大宮巖皷神社の太々神楽



今日は東吾妻町原町の大宮巖皷神社秋季例祭です。楽しみにしていた、神楽の奉納があるのです。私はこういった伝統的な年中行事と無縁な少年時代を過ごし、さらに山にこもっていたため、神楽は生まれて初めて見ます。ちなみに、冊子「吾妻町の民俗芸能」には、太々神楽だいだいがくら)と書かれています。



  


大宮巖皷神社は、原町の中でも在下(ざいしも)地区にあり、神楽は在下在住の方々による保存会で継承されています。本来、うちの祖先も在下だったのですが、お祖父さん(小池彌八)の代に上之町に出て家具屋を始めたのだそうです。うちのお祖父さんのお祖父さん(小池源八)は、神社に永年奉仕し、廃れてしまっていた神楽を率先して改善復興したそうで、その孫の小池鳥一郎さん(彌八さんの長兄)は貫前神社へ習いに行ったのだそうです。





大祭日、ハレの日の神社は綺麗に飾っていて、一段と素敵ですね。



  


いつもは扉が閉まっている神楽殿も、今日は舞台が開いています。奥には金色の反物が掛けられているようです。



  


おお、今日は宇婆神社までもがご開帳となっています。





楽殿の扉が開いている時に、この位置から撮っておきました。ケヤキの御神木も入ったかな?



  


写真を撮っている間に午前11時になり、神楽が始まってしまいました。まずは「奉幣(ほうへい)」といって、演舞に先立って神官が神前に幣束を捧げ、神を拝するそうです。神楽の舞台に神霊を招請する儀式であり、これから始まる神楽を神様に鑑賞して楽しんで頂く意味があるのだそうです。



  


神官が舞台裏に下がり、次に赤錦装束の男面を被った神楽師が出てきました。「参舞」という舞座だそうです。先程までは横笛の音色のみ聞こえてきましたが、ここからは縦に据えた大つづみ(大革)と横打ちする大太鼓(大胴)の楽器がはいります。子供たちは神楽は無関心。「餅投げて〜」とせがんでいます(笑)。



  


見方がわかってきました。一つの舞座が終わると、演目がめくられます。これは「太刀翁の舞」。ヤンママと子どもたちは神楽師のご家族でしょうか。家族に見守られての演舞です。



  


太刀翁の舞は、印象的でした。腰が曲がったお爺さんが時折り、刀を激しく動かします。



  


舞座の終わりは、出てきたところに向かって対角線上に帰っていきます。なるほど。



  


八幡大神の舞」では弓矢をもって登場。弓矢を射る動きもしました。後半は鈴を持ってシャンシャンと。あの鈴にどうも神力が宿っているような気がする。凄くいい音。



  


たまに舞座の間に休憩があって、見物人が和気あいあいとお話しています。神楽殿の神棚に供えられていたお酒は大盃。今夜はこれを飲もうっと。



  


次は「扇の舞」。金色の扇を持っています。





神楽師の舞は、しなやかで、美しいです。 日本人に生まれて本当に良かった。だってカッコイイですもの。



  


12時頃、境内でお餅が振舞われました。大根おろし味ときなこ味。ご馳走様です。



  


次が「岩戸の舞」です。これは、日本神話の「天岩戸隠れ伝説」のお話だそうです。とても楽しみ。まずは神楽師が女面を被って出てきました。



  


しきりに、神殿に向かってアピールするように踊っています。これは、天宇受売命(天細女命)が天照大神が隠れている岩戸に向かって淫靡な踊りをした伝説に基づいているようです。そこに、勇ましいお面をした神楽師がさっそうと登場しました。そう、手力男神です。






手力男神がえいやっと金色の反物を取り外すと、神様のおなーり〜です。






天宇受売命が下がり、勇壮な手力男神が舞います。




  



それにしても勇猛な舞です。さすがは、力士の神、手力男神の舞です。





鳴りものの調子が急に変わり、手力男神が一斉に餅を投げます。うちも5個ゲット!



  


そして手力男神は最後に神様に拝礼し、舞台を下がります。この下がる時も勇壮な感じで下がっていきました。すごすごでなくて堂々と。芸が細かいです。


大宮巖鼓神社の神楽は、旧神楽殿が文政四年(1821)に建てられたものという伝承が残っているそうで、それからだとしても約二百年は歴史があります。


正直言って、私は初めて神楽を拝観し、その優麗さに身震いしました。神様が降りてくる感覚が、確かにありました。この素晴らしい、大宮巖鼓神社の神楽の保存継承に何らかの形で協力したいです。エコツアーとして人々を連れてくるのが迷惑じゃないのだったら、ぜひ取り組ませてほしい。数人の地元の方が見ているだけの舞では、ありません。


皆さまも、ぜひ一度、見にお越しになってくださいませ。






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