東海大学×嬬恋村連携事業 「高地ウオーキング 嬬恋村を歩こう!」



嬬恋村東海大学の連携事業「高地トレーニング 嬬恋村を歩こう」が実施され、当協会は嬬恋村の自然ガイドを担当させていただきました。今回は森林浴をしながら健康の指導ができる森林セラピスト(森林健康指導士)資格を持つ干川まゆみさんと私・赤木道紘がガイドさせていただきました。


初日の午後は野地平をご案内しました。



  


紅葉の中、バラギ高原の自然をご紹介しながらのウオーキングです。





広々とした野地平。四阿山(2,354m)は約90万年前〜30万年前に活動した安山岩質溶岩による成層火山で、根子岳(2,207m)〜四阿山〜浦倉山(2,091m)〜奇妙山(1,629m)の有名な大カルデラ(直径約3km)は約30万年前の噴火によってつくられたとされています。なだらかな野地平の地形がどういう過程でつくられたのかはわかっていませんが、恐らくは水を通しにくいベロ状となった溶岩台地の上に火砕流などが堆積してより滑らかな地形にしたのだろうと考えています。



  


野地平を折り返す際に、動脈血酸素飽和度(SpO2)測定装置を測ります。測定結果は皆さんだいたい90代前半を示していらっしゃいました。最後に、リンドウの群落を鑑賞して、東海大学嬬恋研修センターへ移動しました。



  


夕食前に、東海大学スポーツ医科学研究所長の寺尾保教授による講義『高地ウオーキングの有効性』がありました。通常は数時間の講義をして理解してもらう内容ですが、今回は要点のみ30分でお話くださいました。


このお話は、私たち森林セラピストにとって、とても有意義な講義となりました。「科学を融合しないと最先端ではない、科学的エビデンスがなければそれは経験主義、体験主義でしかない。」…仰っしゃる通りです。


高地トレーニングの原理とは、生体内をある程度酸素不足にし、それを負荷にして身体の酸素運搬機能を改善することだそうです。低圧低酸素環境に生き物が暴露されると、その環境に適応しようと身体はさまざまな能力を発揮します。高い山は酸素が薄い、その状況で力を発揮するためには血流や脂肪燃焼率を上げなくてはならなくなります。

それを聞いてわかりました。群馬県人で世界ランカーのトレイルランナーを数人知っていますが、会うたびに体脂肪が怖いくらいに無くなっていきます。ボクサーなんてメじゃない程の体脂肪率。あの体は、高地トレーニングを頻繁に行ったために、身体の脂肪燃焼率が極限までに上がっているのでしょう。寝てても脂肪が燃焼する体になっている、という訳です。





勝手にスライドを紹介してはいけないのですが、高地トレーニングは自然の中で行うので、活動することによって自律神経のうち副交感神経が亢進し、心身のバランスが整い身体生理機能が整ってくる…というお話は、私たち森林セラピストの考え方とぴったり合って嬉しかったです。ただし、森林セラピーではNK細胞等、リンパ球のことは重んじているのですが、好中球についてはあまり言及していません。好中球が増えてしまうと体の脂肪が過酸化する、内蔵を破壊する…等のお話は、やはりトレーニングなどの動的要素が強い分野だからこそだと思いました。



  


豪華な夕食までご馳走になってしまって…大変申し訳ありません。お品書きと料理長さんの料理説明を聞いてハッとしました。なんと、上州やまと豚は東吾妻町の大平牧場産のものを使われているのですね。あの辺りは興味深なエリア。いいヒントをいただきました。



  


夕食のあとは、ネイチャー赤木の『星空シアター&星空観察会』です。東海大学嬬恋研修センター様では、林間学校でお越しの小中学生様に星のお話をすることが多いのですが、今日は大人のお客様なので、大人向けのお話をさせていただきました。曇った空は晴れることなく、星空は期待できそうもなかったのでそのまま星空シアターを延長です。





私たちの地球は、実は宇宙の中で特別な存在ではありませんでした。地球とうりふたつの天体が見つかることは、そう遠い話ではありません。本当はこの宇宙は、生命に満ち溢れているのかもしれません…





二日目は残念ながら雨となってしまい、予定の源流の森と新コースは割愛。石樋までの往復コースとなりました。石樋手前のあずまやで、荒縄を靴に巻いていただきました。





本当は、この宇田沢の川床を歩いて登りたかったのですが、今日はここに降り立つだけです。





それでも「笹舟」や「笹ひしゃく」などを体験しました。





この先は、来年のお楽しみとしましょう。





この後、嬬恋郷土資料館、鎌原観音堂をご案内しました。うーん2日目は残念。嬬恋村のいいところ、もっとたくさんご案内したかったですねー。とっておきをいくつも用意していたのですが、台風には勝てませんでした…


そんなことで、東海大学×嬬恋村連携事業 「高地ウオーキング 嬬恋村を歩こう!」は無事に終了しました。このような企画の案内人をさせていただいて光栄でした。ご参加くださった東海大学関係の皆様、嬬恋村住民の方々、嬬恋村役場職員の方々、本当にありがとうございました。特に企画から渉外、準備、当日の世話など、久保様の献身的なお働きがあってこそ成功することができました。来年もまた、何卒宜しくお願いいたします。






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