万座できのこ狩り

さて、ヨガアサナ試験も終わったことだし、いよいよ今週末の野生きのこイベントに没頭する。まずは軽く山に入ってみる…おや、これはチャナメツムタケ(モエギタケ科スギタケ属)。へえ、結構出ているな。

これはナラタケ(キシメジ科ナラタケ属)。おや、こんなに大きくなって。

そしてクリタケ(モエギタケ科クリタケ属)も。おお、これは来週あたり採り頃だな。

なんだなんだ、万座の方は結構出ているではないか。やはり湿気が少なかったとは言え、高い山の方は昼夜の温度差で霜が降りるし、午後は霧がかかってくるしで、湿度はあったのかも知れない。今日は豊作だったりして…


  


斜度が急になり、笹の影響が出てくると、チャナメツムタケからシロナメツムタケ(モエギタケ科スギタケ属)が増えてくる。

そしていよいよかつての本白根山溶岩流が止まったあたりへ。おお、まさに絶壁だ。この岸壁の下には、動物が住処にできそうな岩陰もある。ああ、熊臭い。


  


今日は、この溶岩流が止まったあたり、かつての国策、拡大造林時にも手がつけられなかった急崖地にある天然林を攻めようと思ったのだ。

むせるような熊の匂い。食痕、爪あと、しかも足跡…。一人ではさすがに来たくはなかったのだが、今日は頼もしい地元出身の唐沢さんがついて来てくれている。すみませんがもう少し、○○○○探しに付き合ってくださいませ。


  


ついに見つけた。幹周り4メートルを優に超すミズナラ巨木を。溶岩にのっしと座り、貫禄たっぷり。この森の門番なのだろう。

「あなたの森を通りますよ」

森の許しを得たので、先に進む。もっと大きいミズナラ巨木は、裏にまわると幹が空洞だった。

しかし美しい森だ。私はこういう降雪地帯で深い森の針広混交林が大好きだ。ミズナラとモミ、カエデの匂い。ああ、祖先を感じる。一体、何百万年こういう森で私は命を紡がれてきたのだろう。


  


○○○○は、いくら探しても見つからなかった。でも、これだけ深山の霊気に打たれたのだから、もう満足することにしよう。午後もあるし。

写真は、岩の上に生えた1本のミズナラ。条件の悪いところから根を張り体をうねらせ、立派な大木に成長した。この生命力、私にも分けてほしい。触れてほしがっていたようなので、寄って背中を撫でてあげた。人間も樹木も同じ、曲がった背中では調子が悪くなるのだが、誰かに擦ってもらうと少しは気分が良くなる。そういうものだ。

午後からは場所を変えて攻めてみる。しかし、途中のウラジロモミ林と雑木林の境界部にクリフウセンタケ(フウセンタケ科フウセンタケ属)が!これは本当に美味いきのこ。よし、これを先に採っておいて保存し、10/4の炊き込みご飯の材料にしよう!

余談だが、この後、ウラジロモミの下でオオツガタケ(フウセンタケ科フウセンタケ属)をかなり採る事ができた。しかし、クリフウセンタケとオオツガタケは、本当に別の菌なのだろうか?どうもこの二つは、万座の森では必ずセットで出るし、同じ菌で針葉樹と広葉樹のどちらに菌痕菌として共生するかによって違う出方をするだけなのではないか?どうも気になる。


  


この森の林床には、透明な膜のようなものがあちこちに見られた。これは菌と関係する何かなのだろうか?私には解らなかった。

おそらくこれは仮称タカネキヒダフウセンタケ(フウセンタケ科フウセンタケ属)。ひだをナメクジが食べている。かなりの量があるんだが、食毒不明。惜しいなあ。

そしてアイシメジ(キシメジ科キシメジ属)。時間がないのに結構な量が採れた。よし、これも炊き込み御飯に入れることにしよう。


  


ウスタケ(ラッパタケ科ラッパタケ属)は、初めて見るとギョッとする。このきのこも、昔使っていた家の光協会の図鑑では食用になっていた。最新の物を購入して、今回はそれを使って同定しているが、現在は消化器系の毒があるとされている。

真ん中のものはかなりの収穫があったのだが、光の家協会の図鑑ではわからず、いよいよ最高とされる「北陸のきのこ図鑑」の登場。検討した結果、ムラサキアブラシメジ(フウセンタケ科フウセンタケ属)に決定。可食とあるが、隆吾さんはこの系統は美味くないと言う…廃棄に決定!ぐうう、残念。

そして、昔から解らなかったこのきのこ、モミの木の下に群生する。ついに図鑑で見つけた。これはクダアカゲシメジ(キシメジ科キシメジ属)。これも凄い株を知っているのだが可食。残念!なかなか、美味いきのこの場所は見つけられないもんだなあ。