万座温泉ハイキングコース下見



明後日は首都圏のお客様から、万座温泉付近の自然ガイドをご依頼いただいています。「神秘的な池があるって聞きましたが…」と仰られるので、熊池湖沼群探勝コースをご案内しようと思います。このところ、別事業の準備で立て込んでいるのですが、万座熊池湖沼群では私以外に案内できそうな人はいませんので、今回は私がご案内しようと思います。


直美と一緒に下見に行ってきました。



  


お、5000kmのキリ番ゲット!何かいいことあるかな…?
万座に到着、どうやら紅葉のピークが近いようですね。あと5日後が最高かな?



  


万座温泉スキー場プリンスゲレンデから下に降ります。あれ?何か様子が…


げ、笹刈りしていない!閉鎖中ってことか! ガビΣ(゚ω゚||)ーン




  


ということで、ここからのルートは諦め、別ルートから行ってみます。万座温泉簡易水道施設がある場所からも降りて行けるのです。万座温泉住民は、ここから普通は行きます。私もかつてそうしていました。

しかし、ここにも今年は厳重なバリケードが。吾妻森林管理署による掲示での「立入禁止」です。今まではこんなことはなかったのにどうして…まあまあとりあえず、状況を確認するために入らせていただくことにしました。平成13年9月11日〜18日に発生した万座温泉地区の大規模地滑りの治山工事を、まだやっているのです。そして、硫化水素ガス事故が起こらない様に、かなり神経質に対応しているということなのでしょう。

■平成13年9月万座地区地すべりについて
関東森林管理局 万座地区の災害について
http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/agatuma/manza-gaiyou.html


群馬県万座地域の地すべりと変質(国土防災技術株式会社HPより)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jls2003/40/1/40_1_68/_pdf


万座の災害状況(国土防災技術株式会社HPより)
http://www.jce.co.jp/saigaijouhou/manza/3-manza-b.html


通常は、この別れ道を左に進み、かつてのゲレンデを下って熊池に行きますが、新たにできつつある右の道を進むことにします。



  


快適な舗装の道は、確かに一般車が入ってきそうです。厳重な警戒は、そういう意味もあるのでしょう。風雪に耐えてきた万座のダケカンバを眺めながら。



  


工事現場の事務所があります。さて、もし、このルートにお客様を連れてきた場合、この事務所で誰かと鉢合わせとなり、注意を受けるかもしれません。しかも広くはない道。向こうからトラックが向ってきたら工事の邪魔もいいところ。熊池湖沼群の豊かな天然林と神秘さをお見せしたかったのですが、やはりせめて工事が終わるまではここを通るのは止めるべきでしょう。



  


完全舗装には、まだまだかかるようです。オオカメノキの紅葉グラディーションを眺めながら、引き返します。



  


でも、お客様のオーダーは「万座の神秘的な池を…」ということですから、もう一つのとっておきの池、高山トンボが舞う『弁天池』にご案内しようかと思います。弁天池には神奈川工業高校山岳部OB会が所有する山小屋があるのです。



  


おお、屋根が綺麗に塗り替えられています。山小屋からは、神秘的な弁天池の風景が一人占めできるのです。元々この辺りは、林野庁吾妻森林管理署としては学校の教育・研修施設の誘致を進めていました。しかし、昭和51年8月3日、高崎女子高校1年生35名が教師3人の引率で、ここから本白根山に向かって歩いていたところ、上部の白根沢に差し掛かったところで硫化水素ガスが高濃度に充満していたらしく、7人がばたばたと倒れ、結局教師1人と生徒2人が死亡する事件がありました。それ以降、弁天池周辺に研修施設を持っていた学校は次々と撤退し、このYAMAGOYAだけが残ったのです。この、最高の立地を借りる権利を当時の(株)コクドと張り合って獲得したのですから大したものです。






この、神秘的な弁天池を独り占めしているYAMAGOYA。凄いことだと思います。




  


さて、池と言えば、もっと簡単に行ける所があります。万座プリンスホテルのすぐ隣にある、牛池&かたらいの森です。ナナカマドの紅葉にコシアブラのレモン色が色彩を豊かにします。






私の大好きな樹、根上がりのコメツガ大木です。天然の生命力をまじまじと見せつけてくる樹です。




  


そのままプリンスゲレンデ上部へ。谷を眺める、コンケイブ地形に癒されます。来ました。道路わきでこんなに美しい池も珍しいでしょう。万座の牛池です。






牛池の湖映を眺めながら、ここでランチを取りましょう。風が水面に当たらないのでしょう。驚くほど綺麗に映る、鏡のような池です。このあずまやは最高です。環境省もいい仕事をしてくれましたねー。




  


牛池をぐるっと一回りしてみました。奥の湿原は、ヨシが高くて景色なし。しかも木道が水浸しです。足元の苔はミズゴケばかり。あんなにびっしりと生えていたモウセンゴケの姿はどこにもありません。不思議ですね。



  


それにしても、このかたらいの森&牛池は本当に素晴らしい森林浴コースです。万座温泉が本気になって森林セラピーに取り組んだら、どんな森林セラピー基地でも絶対に勝てないだろうと、私は本気で思っていたのです。万座温泉の場の持つ癒しパワーは並大抵ではありません。





しかし、弁天池と牛池、かたらいの森だけでは、ある程度の運動をお求めの、今回のお客様には物足りないことでしょうから、毛無峠周辺、偽高山帯の絶景を360°ご覧頂ける破風岳登山をお付けすることにします。


帰りに、ジロー清水に寄ってみると、水くみ場を清掃していたのは、なんと八町忠さんでした。小串鉱山の労働組合長や嬬恋村議会議員を勤め、閉山してからもなお、小串鉱山従事者の代表世話人です。八町夫妻とは2005年7月以来、8年ぶりの再会です。よくお元気でいらっしゃいました。


「次回の選挙も、ぜひ出て頑張ってくれよ!」いえいえ、地域エコツーリズムを推進実施していくには、嬬恋村議員よりも一般人であった方が全力投球できるというか、上手く行きそうです。キャベツなどの農産業、そして大手宿泊施設が都合がよく利益を出し続けるためには、地域エコツーリズム論はあまり関係がありません。それだけ、嬬恋村にはまだ余裕があるということでもあり、村議員になって政治力で進めて行かなくても誰も困らないみたいですから。私も現状で満足しています。民間人として自由に、バリバリやらせてもらった方が性にも合います。


とにかく、明後日のガイドコースは決まりました。最高の万座ガイドコースでご案内いたします!






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