この木なんの木


この木なんの木

  • 著者 佐伯浩
  • 発行 海青社(1994/08)
  • ¥1,632


本書は木目の特徴を捉え、木の名を探る道筋を説明したもの。主に肉眼で観察し、補助的にルーペを使う。日常手にし、手に触れるものをこの木なんの木とウォッチングする。



ブナの森を讃え、その保護に熱心な方は多いのですが、そのお宅のキッチンテーブルや椅子がブナ製であったとしても、どれだけの方がそれと気付かれるでしょうか。家具を購入する時、人々の関心はデザインであり価格であって、材料については単に「木」の一語で片付けていないでしょうか。それでは森から切り出されて人の用を勤めている木が可哀想です。森との繋がりが希薄です。身近の製品の木の名を知り、それが自然に生えている時の姿を思い浮かべる事ができれば、人と木、そして森との関わりをよりよく理解する事ができるでしょう。


      • とあるが、ミズナラの虎斑やアカマツの樹脂道だのと、木材をイメージしながら読んでいかねばならず、この本を理解しながら読める人はすでに森との繋がりが重厚な人である。すでに樹木の外見や特徴を大分知っていて、中身も知りたくなった人の導入としてよい本だと言える。