森林セラピスト・森林セラピーガイドのための 実践セミナー in 軽井沢



ミスター森林セラピスト・山中慎一朗氏を講師に迎えた「森林セラピスト・森林セラピーガイドのための 実践セミナー」、今日から6日間、浅間・吾妻地域一帯の自然歩道や登山道、或いは森林セラピーロードにて実施致します。


森林セラピスト・森林セラピーガイドのための 実践セミナー
http://ecotourism.or.jp/therapy_seminar_fp.html


では初日、軽井沢町信濃路自然歩道での実施風景をご覧いただきます。







今日は定員8名満員の申し込みとなりました。8名の受講者と山中講師、そしてアシスタントの小平靖子森林セラピスト、そして撮影のために私が同行しています。


峰の茶屋に集合し、数台に分乗してまずは今日の折り返し地点、小瀬駐車場へ。そこからまた半分の車で白糸の滝駐車場に移動し、竜返しの滝を経て小瀬まで歩き、車で戻ってこようというコースです。小瀬で車を駐車し、さあ白糸の滝へ!…というところで、山中講師の講義が始まりました。観光客でガヤガヤしている白糸の滝に行くよりも、ここで最初の講義をすることにしたそうです。


※このブログは山中慎一朗講師の森林セラピー講義をレポートしたものであって、森林セラピーとはこういうものであると定義するものではありません。各自の持ち味を生かした、さまざまなセラピースタイルがあって然りです。ご注意ください。


「まず、聞かせてください。あなたは、何のために森林セラピーをやっているのですか?」
「どうして、森林セラピーをやる理由があるのですか?」


グループワークからスタートしました。山中講師は、「自然観察やインストラクションで行う生き物の名前などは実生活に関係ない、その後の人生にどれだけ役に立つかわからない、ところが森林セラピーはその人の人生に影響を与えるほどの役に立つことができる。だから森林セラピーが一番面白いんです。」と仰られました。


また、都市の悪さがあってこそ、森林セラピーが成り立つ。対比した際に森林環境下だと良い結果が出るから、森林で過ごすことは良い事だと評価できる。森林しかなかったら森林セラピーは成り立たない。都市の環境や都市生活そのものによる健康に対しての悪影響ぶりを話すと、効果的です…などと仰られました。







白糸の滝駐車場へ移動。ここから小瀬に向かって降りていく際、いきなり本コース中、最も急な階段を登ります。呼吸が乱れたところで、呼吸についてのお話がありました。森林セラピーでは鼻で息を吸うこと。吐くのは鼻でも口でも構わない。ガイドが鼻で呼吸をして苦しければそれは早く歩きすぎ。そして呼吸のリズムは各自のペースを大切に。







「あなたはどちらの木が好みですか?」


参加者それぞれから違った意見が出てきます。別の意見を共有してみたり、交流が生まれたり。







「森はあなたにとって必要なことを見せてくれている。語ってくれている。」


瘤のたくさんついた木が気になる人に伺ったところ、その方は癌を患っていたこともあったとか…




  


これまでの森林セラピストとしてのガイディングキャリアから、さまざまなエッセンスをお話くだしました。







本コース一番のハルニレ巨木です。


「この木は男性ですか?女性ですか?」


ハルニレを男性や女性と認識するのは、五感ではない。そんな感覚器はない。つまり、森林を感じることは五感を超えている。森林は五感を超えているのです。







意識を森へ。どんどん森へ。
ストレスにとらわれないで、森へ森へ。







ここは、車道から少し離れ、車の音も気にならない場所。こういうところで森林安息を。果たして森林安息をきちんと提供できている森林セラピストが何人いるのか?フィトンチッドは空気よりも重い。だから寝る。寝ると呼吸が腹式呼吸になる。さらに何もしないとストレスは溜まらない…など、森林安息が終わった後に説明をすること。森林セラピストは、森林内で健康になることができるような手法を提供できるスペシャリストであるはずだ。




  


当初、森林セラピー研究会では、ドイツのクナイプ療法などのように、森林セラピーに健康保険の適応がなされるようになれば…などと言っていたが、それは所詮、夢物語。今はもっと現実的に、森林セラピーを推進することで医療費を削減することを目指しています。







湯川の流れと一体になって降りていく散策路。木道も素敵です。ここで小平靖子森林セラピストの水についてのお話を…残念、今日は時間が取れません。先に進みます。




  


「自然観察やインストラクターとして頭やテクニックを使わせるのではない。しかし心と感性は自由。心と感性を解き放たせるのです。心と感性を森の中でいかに使わせるか。その手法や、その訓練方法を教えるのです。」







「どの色が好き?」


花や樹脂の匂い、樹木、葉っぱなど、対象はいくらでもあるはず。ゲストに聞くことで、ゲストは森に目が行くのです。カエデの葉が好きな人は好奇心旺盛かも。普通の葉が好きな人はきっとノーマル。ミズナラなどのギザギザしている葉を選んだ人は少しイライラしているのかも。森は自分を映し出す鏡です。


「私?私が好きな葉はカツラです。ほら、まん丸でしょ。しかもハート型です (^ω^) 」


ですって…




  


山中講師は北海道で過ごしていた時代があり、そんな話題も出てきます。コブシは北海道にもあり、花も香りがよいのですが、枝を折ったり皮を剥ぐと現れる形成層の部分からも独特の香りがします。アイヌの人達は、お茶や、煎じて風邪薬にするそうです。でも、病魔に薬効のことを知られないように、コブシのことをオプケニ(屁を垂れる木)とか、オマウクシニ(尻を風が通る)と呼んでいたのだそうです。




  


ツリーハグ実施の際のポイント、1/f揺らぎと心臓の鼓動の関係、アロマと森林セラピーの違いは都市と森林では空気がそもそも違うからです…など、たくさんのお話を聞かせてくださいました。


小平靖子森林セラピストはマクロビオテック料理の講師でもあります。食に関するお話ではコメントを入れたりもしました。


森林の中でなら、生きるとはなんぞや、人生とはなんぞや?…といったような、説教がましいことも聞けるのかもしれませんね、と。




    


竜返しの滝まで来ました。今日は曇っていて、午後3時の森はなんだか薄暗く、普通の参加者ならこの爆音響く竜返しの滝はちょっと怖く感じるはずです…が、もちろん、ガイドさんたちは自然慣れし過ぎているので、へっちゃらです。でも、そういう、一般の方の感覚も常に意識しておく必要があります。


最後に、アミガサタケの群生を見つけ、岩城さんはさっそく今日の夕食の材料にと、ちゃーんと収穫していらっしゃいました。


それにしても山中慎一朗さんは理論だてて話をするのがうまいというか、納得できるように話してくださるというか、森林セラピーにおいてこの方の弁に敵う人はまずいないと思います。どういう風にしたらいいのか行き詰まっている森林セラピストは、この講義で必ずヒントを得られるでしょう。


ミスター森林セラピスト・山中慎一朗氏による「森林セラピスト・森林セラピーガイドのための 実践セミナー」、明日は嬬恋村石樋、明後日は佐久市平尾の森で実施します。乞うご期待。


森林セラピスト・森林セラピーガイドのための 実践セミナー
http://ecotourism.or.jp/therapy_seminar_fp.html





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