MTBでエコツーリング〜嬬恋パワースポットめぐりコース〜　下見（その2）

昨日に引き続き、群馬DC嬬恋企画、『浅間山・嬬恋エコツーリング〜自転車でエコ・ツーリズム〜』、嬬恋パワースポットめぐりコースの下見。

昨日は門貝鳴尾の熊野神社で仕事が入ってしまい、急きょ中止した下見を途中から再開する。まずは門貝から西窪まで降りてきて、そこから国道を避けて中居に抜ける道を走る。ここが結構きつい坂道。
捨城庵が素敵な門構えを見せているが今日のコンセプトとは関係が無いので通り過ぎる。

県道59号線との交差点に出た。右側にはかつての大商店『清水屋』があるがそれも今日は関係なし。左にある清水法水こそがパワースポット、ありがたい水なのだ。

嬬恋村の湯窪に来ていた弘法大師は、そこで夫婦薬師像を彫り、この三原に立ち寄って杖をついたら水が湧いた。そのまま門貝に行って杖を地面に刺したまま忘れてしまったらそれが大杉となり県指定の天然記念物の巨木になっている。

飲んでみると、ミネラルはたっぷり、それでいてしつこくないまろやかな味と舌触り。驚きの名水です。源頼朝が巻狩りの際に愛飲し馬場を設け、その後も家来に汲みに来させたとの伝説もうなずけます。

そのすぐ上にあるのが阿弥陀堂。小説家・南木佳士（霜田哲夫）の実家もこの近くで、映画『阿弥陀堂だより』の舞台はまさにここ三原である。しかし映画に出てくるような守人はいないし、前にある畑は阿弥陀堂の所有では無い。

阿弥陀堂とは、人々が極楽へ往生するのを導く阿弥陀如来を奉ったものらしいが、なんとここには弘法大師が湯窪で彫ったあの薬師如来が安置されているのだ。阿弥陀堂に安置されている仏像一覧の札があるが、薬師如来以外にもとても変わった仏像があるので、興味がある方は三原区に正式に依頼して訪ねると良い。

ここからは下の道を行く。桜が咲き始めた三原商店街を通り、国道144号線、そして今井へと向かう。

今井への上り坂もかなりのもの。休憩場所は今井堂辺りが位置的には良いが、自転車を何台も置けるスペースがない。ちなみに今井堂は三原の阿弥陀堂に造りが似ている。そして三原三十四番観音札所では番外とされていた。

そんなわけで、いったん隊列をたてなおす為の休憩所としては、今井神社が相応しいだろう。さらに少し上ることになるが…。
今井地区は、かなり味のある古民家が残っている。いつか、中を拝見させていただきたいと思う。

オオアラセイトウが咲いている。なんとなく日本っぽくないがやっぱり中国原産の帰化植物だそうだ。今井地区遺跡群の看板がある場所に来た。この辺り一帯がパワースポットだと考える。太陽と共に生き、月や星に護られ精霊の声を聴きながら暮らしていた古代人達がパワースポットを見逃すわけがない。

カワラヒワ（スズメ目アトリ科）のつがいが。私たち夫婦のように仲良しこよし。
そして平沢の田の神様に到着。これこそが今井の谷を護る真のパワースポット。

平沢の田の神様（宝筐印塔（ほうきょういんとう））
http://d.hatena.ne.jp/akagi39/20040922/1293202048

かつての集落には神宿る巨石があった。祖先たちは神は春になれば山を降りてきて田の神になり、収穫が終わると山に帰ると信じていた。そして死者たちも同じ場所で神霊となり村を守った。それが今井平沢の田の神様・宝筐印塔なのだ。

ここから半出来を目指して国道方面に降りることにした。田んぼのあぜ道のようなところを通る。ここではホオジロ（スズメ目ホオジロ科）が近くにとまってくれた。

ホオジロの写真を撮って出発しようとしたら、林の中からバッサバッサと翼を羽ばたいて飛び出す大きな鳥が現れた。私の頭の上を優雅に旋回するその姿はトビよりも一回り大きく、体は暗褐色、長い風切羽…イヌワシ？イヌワシしか考えられない。こんなに地上近くを飛んでいるものなのか？

ただし、今日見たタイプのものは、実際には嬬恋の畑の上でよく見てきた。今日は近かっただけ。イヌワシは実際には草原の上で、ウサギや爬虫類、他の鳥を狙っているらしいから、別に高いところばかりではなく、里山に普通に飛んでいるのが正解なのかもしれない。天空の覇者も、地上の生命の営みにより生かされているのだから。