森林セラピー研修会 上野村 神流川源流の森と森林セラピスト山中慎一朗氏
佐久市森林セラピー推進協議会で、上野村の森林セラピー基地・ロードの視察研修会を企画して下さいました。幽霊会員の私にも招待状が来たので、ありがたく参加させていただきました。
上野村の森林セラピーといえば、日本一有名な森林セラピスト・山中慎一朗氏がホームグラウンドとして案内していると聞きます。なかなかお会いできるチャンスがなかったのですが、今日、ようやくお会いできるということも楽しみです。
車に揺られること1時間以上。上野村の「森の体験館」に着きました。しっかりしたベースがあることも大切な要素です。
山中慎一朗さんの案内の下、マイクロバスで中之沢源流域自然散策路の中に入って行きます。この散策路自体が通常ゲートが閉まって通行止めになっており、森林セラピーツアーで使用する時だけ、通行できるのだそうです(お金を払えば通れる?)。つまり、森林セラピーロードが貸切状態!…これは凄いことですね。
山中さん曰く、神流川(かんながわ)の名の由来は、日本武尊の奥様が亡くなった際に、その髪を流した川であることからだそうです。
…研修会であるので、講義は続きます。
- 上野村の森林セラピープログラムではお客様に歩かせるのは合計で700m位。昼食地点はゲートから8kmもあるし、ほとんどは車で移動する。また、車からは200m位しか離れない。
- 他の基地で行われている、何kmも歩くものは森林セラピーでは無い。
- 通常は村所有の9人乗りホーミーを使って高崎駅まで送迎している。村のマイクロバスを借りることもある。
- このコースは小学1年生〜92歳の方まで案内した。昨年は500人、今年は800人位。
- 夏は宿泊施設等、観光関連施設は大忙しなので、春と秋のオフシーズンに森林セラピーをやっている。
- 参加料は基本的に一人5,000円、人の紹介で3,000円。じゃらんでは少しお安く提示している。最近は5,000でも安いという声もある。
- 平日でもほとんど埋まる。10月はフル稼働だった。
- 集客はほとんど新聞に告知記事を載せている。
この森林セラピープログラムでは準備体操はやっていない。しかし歩き方のコツはお話しする。つま先から着地するイメージ、危険なので後ろ向きには歩かない、丸太の上には乗らない…など。
看板からすぐに急な階段を下りていく。少し下りたところで葉の匂いなどを嗅がせ、参加者の鼻の状態をチェックする。今の感じはどうですか?高崎と違いますか?…参加者に考えさせ、気持ちがいいと口に出させる。フィトンチッドの話、森林セラピーの話、都市と森林の違いの話をしてもいいでしょう…と。
山中慎一朗氏の森林セラピーは、考える森林セラピーです。お客様の頭の中に、「こういう理由で、だから森林セラピーはこんなに気持ちがよく、身体に良いんだ。社会にとても必要なんだ。」ということを実体験させつつ理解させます。この芸当は普通の人にはできないと思います。優れた環境教育者の“落とし込み”の技術にも似ています。
降り進んでいくと、素晴らしい滝が見えてきます。大きな落差があるが水量は少ない。この癒しの滝の名前は「オボロカヤの滝」と言います。このあたりは地名に縄文語由来のものが多いそうです。シモニタ、イカホ、ナリタも縄文語由来だそうです。
「オボロカヤの滝」を見上げる場所に作られたテラス。この座観場所は最強の癒し施設です。
ここは滝のパワースポット。自然のエネルギーを全身で受けて感じていただく。現代社会は誘惑だらけ、ストレスだらけ。ここでストレスゼロレベルを感じていただく。
オボロカヤの滝 は滝の真下まで近寄ることが出来ます。
付近はシオジの天然林。
山中慎一朗氏の森林セラピーでは、ツリーハグもただ「抱きしめて気持ちがいい!」だけでは終わらせない。抱きしめてみて男性を感じたか、女性を感じたか?…上を見ながらハグするのがコツだそう。ツリーハグすると五感以上の「何か」を感じる。それが同性であったり、異性であったり…感じ方は人それぞれ、他人はどう感じるのか解らない。なのに人に合わせたり、気を使ったりするから病気になる。他人に気を使わない生き方をするべき…だそうです。
そして、持ってきた折れるマットを使って…
テラスの上で横になります。これこそが森林安息。折れるマットはロールマットと比べて汚れなくていいかも。
この森林安息がアンケートの中でも一番良かったと出るそうです。雨の日でも、レインウェアを着て寝てもらうと雨が降ってくるのが見えるのです。
帰り道はもちろん、あの長い階段を上ります。急斜面なので、たまに休憩させるためのお話タイムを取ります。
車に戻ったら、次のポイントにまた移動します。お昼時、緩やかな上り坂をのぼって…
美味しそ〜 (⌒¬⌒*)・・・♪
この弁当と、木製の湯のみでお茶のサービスができるのは、完全に車で送迎しまくっているからですが、このおもてなし方については今井通子さんの助言もあったとのことです。今井さんは健康について「空気」「水(触っただけでわかる)」「食べ物(新鮮なもの)」に拘るべきだと考えているそうです。
【山中氏の森林セラピー講義】
- 血圧が正常値になる、免疫細胞・NK細胞の活性化、ストレスが緩和されリラックス、アンチエイジング効果・抗酸化などの話は食後に行っている。
- フィトンチッドは空気よりも重い。
- 森に何かをしに行くのではなく、何かをされに行く。
- 綺麗になりに森に行く。綺麗になり健康になり癒してもらう。
- 医師の場合はより専門的な質問をいただく。それに対してはより専門的な回答をしている。
- 森林セラピーは何のためにやるのか→莫大に膨れ上がっていく医療費の削減のためにやっている。
- 自己紹介はしないほうが、お客様は自分のことを話しやすい。
樹の下で寝てみるプログラム。寝てみてどちらが良かったか聞いてみると、女性的なシルエットは○が選び、男性的なシルエットは△が選ぶ。どちらにも決められない人は…
そしてこんなスタジオもあります。光のスタジオ。なんて羨ましい。使わなきゃもったいないよ〜!そして滝の反対側へ移動。
ここでは、ちょっと冒険。小川を横切ってみます。まずは山中さんが渡ってから、先で参加者をエスコートします。
古い切り株がありました。源流域とはいえ、このあたりも伐採はされた時期があります。なんだか屋久島の切り株を思い出しました。
落ちている葉の中から好きな葉っぱを選んでもらうと、参加者は今の自分の心の状態と同じ葉を選ぶそうです。私は、割と丸く、鮮やかな葉を選びました。
あ、いい根株。こういうの好き。
渓谷の底で、マイナスイオンとみどりの香りをたっぷり吸い込みます。「この谷から、何か出てくるとしたらそれは何でしょうか?」と聞かれて、最初、頭の中には映画「もののけ姫」に出てきた「ことだま」が浮かんできましたが、そのあと魑魅魍魎が次々と出てきたので、「カッパ」と答えてみました。前にもそう答えた人がいるそうです。
最後は、「森の再生」プログラム。これを行うと森を身近に感じることができます。イメージが膨らんでくるからですって。何をやったかは皆さん、参加してからのお楽しみです。
ところで、なんでこういうところで「ヤッホー」っていうようになったのか、知っていましたか?話によると、
昔々、ドイツのある宣教師が高い高い山に登りました。 やっとのことで山の頂上に着きました。頂上からの眺めがあんまり素晴らしいので、思わず
「ヤハウェ! (神様!)」
と叫んでしまいました。
それが山に登る人の間に広まり、「ヤッホー」になったそうです。
なんですって! ほんとーかなあ?