鉄の博物館
11月1日(土)〜2日(日)に東吾妻町にて、岩櫃城、歴史、武士、忍者、戦国時代、真田氏…などをテーマにした 「岩櫃城 忍びの乱」(http://www.shinobinoran.com/) という複合イベントを実施します。
それで、2日(日)には、東吾妻町が誇る刀研ぎ師・鞘師として全国に名高い剣持直利様に、記念講演「日本刀の美と心」(仮称)としてお話いただくわけですが、そもそもプロデュースしている私たち実行委員達が日本刀について知見が乏しすぎるので、付け焼刃ではありますが、長野県坂城町の鉄の博物館に学習しに行ってきました。
おお、「付け焼刃」と出ましたね。ここにも「刀」にまつわる日本語が…日本人の心と刀は切っても切れない仲のようです。 んん?切っても切れない?
博物館の前には、人間国宝、故・宮入行平先生の顕彰碑がありました。
我が国における現代作刀界の第一人者「人間国宝」宮入行平(本名堅一)先生は、昭和52年(1977)11月24日急逝されました。
先生は大正2年(1913)3月17日坂城町に生まれ、24歳で栗原彦三郎氏の日本刀鍛錬伝習所に入門、若くして門下の逸材として世に知られ、作刀一筋の人生を歩まれました。
戦前戦後を通じて、各作刀展における受賞は数多く、新作刀展においては連続特賞を獲得、昭和35年無鑑査に推挙され、同時に審査員となりました。
昭和37年坂城町名誉町民に推挙され、翌38年国の重要無形文化財(人間国宝)日本刀の部保持者に指定されました。この間伊勢神宮を始め、更に紀宮殿下常陸宮妃殿下の御守刀を謹作され、幾多の名刀を遺されました。
日本人の魂を鍛えぬき、そして逝ったこの偉大な先生の功業を永く後世に伝えるため、この顕彰碑を建立しました。
鉄の博物館(http://tetsu.town.sakaki.nagano.jp/)では、現在、新作日本刀の展覧会が催されています。
第五回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」
この展覧会は全国の刀職人(作刀、研磨、外装)達が出品(公募)して、技術を競い合うとともに、技術の向上、人材育成を図ると同時にその成果を広く公開して、総合芸術である日本刀文化の理解を深めてもらおうと、公益財団法人日本刀文化振興協会が実施しています。
平成22年より第四回までは東京都港区にある大倉集古館(http://www.shukokan.org/)で行っていたのですが、建物が改修工事になるために、今年は坂城町鉄の博物館で実施しているのだそうです。
しかし、人間国宝、故・宮入行平氏が育てた宮入一門が日本刀の業界では最大手だそうですので、このまま坂城町での実施が恒例になるとありがたいですね。私たちも見に来ることができます。
そしてなんと、8月22日〜24日にある「刀職者実技研修会」一般公開(文化庁助成事業)に、剣持直利様も講師としてお見えになるそうなのです。おお、剣持様の凄さがひしひしと伝わって参ります…
実は、この中にある、「五寸釘を使って、手作りナイフを作るワークショップ」 というものがとても気になっています。「岩櫃城忍びの乱」でもやっていただける可能性はあるのかどうか、そういうことも含めた視察に来たわけであります。
入館して、この辺は写真撮っていいそうなのでパシャリ。おお、このお方が宮入行平氏のご子息で家督を継いだ宮入小左衛門行平様ですか…え、この本持ってるの? うーん、うちのおっかあも侮れない奴…
館内にも、宮入行平氏の銅像が。坂城町名誉町民・人間国宝の扱いぶりに頭が下がります。そして中に入って行ったところ、解説員の方がお客様に説明していたので傾聴させていただいたところ、その解説者はなんと、
宮入小左衛門行平様その人でした。
宮入一門で(展覧会の期間中だけ?)毎週日曜日にここで解説を担当しているのだそうですが、今日はお弟子さんたちにお盆休みを与えてしまったために、ご自分が来るしかなくなってしまったそうです。なんと弟子思いな…
日本刀についてあまりにも無知な、私たちの質問にも優しくお答えくださってありがたいやら申しわけないやら…
初めての日本刀展覧会は眩しすぎて、ちょっと休憩、階段下の「日本刀ができるまで」パネルや工程のサンプルを見学。作成工程のDVDが流れているので見てみると、
宮入小左衛門行平刀匠が写っていました。
なるほど、ようやく鉄の博物館のことと、宮入様のこと、この日本刀展覧会のことを理解いたしましたー。
博物館のパネルの解説は、素人にもわかりやすくて助かります。そのパネルを本にしたものは700円で販売されていました。よし、では日本刀を学ぶ本を購入して帰りましょう。
買ってしまいました。日本刀の(初心者向け)専門書三冊。
しかしこれ、11月1日までに読めるのか? またやりすぎちゃったみたいね…