名し開基となり、海野氏第四代幸真(正暦四年(994)没)が海野氏菩提寺としての養泰院の中興開基となる。墓は裏山にある…



えー、マジで?! (*゚ロ゚)ノ



なんと、海野氏の菩提寺東御市にある興善寺ではなく、本当はここだということですか?それとも、昔そうだった、ということですかね。



  


お言葉に甘えて、海野幸真公の塑像まで拝見させていただきました。裏山には代々の住職のお墓があり、どれが幸真公のお墓なのかは解らないそうです。
また、総門の扁額(へんがく)にあった「砥石法窟」という文字の意味は、砥石山麓に開かれた仏法の修業道場という意味だそうです。


海野氏の菩提寺だということにも驚きましたが、砥石城といえば村上義清。養泰寺の付近は「内小屋」と名が付き、城主居館や家臣団の屋敷があったはずですが、そこに隣接して海野氏の菩提寺がある、というのは不自然な気がします。村上氏の関わりが絶対に深いはずですが歴史から消されてしまったとか?泰澄や行基がここに来た件はさすがに伝説だと思いますが…。慶長六年(1601年)には真田信之が五貫文寄進しているそうです。


曹洞宗望富山陽泰寺、あなどれませんね…






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