野生きのこ採取地の土壌を採りに山へ



先日、嬬恋産の野生きのこの放射性物質含有量を検査していただいた件で、今度はその採取した場所の土壌を採ってきてほしいとのこと。なるほど、土壌の放射性物質含有量を調べることで、菌根菌性野生きのこが実際のところ、どれくらい放射性物質を集積するのかを調べたいのであろう。


嬬恋プリンスホテルのF様との打ち合わせ後、さっそくオオツガタケ-ツガタケ採取地に向かった。


  


ウラジロモミ林は、樹木の根が邪魔をして案外スコップが入らない。いつもここでツガタケを採ると、地面に深く柄が入っているので、厚い褐色森林土があるのだなという印象だったが、実際には浅い部分にしか土壌は形成されていなく、樹木はかなり浅い部分にしか根を張れていないのかもしれない。




  


おっ、ツガタケの赤ちゃんが…。明日も晴天で乾燥しそうだし、このまま乾いてダメになってしまうかもしれない。今日は土壌を採取に来ただけのつもりだったが、きのこの方が私を求めてくるんじゃしょうがない。どれどれ、ご馳走になるか。
ついでに、道路を越えて別の森を目指す。途中ではヌメリスギタケモドキがいつもの木に群生していた。見たところ一週間くらい遅いように見えた。




  


何年ぶりだろう。私が初めてオオツガタケと出会った森に着いた。後になって楽なルートを見つけたにもかかわらず、一番最初にここに来た時の険しいルートを通ってしまった。何か感慨深い。
オオツガタケと断定できるものは今日は見当たらない。乾いてしまったツガタケを発見。こんなに小さいのに乾いているとは…ここでは22日午前も湿度は高かったはず。たかが2日間の乾燥で、ここまでなってしまうものか?いつから発生していたのだろう。台風15号の前からだったのだろうか。




  


クロハツかと思い、柄を握ってみてびっくり。なんだ?この太さは!おーもしかしてオオモミタケか?と思ったが、つばが無いので違う。傷を付けてもなかなか変色しないのは老菌だからだろうか…




  


柄を輪切りにしてみると、かなりの虫さんが…妻なら卒倒してしまう所だ。恐らくは、クロハツの老菌なのだろう。
ツガタケのまとまった株があったが、やはりほとんど乾燥していてダメ。ここはほとんど平坦な場所なので、水が流亡してしまい、乾燥する傾向にある場所だと思う。実際、地面はいつも乾いている。水はけが良いのだろうか?


そして、野生きのこの熱が再燃した10数年前、この森で見つけたツガタケを私はクリフウセンタケと同定した。なぜならミズナラとモミの木の間にあったし、5,000円位する普通のきのこ図鑑にはツガタケなど載っていないからだ。オオツガタケは疎らに数本発生、クリフウセンタケは群生になる、どちらか一択であれば、クリフウセンタケを選ぶしか無かった。これが野生きのこのギャンブル性であり止められないポイントでもあるのだ。





お久しぶりです。万座高原神社様。お元気そうでなによりです。私も相変わらずで生きています。今日はあなた様のお山で遊ばせていただきましてありがとうございました。また次回、宜しくお願いいたします。