万座のフクロウ

      • 万座温泉ホテル ハートフルクリーティングより引用---

予約の木村でございます。

自然バカの私が自然の事を書き始めますと、熱くなってきて2,000文字でも全然足りません。…が、このシリーズでは感動したことを一言、申し上げたいと思います。そして、ここでは万座の自然を主にご紹介してまいりたいと思いますので森林インストラクターと名乗ることをお許しください。

昨日、北那須の自然に詳しい友人が泊まりに来てくれました。動物、野鳥、魚、植物など何でも来いの頼もしい方です。特に猛禽類を得意としていらっしゃるので昨年7月の不思議な体験の話をしました。

昨年7月中旬、22時頃、万座ハイウェーを上りカラマツ天然母樹林の看板を過ぎたあたりで、大きな野鳥がフロントガラスを横切りました。間一髪、驚いてブレーキを踏みました。落ち着きを取り戻してから車外に出て、声を潜めてじっとしていると、間もなく大きな野生動物の声が聞こえました。1羽でなく5羽位いるようでした。音量は猿の声ほどでしたが、いままでに聞いたことのない不思議な声でした。やがて暗闇に目が慣れてくると、周囲の木に、尖った耳のようなものがあるフクロウらしきものが留まっているのが見えました。帰ってから調べると、あれはトラフズクだったに違いないと確信しました。

トラフズク−−−! はじめて見た野生のフクロウは、滅多にいないトラフズク

さすが万座の自然、一味違います。

翌朝、天然母樹林近くの弦ヶ池に車を止め、周囲の森を指差しながら友人にその夜のこと、万座の森のことを説明しました。40代半ばの彼は、好奇心に満ちた少年のような眼差しになり、万座の森の豊かさに聞き入っていました。そして、いつかまた、万座のトラフズクに会いに来る約束をしてくださいました。もちろん、その時は私と一緒に…。再会が待ち遠しい限りです。
                                     森林インストラクター 木村道