本白根山探勝歩道 スーパーエコツアーガイド現地研修会 実施
7月25日にご案内する女子中学校1年生林間学校の自然学習ガイドのためのスタッフ研修会です。ガイド12名での依頼でしたので、2日間(2回)に分けて実施しました。今日が2回目になります。
まずは弓池湿原を散策。あった!見つけました。前回の研修会では見つけられなかった、ミヤマモンキチョウの卵です。こうやって一つの葉っぱに一つずつ、卵を産み付けます。
もう少し丁寧に探してみると、あったあった、たくさんあります。卵を一つ見つけることができたら、その周辺には必ずあるのでしょうね。だって当然、一匹の蝶が何十個も産むのでしょうから。
このあたりは五葉松の内、キタゴヨウとハイマツがあります。迷った時には球果を見ると、一目瞭然。裂開した球果がついているのがキタゴヨウ。ハイマツの方は実が大変に美味しいので、完全に熟す少し前に、ホシガラスやリスが持って行ってしまうんです。ちなみに、ゴヨウマツというものもあるのだそうですが、亜高山帯下部にあるのはだいたいキタゴヨウです。見分け方は、
- キタゴヨウ : 球果が裂開し、翼が種子よりも長く山地帯から亜高山帯下部に生育
- ゴヨウマツ : 球果はやや裂開し、翼は種子の長さの内外で、丘陵地から産地帯下部に生育
です。
先日紹介した、2段になったゴゼンタチバナ。周囲をよく観察すると、こういうものもあります。下段が双葉(2枚)で、上段が4枚。
こちらは、上段が5枚になったもの。感心していたら、4枚、5枚、6枚のものが並んで撮れるところがありました。このショットは逃しません。
トウヒの球果を観察したり。さて、空釜に出る少し手前のこのクロマメノキ、どうも様子が変です。
花の形が通常のクロマメノキよりも小型で縦長だし、葉も少し小さく縦長です。クロマメノキの亜種、コバノクロマメノキ(ヒメクロマメノキ)なのかもしれません。
空釜(中央火口)に到着しました。
紅色の濃いもの、薄いもの。
マルハナバチが盛んにコマクサの間を飛び交います。地元住民の植栽により急激に増えたコマクサでしたが、現在は花粉媒介者(ポリネーター)・マルハナバチの数も追いついていることでしょう。ところで、たまたま撮った写真を後で見ると、花の真ん中がいつもと違うものがありました。コマクサの花柱でしょうか?あれ?種ができる前にこういうものができたかな?柱頭・花柱・子房…そうして根元の子房の中の胚珠が種になるという…
ホシガラスが隠したハイマツが発芽したものの、枯れてしまった個体です。
ヒメシャジンがもうかなり咲いています。ミヤマモンキチョウの雄がハナニガナの蜜を吸っています。
展望所に行く途中で見つけた大きなコマクサの株です。
今日も展望所での昼食になりました。石津溶岩はこのあたりから浅間山方向に流れました。この場所から地形を読み取るのは難しいです。
ミネザクラに出来たたくさんのコブ。とても気持ちが悪いですね。虫こぶかな?と思いましたが、病気の線が濃そうです。そして、鏡池に降りようとしたところで、いました!
ミヤマモンキチョウの雌です。長い時間粘って、ようやく横向きになってくれました。このメスは、翅の縁に現れるピンク色がかなり濃いです。素人考えですが、このピンク色が弱いものは、普通のモンキチョウとの交配種なのではないか?と、心配してしまいます。現実的に、両者が後尾のためのアタックしているところを見たことがあるのです。
ふわりふわりとやってきたのは渡り蝶・アサギマダラです。私のカメラではこういうものが撮れません。ポケットから直ちに取り出せるサイズで、蝶の飛翔が撮れるカメラはもう出ているのでしょうか…
やっと見つけました!ミヤマフタバラン。今年も咲いていてくれてありがとう。団体ではちょっと見られないかな…
帰りに草津白根パークサービスセンターによって、このパネルをもう一度復習。
白根山と信仰
■白根明神
白根明神は、白根山を神格化して祀った神社で、かつては白根山の湯釜の中にありましたが、現在では近くの御巣鷹山の頂上付近に祀られています。
信仰の山としての白根山の歴史は古く、12世紀ごろにはすでに霊場として修験が登山していました。これらの修験者の手で、湯釜の中に多くの笹塔婆が投げ入れられていました。
■山伏の造塔供養
笹塔婆は、長さ130mm巾125mm厚さ2mmの木片で、修験者が諸国の美山有限の霊場をめぐって、神仏に供養した時に使われたもので、経文や祈願文を書いて奉納したものです。
そこにザスパクサツ群馬のポスターが。
「魂 闘志や熱意も常に源泉かけ流しであるべし」
うーん、わからん! …深いのか、浅いのか?!