2級樹医養成セミナー 2007/11/23


樹木・環境ネットワーク協会の「2級樹医養成セミナー」に行ってきた。3日間の集中講座を3回行う。今回は2度目のセミナー。ここで学んでいる治療の勉強の内、とても特徴のあるのがこの治療実習。

まず、山本先生が丸太にチョークで円を書く。その円の内側にきれいに4cmの穴を彫っていく。通常治療現場ではこの穴は朽ちて樹洞となっているところなのだが、ノミやチェーンソーの扱いに慣れさせる理由もあって、穴を彫らせているのだと思う。微妙な角度も求められるのだが、ここではその紹介は省いておく。


  


次に、この穴の中にラス網を張り、鉄筋を組み、番線で括る。この方法もいろいろと細かい指導を受ける。たぶん載せてもいいのだろうが、今のところは省略する。そのうち、紹介ページを作ろうと思っている。

工具はこのようなものを使う。セットで¥9,000で新品をそろえてくれると言うので、注文しておいた。

私の出来はこんな感じ。本来は幅5cmのマス目になるようにしなくてはならない。3月のセミナーではメジャーを持っていかないといけないなあ。


  


そして、その上からセメントを塗る。このセメントのラインが、形成層のちょうど下に位置するように、鉄筋を組んでおくことも大事。セメントの練り方も山本先生が丁寧に指導してくださった。結構きちんと練るのは大変だった。

塗った後は、最終的に擬木仕上げをすることになる場合が多いようなので、ツルツルには仕上げない。木の皮目に近くなるようにギザギザに仕上げ、木と同化させるために同色の色を塗る。今日はその擬木仕上げまではやらなかった。

この「擬木仕上げ」に日本らしい「道」としての美学を見た。人が治療したあとの木を見ても、違和感がないように、周囲の風景に溶け込めるように、そして美しくありたいであろう木の心を汲もうとするものであろう。しかし、もしこれを天然林の中で行なわれてしまうと、森林インストラクターとしてはちょっと困る。だってモルタル製の木のようなものがあっては、森の動物達が間違ってしまう。キツツキが間違ってモルタルの偽木を突いて怪我をするようではいけない。だから森の中では、モルタルの色を露出させるほうが良いのかもしれない。でも、都会の中の木を助けるためならば、このような方法こそ日本らしい、美しい「道」であると思う。