草津町 〜 芳ヶ平湿原 〜 渋峠 〜 国道最高地点 〜 芳ヶ平湿原 〜 白根神社奥宮 〜 草津町(コース状況下見)





草津温泉の宿泊者向けのトレッキングコースを検討中。草津温泉から芳ヶ平までの道はしばらく歩いていないので、そこの状況を確認するのが一番のポイント。ところが、私の認識はかなり間違っていたようだ。
このブログは自分で登山コースを理解するための記録日記でもあるので、この記事は長々編になるがどうかご勘弁願いたい。






  


草津天狗山ネイチャーセンターから矢沢川沿いに車を走らせ、河川管理境界の看板まで来たところで車が進入できなくなる。ここに数台の駐車スペースがあり、ここから上る。
この道はかなり荒れていて、現在は登山道として整備をしていないように見える。以前、道祖神が置いてあった洞も、今は灌木で塞がってしまっている。




  


左に鉄塔が見えるが、見たところかなり古い。昔の硫黄鉱山時代のものだろうか?
荒れた道を進むと、何やらバリケードが通せんぼしている?




  


看板には右が草津、左が芳ヶ平。振り返ると【←草津温泉 この先危険 立入禁止】と書いてある。なんと、私がいつも来ていた道は元々立入禁止の道だったのか!通りで、来るたびに道が荒れていくと思った。なるほど。




  


しかし、この正規の登山道も、水流で砂利が掘られ、あまり宜しくない状態。
進んで、渋峠草津探勝歩道の看板を左に進む。




  


常布の滝遊歩道は閉鎖になっていた。崖崩れでもあったのだろうか。
この先、「大周り」という地名があるところは、ミズナラの大木が並び、気持ち良く森林浴が味わえる。




  


しばらく歩き、毒水沢に到着。この沢を上って香草源泉へ行くツアーも実施したいのだが、ここも立入禁止としてしまっている。日本のアウトドアはもっと「自己責任」文化になってもらわないと困る。行政の責任にするから立入禁止にされてしまうのだ。




  


山ガール二人組に癒され、毒水沢を出発。緩やかな上りが続く。




  


横笹を過ぎ、カラマツ人工林をしばらく上って、芳ヶ平まであと1キロ位になってくると、展望が開けてくる。




  


このあたりはもう芳ヶ平といえるエリア。ナナカマドの紅葉も見えてきた。





白根山と芳ヶ平、草津の分岐点からの白根山の眺め。





  


芳ヶ平ヒュッテを通り過ぎる。もうすぐお昼だが、「宿泊準備のため、暫くお待ちくださいませ」とのこと。さっきの山ガール達も今日はここに泊ると言っていた。木風舎の橋谷晃さんが最近テレビでこのコースを紹介したこともあり、きっと大繁盛中じゃなかろうか?!




  


紅葉のピーク一歩手前の芳ヶ平湿原。こんなに晴れた日に当たるとは超ラッキー。






ナナカマドと湿原歩道。正面のピークは池ノ塔山。志賀高原から草津に抜けるテレマークスキーはあそこを上ってスタートするそうだ。





湿原の池溏(ちとう)に、雲を映してみました。「わたあめつかまえた」




  


芳ヶ平湿原を越えると、まずは岩場の道となり、その後急な木道がある。これを上ったところで振り向くと、





芳ヶ平と白根山のビュースポットがある。ベンチがあって休憩もできる。




  


整備された木道を進む。今年はシラビソの球果が豊作の模様。




  


ダマシ平のカラマツにある、大きな鳥の巣の様なものはテングス病。僅かずつだが年々大きくなっている。どこまで大きくなるのか楽しみ。




  


さて、ここからの道が、なんと一昨日の雪がまだ解けていない状態。今日はホームページ用の写真撮影も兼ねているのだが、雪入りの写真素材はちょっと使いにくかなー。国道まで出ると、木々には樹氷がまだ付いていた。







もう今日は充分に暖かい(気温15℃位?)ので、樹氷はどんどん溶けていく。見ていて飽きないので動画を撮ってみました。




  


国道最高地点まで来ました。ここから見る草津白根山は絶景です。




  


芳ヶ平湿原や草津白根山ジオラマのように見えます。







くどいですがビデオカメラを回します。芳ヶ平湿原はゴルフ場のコースに見えるそうです。




  


登山口まで戻って、今度は芳ヶ平を経由して白根山方面を目指します。




  


岩場の道は険しいところもある。ここはむかしみち。江戸期、信州側(長野県)では草津温泉に通じる草津道と呼び、上州側(群馬県)では沓野(くつの)村・渋湯(現山ノ内町)に通じる沓野道とか渋湯道と呼ばれたそうです。東国一の湯治場・草津温泉に、峠を越えて米や醤油などの物資供給が行われました。しかし、峠は難所で馬は使えず、もっぱら牛による輸送だったとのことです。


今年のナナカマドは実が多い様な気がする。




  


ダマシ平に到着。左の林にはダマシザウルスがいます。知ってましたか?




  


このダマシ平はスキーツアーの際に芳ヶ平と間違え、危険なガラン沢方面に出てしまうことがあるので、そう名がつけられた。横手山火山のなだらかな溶岩流の上を降りていく。




  


石の階段を下りて芳ヶ平へ。最高のベンチは午後は空いていた。




  


芳ヶ平ヒュッテを越えて、白根山方面へ。




  


まだ紅葉のピークにはなっていないが、もう7割位のところだと思う。昨日の冷え込みで一気に進んだようだ。





国道最高地点方面。




  


ナナカマドがかなりいい感じになっている。





グリーンの絨毯の上に、赤いビーズが転がっている。今日はまだ黄色いビーズは見つからなかった。




  


左上には立ち枯れの木の根株が。1882年の噴火前はこの辺りは森林だった。
白根山裏側、硫化水素ガス発生地点。




  


ここで、今日初めにお会いした山ガール二人組と再会。白根火山まで行ってみるそうだ。
私は、ここから左側の御巣鷹山(白根隠し山)に向かう。草津からは、御巣鷹山が邪魔して白根山が見えない。だから白根隠し山。





御巣鷹山からの白根山。真っ白な月面世界。こういう、浅間・吾妻のスケールの大きな風景が私は大好きだ。こういうところを人に見せる仕事をしたくて、エコツアーガイドになった。




  


御巣鷹山には、白根神社の奥宮がある。


白根神社の創建は古いらしいが、その発祥は定かではないそうです。ただし草津白根山そのものは、古くから山岳修行は盛んで、火口から修験者が投げ込んだとされる笹塔婆(ささとうば)が見つかっています。


貞観5年(西暦863年)に式部省が諸国に「各々の国の神社一覧を作成して提出するように」という指示を出したようで(日本三代実録による)、それによって作成された『上野国神名帳』によれば、白根神社の祭神である白根大明神は「吾妻十二(十三)社」の中で従一位の格で、第一位に記されています(浅間明神は従三位)。当時は吾妻郡内では一番位が高い神様でした。また、従二位も「小白根明神」ですので、白根山関連の神様らしいです。


ただし、現在の白根神社里宮の祭神は草津温泉を発見した伝説がある日本武尊となっています。




  


御巣鷹山から見る志賀草津高原ルート、そして草津町の街並み。この映像も拡大したいところでした。





帰り道、夕暮れ時の西日にナナカマドが照らされています。




  


さて、西日もかなり傾き、大急ぎで帰らないと。道祖神さま、事故の無い様に見守っていてください。




  


上布の滝が眺望できるスポットがあるので寄ってみた。かなり遠く、もう暗いのでなんとか撮った感じ。




  


荒れた砂利道まで戻ったところ、暗闇になるまで、あともう少し時間がある。よし、では正規の登山道を降りてみよう。右にではなく、真っすぐに進んでみる。




  


すると、上ってきた崖の上を歩くコースだった。「蟻の塔渡り」という。下を見たらぞっとしてしまう。かつて上越からはこの道を通って湯治に来たのだ。恐れ入った。





これは「物見のナラ」と名が付いています。その昔、茶屋をしていた人が来訪者の姿をこのナラの木に登って見ていたそうです。




  


なんとかまっ暗闇になる前に、道路に出ました。この先に進むと、矢沢川を越えて草津森の癒し歩道に行くそうだ。冬になる前に樹木の状況を見に来ることにしよう。