三原最終下見



さて、8/7のインタープリテーション実習では、ネイチャー木村として何をお伝えしようかな。

サクラの枝先が枯れているのは、水分不足のような気がする。このところ雨も少ないし。しかも写真ではわからないが木の両側に構造物が立っていて、根に水が充分に行っていないんじゃ無いか?

かつての草軽鉄道廃線跡、以前来た時よりも、雰囲気がスッキリしているように見えるが…

理由はこれ。樹木の葉が街灯に掛かってしまっているので、枝払いをしたとのこと。まあ仕方が無いんだけど、乱暴な伐り方だなあ。


  


今回、枝打ちをしたのは区長さんとそのお仲間さんらしい。この集落では、恐らく何年かごとに、区長さんが切ることになっているのだろう。このサクラの木は、まださっきよりは幹に近いところで切っているが、角度がイマイチ。下側が上がり過ぎていて光合成産生物がうまく流れないのだ。

ぐわっ、痛々しいカエデの木が。いい匂いが漂っている。切ったばっかりなんだなあ。しかも右側の幹の内部には不定根が発根している。おお、インタープリテーション素材としては最高じゃないか。


  


初代村長さんのお家にあったアオキは、春一番に見た時は寒さで縮み、冷害にあっているように思ったが、今はとても元気。しかも、よく見たら冷害で斑になっているのではない。斑入りのアオキだったのだ。さすがは元村長、お洒落だなあ。

コウヤマキも立派なものがあった。

そのまま歩いていくとスズメバチが集っている花を発見。あまり綺麗な花ではないな…これは、ヤブガラシブドウ科ヤブガラシ属)とうらしい。こんなものを庭に植えていたら危険で仕方が無いと思うのだが、大丈夫なんだろうか?


  


阿弥陀堂に行く途中には、ムクゲの花が咲き始めたところ。当日は、満開になっているだろう。いいなあ。

そしてコース途中で、イワタバコを発見。なんて可憐な。そうか、やはり高山植物ではなくて里山植物なんだな。万座では見ないはずだ。

ヘクソカズラ(アカネ科ヘクソカズラ属)も、万座では見ないのだが、茎の匂いが凄くて、それが名の由来らしい。当日、騙して嗅がせてみようかな…


  


ボタンヅルも、ひと夏でずいぶん伸びるものだから、木本かと思ってしまう。これは草本。秋には枯れてしまう。

この実と樹木は、はじめ私は解らなかった。後で調べると単なるカキノキ。奥山人には、里山のことは難しいのだよ。


  


下屋将監の碑があるところにも、ムクゲの花がある。どうも、三原では、お墓の周辺にムクゲを植えていたような気がする。この先のモミの木とケヤキで、針葉樹と広葉樹の生き方、そしてどうやって広葉樹が針葉樹を駆逐して行ったかをお話ししようと思う。

しかしコノ沢には、立派なケヤキが多い。けやけき木(尊く秀でた木の意味)からケヤキになったと考えられているが、立ち姿だけではなく、幹の模様もけやけきのように思う。この木一本でかなり森林構造を豊にしている。


  


村一番のイチイの大木。下屋家の方からイチイは修験道護摩木と関係があったと聞いたが、護摩木はヌルデやゴンズイなどのやわらかい木を使うらしい。工藤悟空さんの話では、関係があるとしたら、煙を出すために、いぶしの材料として、枝葉を使ったのではないかとのこと。それなら納得。モミやヒノキと違って樹脂も無いから燃えにくく、煙はかなり出ると思われるからだ。試してはいないが。

カヤの実が今年は豊作。この実は食べられるらしいが、私は生活エリアになかったので食べたことが無い。どんな味なんだろう。

そして下屋将監幸房生家へ。いつみても雰囲気のある、とても素敵なお家だ。


  


このコースで私が一番好きな木、ケヤキの大木。この木では、広葉樹の根の張り具合の話をした後、根株を触るくらいのことはしたい。30数名の人間に撫でてもらったら、さぞかしうれしいことだろう。

赤い新葉の垣根の木はアカメモチ。寒い嬬恋では、三原でしか育たないという。

広葉樹ににしては非常に原始的は樹形のヤナギっぽい木は、ポプラだろうか?北海道にたくさんあるというが、もう忘れてしまった。


  


中学校の校庭に植えてあるのは、葉を見ればチョウセンゴヨウのように長く、実はキタゴヨウのように小さい。そしてこのまとまった球果のつき方は、両方の特徴でもない。園芸品種なのかな?誰かの寄贈樹とか…

ひまわりがどうして太陽のほうを向くのか…という話も、することになるかもしれないな。よし、これで三原の下見はまあまあいいだろう。よく解らない植物はだいたいチェックできたし。当日、いい天気でありますように!