万座カラマツ天然母樹林+亜高山帯針葉樹林スノーシュー 



万座温泉スノーシューコース検証2日目。今日はカラマツ天然母樹林と、その上部の弁天池や伝五郎池付近の亜高山帯針葉樹林・極相林を探る。



 



万座温泉観光協会前には立派な公衆トイレがあるので、スタート前に立ち寄るのがいい。
弦ヶ池前の駐車場に車を止めて、道路を少し歩き、看板の辺りから森に入る。



 



まずはドイツにまで種が行ったとされる『大いなる母の樹(別名:ショハーの樹)』。“偉大なる”と書いて“大いなる”と読ませていたが、それだと説明するのが大変だ。


このすぐ横の高台に『戦国カラマツ』がある。「戦国時代から生きているのではないか」ということで、縄文杉に対抗して名付けられたが、最近、この樹は2本が合体してできているのだということが解ってきた。見立てを変える必要がある。っていうかもっとセンスのいい名前はないか?







これが、このコースで最大のカラマツ、『草薙カラマツ』。斜面に立っていて不利な枝ぶりなので、計測上の胸高直径は130cm程だが、根周りは6m位ある。






こちらは湯田さん命名の『龍顔の松』。名前の由来は↓






枝ぶりが龍の顔に見えるだけでなくて、近寄ると龍のパワーを持っていることが解る。今後は『龍神の松』と呼んだ方がいいかもしれない。暴れ龍の方だ。




  



この近くにあるのは、私が最近命名した『大蛇(うわばみ)の松』。






蛇のような大きな口を広げていることと、幹が凍裂により割れてもたくましく生きているということで、大蛇のような生命力を持つ樹と見ました。


このあと、カラマツ一斉林を横切って、対岸のダケカンバ一斉林にわたる。名物ダケカンバを紹介。







『瑜伽(ヨガ)の樹』は、以前にお客様が名前を付けてくださいました。複雑にねじれたダケカンバです。




  



このダケカンバ一斉林の真ん中にあるのが『しなや樹(ぎ)』。近寄ってみると、大きな枝の下部に、縦状の皺というか溝みたいなものがある。ダケカンバ老木はこうなるのだろうか。





ダケカンバのマザーツリー・しなや樹はこのコースのパワースポットでありその下は“悟りの場”でもあるが、その象徴、しなや樹に異変を感じている。



  



枝枯れの範囲が年々広がっているのだ。自分の周りにいる子供たちがもう充分に成長したので、親としての役目を果たし、土に帰ろうとしているかのようだ。子どもたち(ダケカンバ一斉林)の間伐をしたことで、ますます将来が安心になったのかも知れない。






今日は、ダケカンバ一斉林から、伝五郎池上部の森を目指します。



  



大きな瘤を持ったシラビソの樹を発見。大きくなれるかな?
伝五郎池から尾根に上ると、これまた大きなトウヒに出会った。







ん?なんか騒がしいけど?






おいおい、冬眠中の熊に足引っ張られるよ?

そのうち、枝に見えている木目の捩れ(巻き方)が全部同じ方向かどうかで意見が分かれ出した。





結局、みんな同じ方向だということになりました(^◇^)




  



ゆったりとした亜高山帯の深い森。シラビソの大木はやや谷あいに多い。この付近の森が樹木同士の間隔が広く、とても私好みの森なのだ。






そんなお気に入りの森で食べるランチ。馥郁とした森の芳香に包まれながら、雪面では樹木の影が揺らいでいる。



  



昼食後はMSRスノーシューの新オプション、フローテーションテイルをつけてみる。長くなった分、浮力が上がる。温度が上がり雪が解けてきた。沈まないように。



   



やがて、トウヒの老木が現れる。この樹は自己治療中で、たくさんの樹脂を出していたのだが、今日の様子では病状は進んでしまっているようだ。樹冠が枯れ、幹は虫やキツツキの穴だらけ、新しい樹脂を次々と出しているが間に合わないようだ。



  



そこで、この樹脂が燃えるのかどうか、試しに火をつけてみることにした。乾燥した、固形のものでテスト。





おお、優秀な固形燃料だ。




  



枝が折れてしまったコメツガは雪の重みのせいだろうか。年輪がとても狭い。1mm位の場所もある。



  



ここから一気に下り、今日のお目当ての一つ、『万座最大のトウヒ』へ。



  


人と比べると、このくらいの大きさ。遥ちゃんは立ち木のポーズで。







以前、この樹の反り返った形状に着目し、刀の名前、妖刀村雨・正宗・菊丸などをイメージしたこともあったが、その後大風で幹が折れてしまった。伝説の刀にしちゃあ、ヤワ過ぎるので、偽刀とか犬刀とか。うーん、あんまり良い名前じゃない。




  



そこから、弁天池までは約15分。水の湧出部分の状況から見て、まだ水の上に1m以上の圧雪があるようだ。歩いて渡ろう。



  



弁天池を越えると、白根沢の全貌が良く見える。ここからだと、かつてあった、硫黄を含んだ土石なだれ説の信憑性が増す。


ここから下る、長い長い滑り台も魅力の一つ。







誰かが見つけた動物の毛。キツネの毛という意見が多かった。でもそうだとしたらキツネが他の動物に襲われたと考えるのが妥当だ。一体何者に?もしくは毛の生え換わる時期なのかな?






そして、最初に見た『草薙カラマツ』に、もう一度戻ってきました。
何度見ても大迫力のカラマツです。






かつてはコースの入り口であり、門番の役目だった仁王カラマツは、今は出口とされ、見送り樹となっている。枝に座って記念撮影するのには最適。今年は4月でも枝に楽に座れるので、雪は去年よりは多いみたい。




  



しばらくぶりの万座の森だったが、参加者も私も大満足だった。やはり巨木の天然林は森の気配が全然違う。これこそ本当の森林浴だ。来年は2月3月は毎週末実施します。皆さん是非ご参加ください。