森の博物館 現物標本 -日本人として知っておきたい木30種-

 


 森の博物館原物標本―日本人なら知っておきたい木30種


 発行オーク・ビレッジ【稲本正】(1994)
 発売オークハーツ
 ¥2,100



とにかく、綺麗な標本である。樹種によって色や木目がこうも違うのかと思い知らされる。現物はルーペなどを使いさらに観察する事をお薦めする。



ちょっとした解説書がついてくるのだが、前出の『この木なんの木』は木材構造を科学的に見るのに対し、こちらは木にまつわるお話や精神的なもの、文化的なものを少しだけ紹介している。ブナを「クィーン・オブ・ザ・フォレスト」、ミズナラを「キング・オブ・ザ・フォレスト」と紹介したり、その他オーク・ビレッジ流を感じさせる文でもある。



嬬恋人としては針葉樹にカラマツが入っていないのは疑問だし、東北人にしてみれば北のスーパーツリーといわれるヒバが入っていないのは問題だろう。この部分において-日本人として知っておきたい30種-というよりは-オーク・ビレッジ・プレゼンツ・30-とすべしという感もある。



オーク・ビレッジと前出の佐伯さんとでは重要視する木が違っている事も面白い。要は一里四方の木、自分の郷土の木を深く理解する事が大事なのであろう。