熊川宗次様を訪ねる。




今井の熊川宗次様からお電話をいただいた。


「Izaemonさんの山の木を伐ることになっているが、赤木さんがあの山を里山として活用する事業計画があると聞いている。その計画を聞かせてほしい。打ち合わせをしたい。」
とのこと。



実は私たちの里山計画はまだこれからで、まずはいかにデザインするか、という事からだと考えていたが、山の木を伐るということはデザインに直結する。早速、お伺いさせていただいた。




  


お家の天井にはケヤキの天井板が貼られてある。大黒柱もケヤキ。一本400万円位するそうだが、ご自分が伐った木。林業を50年以上営んできた熊川さんは木と共に暮らしている方だった。細かいところまでは撮っていないがお家の土台はクリ、通常の柱はヒノキだった。




  


里山暮らしのことで話が盛り上がる。

「昔は中学校を出たら、すぐに働かなくてはならなかった。冬は皆、山にこもって炭焼きをしたもんさ。」

早速、ご自慢の炭窯を拝見しに行ってビックリ!今まで見てきたものよりもかなり大きい。8尺10尺のサイズで、六合村から炭窯づくりのプロに来てもらい、36万円程かかったそうだ。これなら、その位はするでしょう。




  


中も奥行きがかなりあるが、これに木を入れる(窯立て)の作業は大変だろうな。しかし現在、そこいらにある炭窯は、熊川さんに言わせりゃあ趣味の世界レベルで、昔は食うために必死になって大きな炭窯を作り、その近くで命がけで焼いた訳だから、炭窯だってでっかくなきゃいけなかった。


熊川さんの焼く炭は、とても大きい。木材の需要があった頃は、太い木は炭にはしなかったが、このところは太い木でも炭にするほど。しかし震災の影響で木材の種類に関係なく、木の需要は高まっているそうだ。どうやらチップにしてしまうらしい。




  


帰りに、可愛がっていらしゃる牛を拝見。毎日朝晩合わせて4時間は面倒を見ていらっしゃる。親牛に種をつけて、妊娠すると9か月と10日で出産する。生まれた子牛を10カ月で300kg近くにまで育て、業者に売る。育った子牛は11か月目からは子供を産めるようになるという。




  


熊川さんはとうもろこし畑を4町歩やっていて、それを牛の飼料としている。確かコーン缶と仰っていた飼料がこれ、実も茎も葉もみんなチップ状にになっている。




  


個体の識別は鼻印で行う。人間の指紋の代わりになる。ポロっと出てきたのは受精させる時の精子を入れる管。





そして、なんとこれが 牛の精子



冷凍保存していて、10年位はもつという。牛の精子って、こうやって取引されているんですね。知りませんでした。