中之条町 鳥追い祭(午前の部のみ)



前から見に行きたかった、中之条町の鳥追い祭。今年は無理だと思っていましたが、午前中、ちょっとだけ体を空けれたので、サクッと様子を見てきました。


鳥追い祭は、田畑の作物を荒らす鳥や獣を追い払い、五穀(米・麦・あわ・きび・豆)やその他の作物の豊かな実り・町内厄除・家内安全を願って始められたとそうです。


中之条町の鳥追い祭の歴史は古く、慶長9年(1604年)に始まったと言われています。宝暦年間(1751〜1763)には、大庄屋の町田重兵衛が町を上下二町に分け、競争で太鼓を作らせたので、一層賑やかな祭礼となったそうですが、競争激化により祭りで相手の太鼓を破るなど、乱暴にもなってしまったそうです。


この時代に名物の大太鼓は新調され、大小の太鼓あわせて11個が昭和58年(1983年)群馬県指定重要有形民俗文化財に指定されています。直径1メートル以上もある大太鼓が大通りに並べられ、やがて街中を練り歩きます。


明治時代になると、商売繁盛の願いも加えられて、正月の伝統行事として行なわれるようになったそうです。



  


つむじの近く、仲之町にある「オオルリ」が画かれたシャッターのある商店が本部となります。9時頃には大勢集まっています。待っていると、焼いたイワシが回ってきました。祭りの日ですから無病息災のイワシですね。ありがたくいただきます。



  


午後には、Tsumuji周辺がメイン会場になるらしく、屋台の準備が進んでいます。お巡りさんもたくさん出てきました。



  


9時30分、開会の挨拶がなされ、「鳥追い太鼓ギャラリー」に移動します。ここは、旧廣盛酒造の蔵だったそうで、1号〜11号の鳥追い太鼓を常設展示しています。
(所在地:群馬県吾妻郡中之条町大字中之条町909-16)



  


ギャラリーから、次々と太鼓や飾りが出庫します。




大太鼓にセットします。

鳥追い太鼓(県指定重要有形民俗文化財中之条町観光協会HPより〕
鳥追い太鼓1号は直径1.03メートルで慶応3年(1867年)製。2号は直径1.03メートルで文久元年(1861年)製。3号は直径1.00メートルで慶応3年製です。材料のケヤキ茨城県真壁郡産で、太鼓の内面には江戸浅草の太鼓師・丸山重好が作ったと書かれており、他の太鼓にも、宝暦13年(1763年)から安政5年(1858年)の文字が書かれています。

  


メインの通りに出て整列、準備します。大太鼓が並び、先頭は「御神太鼓」がいます。



  


  


その向かい側には「吾嬬館」という屋号のお店があり、雅楽を持った装束姿の方々がいます。お店の横には神棚があって、覗くとこれは祗園祭の時に担がれていた御神輿です。これが天王様ですか。



  


各区長、頭、若頭、氏子、祭典幹事、雅楽…の方々が修祓(祭典において、神さまをお招きする前に心身の罪穢(つみけがれ)を祓うこと)を受けます。そして、鄙びた太鼓が出てきました。


  


そして、御神太鼓よりも前、一番先頭に配置され、雅楽隊はそのすぐ後に付き、鳥追い一行は動き出しました。





装束姿の雅楽隊までいるとは見事ですね。こうなってくると本当に一大イベントです。「鳥追い祭」は農業に関わる方が集まって小ぢんまりとするイメージだったのですが、中之条町の鳥追いは完全に神事になっています。これほど格調のあるものだとは思っていませんでした。伝統文化を維持継続させていくのは大変なことでしょうね。



    


    


そして伊勢宮に入っていきました。ここの拝殿内で、35分間程の神事が執り行われます。広い境内、弓道大会の掲額、神楽殿、大きなケヤキや境内木…などがあり、落ち着ける神社ではあります。





中之条町の鳥追い太鼓が一斉に並びました。いいですね。ここに、観光客がいてもいいと思うのですが、いらっしゃいませんね。やはり、午後にTSUMUJI周辺のメイン会場に集まってくるのですかね。



  


  


鳥追い太鼓を物色。木札には今日の日付や祭りの記述が。そして中若ってどういうことでしょうか? 若中=青年会ですが、祭り袢纏(はんてん)を着た若衆が太鼓を叩くからですかね?そしてこの、「おかめ」はどういう意味なんでしょうか? 解りません…




    


    


若衆方は神事を待っている間、火にあたります。寄進を受ける箱はいっぱいになるのかな?途中、神主が出てきて太鼓に対して修祓をしたように見えました。それが終わると太鼓は二列になり、一斉太鼓の準備です。試し打ちが炸裂しています。もうすぐです。





いよいよ、一斉太鼓が始まりました!



せっせっせ ヤー


追いもうせ 追いもうせ


とっと(唐土)の鳥を追いもうせ







追いもうせ 追いもうせ


とっと(唐土)の鳥を追いもうせ







さらば寄って追いもうせ


さらば寄って追いもうせ







せっせっせ せっせっせ せっせっせ ヤー




  


いやー大大鼓の響き、気分良かったですね〜。伊勢宮での神事の後は町中を練り歩きます。次は小川町へ。畑の横で並びます。




  


せっせっせ ヤー
追いもうせ 追いもうせ とっと(唐土)の鳥を追いもうせ
追いもうせ 追いもうせ とっと(唐土)の鳥を追いもうせ
さらば寄って追いもうせ さらば寄って追いもうせ
せっせっせ せっせっせ せっせっせ ヤー





皆様、お疲れ様でした。でもこれから夜まで一日中ですね。頑張ってください!!




  


  


この後は、折田謙一郎中之条町長の挨拶があって、区長さんかな?がお祓いをして、恒例のみかん投げで、厄落としや商売繁盛を祈ります。いやー次から次へとみかんが飛んできます。中之条町は、元気です。



  


中之条町の鳥追い祭、午前の部はこんな感じでした。来年は、盛り上がる午後とクライマックスとなる夜も拝見したいと思います。






人気ブログランキングへ にほんブログ村 環境ブログ エコツーリズムへ にほんブログ村 アウトドアブログ 野遊び・森遊びへ にほんブログ村 アウトドアブログ 自然体験へ