ビオトープの基礎知識 ― 野生の生きものを守るためのガイドブック


ビオトープの基礎知識―野生の生きものを守るためのガイドブック

  • 著者 ヨーゼフ ブラープ
  • 発行 日本生態系協会(1997/05)
  • 単行本82P
  • ¥1,470



2006年ビオトープ管理士試験の教読本。



書いてあることはビオトープに関しての基礎知識に違いない。しかし、翻訳の仕方が単語的であり文章的でない。文末の言い回しがとても回りくどく、非常に読みづらい。もっと読みやすく編纂して発行することはできなったのだろうか。



ビオトープの考え方は、決して難しいものではない。自らの40億年の生命のルーツから生まれる自然への帰依心。その当たり前の帰依心で景域を見れば、その場所にどういう種がいることが当たり前の自然であるのか、相観として違和感がないのか、どんな開発が望ましいのかが感覚的に解かるはずである。調和の取れていない、見ていて安心できないような土地開発は、地球生命に対して謙虚に、素直になれば選択するはずはないのである。



金やら地位やら政治的思惑が絡んでくるから地球生命と足並みがそろわなくなってくる。いつまでも地球とともに歩んでいける開発をしましょう…。というのがビオトープの考え方のはずである。



こんなことを書いて申し訳ないが、本書は、ビオトープに関心のある人に対し、ビオトープの基礎知識として導入するための書としては相応しくない。こんなに読みにくい本では、簡単なビオトープが難しいものと思われてしまう。この本は、ヨーゼフ・ブラープの本の直訳本であり、根底の、本来のビオトープ思想を脱線しないようにするために、関係者が所持しておくべきというものである。