ホテルグリーンプラザ軽井沢周辺自然観察会 一般公開研修会




ホテルグリーンプラザ軽井沢の朝の自然観察会が間もなく実施される。それに伴い、公開研修会を開催した。






  



植物がまだ芽吹いていないこの時期は、樹木や浅間石の解説が主となる。葉が無いので野鳥の観察もできるだろうが、当会では双眼鏡をたくさん持ってはいないので、野鳥は難しい。



  


  



ホテルの前でヤケキの説明をする前川さん。本来はホテルの宿泊客が驚くので、窓にはあまり近づかないでほしいとのこと。


温められた石の上にはニホントカゲ(トカゲ科)が顔を出す。SYさんは

  • 幼体の鮮やかな縞模様や尾の青色は、成体になると茶色(金属色)に変わる
  • 繁殖期には雄はのどが赤くなる
  • 卵は1円玉より小さい

などの話をしてくれた。ついでに、この辺りに生息するハコネサンショウウオと他の動物たちとの足の指の数から動物の進化を考察する話もしてくれた。



  



コナラのこぶ病が見られる。マツこぶ病以外は完全にメカニズムが解明されていないので、解説は難しいだろう。ミヤマウグイスカグラを説明する前川さん。あれー?ミヤマウグイスカグラにしては、つば状になった葉柄の基部が残っていないな…後で調べると、つば状の葉柄は若い樹に顕著に出るらしい。この樹はミヤマウグイスカグラにしては大きかったので、観察できなかったのかも。



  



イチイの雄花が咲きだしている。イチイの花粉症ってあるのかな?この樹は雌雄異株。



  


  



歩道の向こうにある鎌原石は、観察するのに適している。気泡がたくさん見られ、その気泡が集まり横に筋状になったような模様が見られる。これは溶結火砕岩ではないだろうか。火山の噴火によって空中に放出された噴出物が地上に降下した後に、噴出物自身が持つ熱と重量によってその一部が溶融し圧縮されてできた火砕岩を、溶結火砕岩(ようけつかさいがん)という。



  



そして板目石がごろごろしている。この石は溶結火砕岩が冷えきって固まる前に鎌原岩窟なだれでバラバラになり、大きな力か加わったせいで気泡が集まってできた層に隔てられた、固まりつつある溶岩が剥離湾曲し、このような形状になったと私は考えている。だからこそ板目石は、世界でもここだけにしか存在していないのだ。しかしこんなに間近で板目石を堂々と観察できる場所も少ない。



  



足元の野草もチェック。これはアカカタバミカタバミ科カタバミ属)。普通のカタバミと違うのは花の中心に赤い輪があることと、茎や葉も赤いこと。





こちらはトキワハゼ(ゴマノハグサ科サギゴケ属)。アスファルトの間から顔を出した。



  



オニドコロの螬実。観察会用に採らないで残しておいた。
お、ツノハシバミもある。この木の実は本当に美味いナッツなのだが、採取の際にとげが刺さって痛いこと!垂れ下っているのが雄花。赤い小さいのが雌花。


ホテルグリーンプラザ軽井沢の自然観察散歩は、私は裏コースしか歩いたことが無かったが、これなら表コースでも全然オッケーだな〜。連泊のお客様のために、毎日コースを変えて差し上げるべきだと思う。ここなら、なんでもありますからね。