万座の様子



万座山草園、ヨツバヒヨドリが大きくなったなあ…と思ったら、ヒヨドリバナだった。へえ、万座でも大丈夫なのか。

倒れてしまった茎から根が出て、新しい植物体となっている。やはり葉腋の部分が全能性が高いようだ。挿し木にするときも、ここで切るのがポイントだな。

今年は山野草園はまともに手入れをする気なし。放し飼い兎との共生はさすがに無理だって。


  


クモキリソウ(ラン科クモキリソウ属)も出てきた。葉しか見えなかった時はクリンソウの子どもだと思っていた。

湯畑のほうに寄り道。入っちゃいかんとあればなおさら入りたくなるのが人情。良い子は真似しないでね。

8/7の講座で地球生命史を講義することになっているが、この湯畑の写真を使えればなあー。しかし、顕微鏡でも使って古細菌アーキア)の写真でも撮らないと、その意味は無いだろう。顕微鏡も時間もないし、無理かなー。


  


27日の散策では、牛池を案内することになる。どれどれ、何があるかな?

途中で、たくさんのキマダラヒカゲの仲間が集っている。近寄ってみると、なにかコラーゲン状のものが腐敗臭を漂わせていて、それに集ってきているのだ。この蝶はイタチ科動物の糞にもよくとまっている。どうせナメクジの死体にでも集っているのだろう。うへえ。

しかしこのコメツガは樹盛が弱い。枯れ始めているようだ。山本先生は、「樹にトラックがぶつかるぐらい屁でもない…」ようなことを仰っていたが、何度も除雪車でぶっ飛ばされるとどうかな?こういうシーンを見慣れてきているから、あの時私は「影響があると思います。」と言ったのだ。


  


この辺は、特にコメントするつもりは無い。記録的に載せている。

立派な根上がりの木の土台になりそうな古根株。そこにはビッシリとヒカリゴケが。

ダケカンバについていたカバノアナタケはいつの間にかきれいに採られてしまっていた。

ミズナラの葉を巻いたのは何者なのだろう。一匹の昆虫が一日がかりで葉を巻く姿を、じっくりと見ていた少年の日のあの余裕を、いつから失ってしまったのだろう。


  


今年はヒロハツリバナの実が豊作の様子。本当に変わった形の実だなあ。この形は、鳥に食べにくくしてあるんじゃないだろうか。

タラノキの針の様子、笹の葉に見られる竜の葉型…子ども達は、何に興味を示すだろうか。


  


ヤナギランが咲き始めている。当日はもう少し花が咲いているだろう。雄しべと雌しべの熟すタイムラグは理解してくれるだろうか。

語らいの森のコメツガ根上がりの木は、いつ見てもうっとりする樹形だ。森の動物達にとてもやさしい。この根の一部も、歩道をつくったときには少し切られてしまったようだ。幹に近いほうは生き、幹に遠いほうは死んでしまった。植物に脳というか中枢神経のようなものがあるとしたらやはり根株、根と幹の中間点辺りだろうか。


  


おっ、見つけた。これが谷川に落ちて岩魚になるササウオ。

ふとナナカマドの幼樹を見ると、上手に「の」の字を書いている。もう少し歩くと今度はHの文字が。よし、ネイチャービンゴカードには「文字に見えるもの」も入れよう。


  


私が思うに、牛池はかつてホテルアサノの上部が崩れてできたせき止め沼であると思う。かつての土砂崩れを思わせるダケカンバ林と上部の急崖は、他ならない証拠である。

この池も、やがて湿原を経て森にかえっていく。そして、私達文明人とやらはその自然の変遷をも変えてしまっているのだということを聞かせてやりたい。話を理解してくれるだろうか?