旧六合村 アトリエ久仁(くに)で裂織(さきおり)体験



六合村に、「裂き織り体験」に来ています。


―経過はこうです。7月13日にNHKラジオ朝一番で、「ものづくり伝道師 浅間・吾妻塾」のことをお話したのですが、それを嬬恋村内の鈴木さんという方がお聞きになり、「ぜひ、当地に浸透している素晴らしいものづくりである『裂き織り』に取り組んでほしい…」と仰られたのです。


それで、エバーグリーンの高橋さんが生徒として通っていらっしゃるので、私も連れてきていただきました。




  


六合村、アトリエ久仁(くに)主宰、岩瀬仁子さんのお宅に伺いました。これが裂き織り機です。







裂き織り ってな〜に?!


裂き織りとは?


一般的には、経糸(たていと)には綿糸や丈夫な糸を使い、緯糸(よこいと)には布を細かく裂いたもの(裂糸)を織り入れるものを言います。


歴史?


古手木綿を緯糸(よこいと)に使う裂き織りに限定すると、実際に織られていたのは江戸時代から昭和10年前後までと言われます。その後、太平洋戦争から終戦前後の物不足の中で復活し、その延長線上に裂き織りブームがあるようです。


織られた所?


江戸時代にあって、綿花の栽培が始まりましたが日本海沿岸の豪雪地帯などでは育たず、北前船が大阪、京都で仕入れた大小様々の古手木綿を詰めた米俵を運び、それを5〜6人で一つ買い分けあって使ったようです。


作るものは?


昔は風も水も通さない温かい丈夫な作業着や敷物など、もともと生活の中から生まれたもので、「織り手の数だけ裂き織りの種類がある」と言われるほど、美術芸品、洋服、着物、バック、帯、インテリアなど、幅広い分野のものが作られている。


  


なかなか渋い、こういう生地ができて、こういう小物の風合いになるみたいです。


岩瀬仁子先生は渋川生まれ育ちで、東京で結婚し練馬区に家があり、子育てが終わって、ここ旧六合村の家は1990年ごろ、別荘のつもりで建てたそうです。現在はご主人がすっかりここの生活にハマってしまい、ブルーベリーや行者にんにくなどを栽培しているそうです。


岩瀬先生と裂き織りの出会いは、60歳の節目の健康診断の際、間違って行った場所が裂き織りの講習会会場だったそうで、それからすっかり裂き織り機の魅力にはまってしまったそうです。電車で2時間かかる秩父の教室に月に2〜3回、10年通ってマスターしました。




  


こういう風に、裂いた布を織りこんでいきます。だから「裂き織り」と言います。糸を通すのは「糸織り」ですが、それは岩瀬先生もやらなかったそうです。




  


布を通すので、こういう涼しげなのれんもできちゃいます。右の写真は元の布、裂いた布、織った生地の三点です。

来年は暮坂高原花楽の里で展示会をすることになっているそうです。2013年10月第2週木曜日〜第3週水曜までだそうです。ご興味ある方は行ってみてはいかがですか。




  


裂き織り機を裏側から見たところ。しかし綿糸の細かいこと。さまざまな色を用意してあります。




  


赤い布が終わり、ここから青い布を繋げていきます。ある程度できたらレバーを引いて手前に引いて…







これを繰り返すだけです。織るのは、とても簡単です。




  


ざっくりとした生地になりますが、それでベストを作ったりしています。こういうものを見ると、私も手作り作務衣のための生地を織らせていただきたくなってしまいました。
ずうずうしくも黒豆茶とデザートをいただきながら、インタビューさせていただいています。




  


この場所には裂き織り機2台しかありません。しかし生徒はたくさん通っています。その生徒ごとに糸だけのセットがあって、それを付け替えて織ってもらうのだそうです。




  


裂き織り機は秩父の有限会社関根で購入するそうです。一台25万円。ぐわっ、結構高いですね。




  


これが糸を整える整経台。これだけで45,000円もします。この、細かい網のようなもので、経糸の幅を変えます。




  


さて、高橋さんの方も大体、織りあげたようです。最初と最後に行う、「止め織り」という方法で仕上げます。まず、綿糸を何回か通して、




  



次に、平たいアルミ棒を通して、それを抑えるように、その上にまた綿糸を何度か通します。



  


この上には、何か適当な布を何度か通し、もう一回綿糸だけで数回通しました。これで、織り作業は終了です。




先ほど通しておいた平たいアルミ棒を抜いて、その部分をハサミでばっさりと切ります。







できました!高橋さんの古着で作ったタペストリーです。体験料金は30?×70?で1,400円。これはお安いですね。驚きました。




  


最後に、布の裂き方を。端の一部を残し、こうやって1?位の幅の長い布切れを作ります。ご興味ある方、古着の布を準備して、訪ねてみてはいかがですか。

あとりえ久仁(くに) 岩瀬仁子先生
〒377-1701 群馬県吾妻郡六合村入山373
TEL/FAX 0279-95-5635






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