六合村の森を視察 & ねどふみの里取材





荒廃した里山林の整備や、竹林の整備、森林環境教育の推進に関する林野庁交付金をうちの協会で有効に使わないかと打診があり、現実的にできるかを検討しています。吾妻西部地区のうち、嬬恋村長野原町は畑と奥山があるのみで里山そのものが無し、草津町は国立公園でダメ。こうなると六合村地区がいいかなと…


別件も含め山本茂先生と打ち合わせし、まずは、おすすめの入山引沼地区のウラヤマ的存在の「絆の森」を見に行きました。



  


「絆の森」は六合温泉医療センターのさらに上部にあります。どういう理由で開かれた山なのかよく解りませんが、「六合入山資源研究会」なる組織が関係しているようです。平成15年〜17年の群馬県民有林事業補助金を使い、森を整備したそうです。休憩所があり、ヤマボウシが計1,500本植栽されているようです。



  


車に傷がつかないか恐る恐るの運転で山の上へ。これは景色が良いこと。そしてとても広い。こんな場所があったなんて、知りませんでした。



  


しかも水道設備もあります。水は出ませんでしたが…





あずまやに座り、ちょっと考えてみました。確かにここを借り受けて森林整備事業をすれば、「里山の整備」という作業はできます。しかし、今回の交付金は整備費用はボランティア向けの低価であるということと、また私たちは森林整備のプロでやっていこうとしているのではありません。あくまでもエコツアーとエコツーリズム、都市と農山村の交流事業をやっているのです。このフィールドは、山仕事には最適ですが、都会の子供を呼ぶイメージが浮かび上がってきません。


木村さんが来てくれ、他の山も視察に行くことになりました。






途中、スタンさんが、中之条ビエンナーレの作品を作っている最中らしいので寄ってみることに。なんと、登山道が作品なのです。芸術家の作る登山道ですから、門もこんなですよ!



  


木を斧で割って並べて橋にした模様。作品名は「犬の散歩道」だそうですが…。やがて、草刈りをするスタンさんと会いました。スタンさんの合意も得て、次の森を見に行きます。





このあたりは、先日木村さんがお客様をMTBツーリングでご案内したところ。いわゆるシングルトラックということです。海外の砂漠の国から来たお客様でたいそう喜んばれたそうです。



  


次に来たのは花楽の里の裏山。そうか、そういう手があったか。



  



昔の牧場の柵があったり、苗木を育成していたり。



  


現在のところ、子どもが走り回れるほどの状態ではありません。走ってもいいのですが、公的にはもう少し空いた方がいいでしょう。上にはかつての作業道ありました。この辺までは普通にイベントで使えるようにしたいですね。



  


次に「くにっこの森」へ。しかし、上部から行ってみたところ、迷ってしまい引き返すことに。途中、「降跡沼」の由来・伝説についての看板がありました。



  


諦めて下から登ります。六合中学校の脇から山に登っていきます。



  


立派な看板が出てきました。「くにっこの森」は、林野庁の「遊々の森」制度で契約したそうですが、現場サイドでは気運が盛り上がっていないため、ほとんどスタンさんしか使っていないそうです。

遊々の森
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kokuyu_rinya/kokumin_mori/katuyo/kokumin_sanka/kyouteiseido/kyoteiseido.html

学校などと森林管理署長などが協定を結ぶことにより、さまざまな体験活動や学習活動を行うフィールドとして国有林を継続的に利用できるようにする制度です。

学校教育における「総合的な学習の時間」などで、森林の利用を通じた子供たちの人格形成や、幅広い知識の習得を行う森林環境教育の場として利用していただけます。

  


おお、スタンさんが好きそうな倒木が。確かに、「くにっこの森」は子供たちが走り回っても安全なくらい、樹木間に隙間があります。安定した天然性林です。あとはトイレの問題。山人としてはトイレなんぞ必要ありませんが、都会の子供、あるいは家族を呼ぶためには無いとまずいのかなあと。


しかし、フィールドの感じはだいたい解りました。木村さんありがとうございます。





さて、その後は、ねどふみの里へ。今年は、ねどふみの作業一連(自生するすげを温泉に漬けてしなを良くし縄なう)を、「ものづくり伝道師 浅間・吾妻塾」で実施しようかと思っているのです。根広の、ねどふみの里保存会の皆様と打合せしました。中村よしいさんが代表者です。



  


すげむしろは、違う色で織り込んだように見えますが一種類です。先のほうが緑色なので、折り返して重なった部分が、色が変わったように見えるのです。雨風をしのぐためのミノは、すげではなく、「岩しば」というもので作られていました。



  


黒岩富士子さんが、すげ干しの仕方を教えてくれました。まずは根元を縛って1日置き、乾いたらひっくり返してうらっぽ(先の方)を2箇所束ねて上下を逆にして2日間くらい干すのだそうです。



  


今は、こんこん草履の芯縄にする「岩すげ」は、野反湖付近にあるのでほとんど採っていないそうです。すげは近場にあります。すげを刈るための鎌を20丁用意しないと。誰か貸してください。

六合村の昔記念碑
 深山幽玄と言われる六合村は、トント昔からお蚕様と暮らし、辻に仲良く寄り添う道祖神様に守られ、むかし語りが家族の絆を結んできたんだと。
 明治三十三年に草津村から分かれ、六つの大字を合わせて六合村が生まれただと。
「六合」をくにと読むのはな、古事記日本書紀からだと。だがな、平成二十二年三月二十八日、中之条町と合併、六合村は百十年もの長い歴史をトント閉じて新しく歩き始めるだと。
 トントントン「六合の昔」を歌い続けて、六合村の昔々を伝えていぐむしぇ


六合の昔  詞・曲 篠崎洋子

一、トントントン 六合村の トントントン
  おん爺の昔を聞いとくれ
  白砂川の山奥に小っちぇ六つの村が
  ほれ合わさって ほれあったげな
  赤岩 日陰 小雨 生須 太子 入山 六合村
  ほれあったげな

二、トントントン 何の音 トントントン
  昔々の六合の音
  囲炉裏端でおん婆が 語った昔の話だげむしぇ
  おもしろいっちゃむしぇ 聞いとくれ
  こんこんぞうり すげむしろ ねどふみ織って
  トンカラコンコン聞いてくだれ
  トントントーン トンカラコン


  六合村を愛する会一同
  平成二十二年三月二十八日 




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