佐久市セラピーロード ファーブルの小径



22日にラジオの生放送があるので、前回に引き続き森林セラピーのことを話そうと思う。まもなく私の森林セラピー講座も始まるので、他のセラピーロードの様子も見たいし。

森林セラピー検定試験対策講座
http://naturekimura.jp/kusatsu-fo/therapykentei.html

佐久市セラピーロード・ファーブルの小径は、佐久スキーガーデンパラダに隣接されていた。ということは高速道路にも隣接されているのでアクセスは抜群である。カブトムシの揚げ物を食べ、いざセラピーロードへ。

すると、やはり奥山というわけではないので、自然度はそう高くなかった。自然の聖地的な要素を持って売ることはできない。観光地的ではなく、地域住民の健康維持増進のためにという方針の方が合うと思った。


  


セラピーロードの入り口には、利用者がどのような特徴があるロードなのかをすぐに理解できるサイン(看板)があると良いとされている。利用者に基礎的な情報・知識を与えるだけでなく、森林浴の前にセラピーロードを体験する期待感を高める効果もある。

長さ、斜度、高低差などが詳しく書いてあったが、消費カロリーも書いてあると良いなと思った。

セラピーロードとしての緩やかなコースと、エスケープして丘上を目指すことができるコースも用意されていた。


  


ロードにある樹木には、丁寧に名前と説明が貼られてある。

木製の札には、 木漏れ日 → この周辺 と書いてある。これをピクトグラムという。森林セラピーソサエティでは、ピクトグラムが必要な理由を以下のように考えている。

・事前の学習なしでも、見ただけで意味がすぐに分かる。
ピクトグラムがあることによって、五感で受け入れる準備が整い、癒しの刺激を得られやすくなる。
・案内者にとっても、利用者への解説が容易になる。

上を見上げると、なるほど、みどりの季節になったらあの枝先に全部葉がついて、真ん中の空間から日が差し込むんだろうな。


  


このコースには鳥の巣箱が結構かけてあった。中には人の名前が書いてあるものもあったので、参加者に作らせたりかけさせたりしているのだろうか。

途中、また新たなサインが現れた。これは座観場所と生理的リラックス効果のサインである。これも、森林セラピーソサエティ的には、以下のような効果があると考えている。

・森林浴による生理的・心理的リラックス効果は、歩行時よりもむしろ座観時に高い事例がある。
・座観場所に、森林浴効果のサインがあるのも良いアイデア、案内した際に、森林セラピーの生理的効果を説明できる。
・また、実際に座観によって、サイン通りの森林セラピー効果が得られるか体験することもできる。

しかし、雪解けのころは少し汚れが目立つ。毎年春には掃除などのメンテナンスをしないといけないのだろう。


  


先に進むと、ロードに倒れた木を処理した跡があった。見ると、近くにあったアカマツの大きな枝が折れてしまい、ロードに落ちてきていたようだ。

私だったら、上を見上げて森の更新の話をするかもしれない。ちょうどその倒木に木漏れ日が当たっている。そこから新しい芽生えがあるかもしれない。うまく自分の落とした枝に種を落とすことができたら、願ってもいないチャンスかな?

…初めからそのつもりで落としたのかも。


  


コース後半には、縄をお椀型に巻いて作った手作りの小鳥の巣がいくつも置いてあった。巣の上部はホオノキの大きな葉っぱで蓋ができるようになっていて、巣が丸見えにならないように気配りがされてある。

この“ファーブルの小径”というロードは、「生き物と森林との間に築かれた、豊かで多様な自然環境をゆっくり思考・観察することで、童心への回帰により心の癒しを感じる」…というコンセプトなのだが、なるほど、他の生き物たちのことを思いやって何かをしてあげるようなプログラムが実施されているのかも知れない。

そして、見晴らしコースへ。このようなコンケイブ地形からの眺望ポイントは必要だと思う。


  


カブトムシドームの横を通って帰路へ。その横にあった若い樹木はエノキだったろうか。良い立ち姿をしている。

オオイヌノフグリのきらきらした花を眺めながら進む。


  


コース外になるのだが、隣接した施設として、昆虫体験学習館があり、熱心な職員さんが丁寧に案内してくれる。

ヘラクレスオオカブトムシを取り出して見せてくれた。


  


奥にはクラフト体験のスペースが広く取ってあって、材料も豊富。50人くらいは一気に対応できそうだ。私たちのところにもこういうところがあるととても助かるなあ。


  


ペットボトルで作った昆虫グッズがいくつか展示されていた。中でもこのDAKARAのキャップのハートマークを目に使った甲虫はとてもいいアイデアだ。

帰りに職員さんが、とっておきの場所を教えてくれた。探すのに苦労したが、洞の中にはなんと森の神様が。

おこしちゃいけない、静かに、そーっと。