高崎市染料植物園と媒染剤さがし



高崎市染料植物園には、さまざまな植物を草木染めした際の媒染別色見本があるという。
さっそく、様子を見に行ってきた。






  


お、遊歩道沿いの生立木に展示されているのか。ホオノキは樹木の芯材が独特な、グレーがかった緑色になるが、あの渋い色を出すことができるの? なるほど、樹皮の鉄媒染ですか。葉じゃないと、ちと厳しい。でも葉の鉄媒染は、やってみる価値があると思う。
と思いきや、イタヤカエデの葉×鉄媒染は、私好みのモスグリーンになっているじゃありませんか!これ採用です。




  


染色工芸館に到着。その隣のロータリーで、タデアイ(藍)栽培の一年の看板があった。藍はタデ科イヌタデ属の一年草。どんな草木染めも、あの藍染めの色のでかた、そしてその美しさには敵わないものがある。イヌタデでは染色はできないそうだが、ヒントとして、枯れる頃、右画像(の左側の写真)のようにインディゴ・ブルーが出ているものなら、使えるのでは?…きっと先人が探しつくしているでしょうが、私も探してみます。




  


ここには、いろいろな染色見本があると思っていたが、大ホールでは別の作品展が行われていて、思いのほか、見本らしきものがない。
そこで下の階に下りると、染色実習室があった。そうか、貴子さんはここに通っていたのか。中を見てみると、決行広く、流し台もたくさんある。なるほど、こういう所なら、大勢でも対応できますね。




  


実習室中を見学。樹木染めの色見本がいくつかあった。ヤマザクラなどの見本もあったが、私達が山で拾えるものであったり、暮らしの中で除伐したりされるような素材で、草木染めができるプログラムにしたい。

ヤマハギなら、道路の法面でたびたび繁茂し、除伐される存在。しかし残念ながらただの綿ではベージュ色は出ない。
五倍子(ごばいし)は、ヌルデの虫こぶ。山ではそう珍しくはないのだが、まとまった染液が取れるだけの量を確保できるだろうか?





おお、ケヤキの葉染めかあ。


これは材料としては良いかも。銅媒染か鉄媒染の準備は必要だけれどもね。あとは、生葉でも染められそうなら採取もありだと思う。まあ、樹の葉を採りつくして丸裸にしてしまうのは問題外だけれども、樹木も、たまには少しくらい採取してもらった方が、刺激を得られて気持ち良さげに見えるし。人間にも少しはストレスを与えた方が良い育ち方するのと同じこと!




  


その後、薬局をめぐり酢酸銅を探したが、どこに行っても取り扱っておらず、ようやく問屋に聞いてくださるところがあったが、なんと、


25g で 2,000円!ヾ(・ε・。)サイナラー


岩崎師匠が仰っていた 500gで2,000円 という話は一体何だったのか?…と一瞬思ったが、よく聞くと、正式な薬として使うためのものなので純度が高く、草木染めのようなアバウトOKなもの用ではないそうだ。


普通の薬局経由では、草木染めに手頃な酢酸銅は手に入らないということが解った。それで先日、貴子さんに聞いた京都の染料・染色材料の専門店『田中直』のページを見てみる。


  


染料、染色材料の専門店 田中直染料店 http://www.tanaka-nao.co.jp/


さすがは染料と染色材料の専門店。500gで2,940円。ここが買い頃かな。


ただし、銅はかつての足尾銅山鉱毒事件などの公害問題のイメージが強く、環境中に放出するのは学習旅行やセラピープログラムでの多用は相応しく無いと考える。なるべく、自分で色をテストする時のためだけに使うようにしよう。





このサイトでは他にも、草木染め用サインペンや、木灰なども取り扱っていた。この機会にいろいろと揃えておこう。