白馬村へ

私の人生でどうしても誤らなくてはならない樹が2本ある。先日の大阪梅田の一本と、もう一本は白馬村にある。今日はその樹にお詫びを入れに行ってきた。

白馬村にある長谷寺(ちょうこくじ)。松本〜糸魚川間の千国街道筋にあって、結構な伽藍を備え名刹として知られる。ここのサクラの樹に、悪さをした覚えがあるのだ。

しかし、どのサクラの樹に悪さをしたのか…記憶が定かでない。このシダレザクラか?境内中のサクラにお詫びを入れ、さらに本尊様に平謝りでお詫びを入れたが、どうも釈然としない。大阪の時と違う。許してもらえていないような気がする…。


  


釈然としないまま、鐘を鳴らしてみた。「ゴオオオオーン」とすんげえ音がした。どきっとして尚のこと後ろめたい気持ちになった。やばいぞ、どうする?

この長谷寺には、推定樹齢500-600年の老杉群がある。当山創建当時(明徳2年・1391年頃)に献木されたもので、白馬村指定天然記念物となっている。この樹を見て、ハッと思った。枝打ちの仕方がなっていない。あれでは腐れが入って樹がダメになってしまう。

よし、樹医の資格を取ったあと、もう一度ここに来よう。お詫びといっては何だが、この老木を治療させていただこう。社会的信用を得るためには樹木医のほうも取っておく必要があるかもしれない。


  


実るには 天地の恵み 人の精進 いい言葉をいただいた。天地の恵みの下、精進し、ここに戻ってまいります。

ゲレンデイン葡萄屋は、今は白馬サンバレーホテルという名前になっている。突然の訪問だったが、坂本さんが迎えてくれた。本家葡萄屋でも、村田オーナーが温かく迎えてくださった。おかげさまでようやく胸の仕えが軽くなったような気がした。

白馬サンバレーホテル裏の樹にある謎の工作物は、考えたくないが若き日の私の仕業だ。ゲ!私の人生で誤らなくてはならない樹は2本じゃなかったの?