「ものづくり伝道師 浅間・吾妻塾」第2回 草津味とうじうどんと温泉まんじゅうづくり



「ものづくり伝道師 浅間・吾妻塾」第2回 草津味とうじうどんと温泉まんじゅうづくり です。今回はあっという間に定員20名に達しました。さすがは人気の食べ物、そして草津温泉という立地です。地域住民はおろか、群馬県のあちこちから会場の「そばきち」にお越しいただきました。




  


まずは主催者である私の方からこの塾の趣旨と目的を少し説明させていただいてから、早速スタートです。黒岩智絵子様より、二色温泉まんじゅうづくりを指導していただきました。温泉まんじゅうといえば草津の食文化ですが、それを体験プログラムとするために今回は、紙コップの中で、各自で作ってもらおうというのです。




  


予め配布しておいた粉(小麦粉+BP)が入った容器に黒みつを少量入れ、割り箸でこね回していきます。


■ 材料(2個)

  • あんこ 40g
  • 薄力粉 40g
  • ベーキングパウダー 1.5g
  • 黒みつ 20cc
  • 水   15cc
  • 手粉  少々
  • クッキングペーパー 数枚

 (蒸し器、コンロ)







一気に黒みつを入れないで、徐々に入れて行きます。足りないと思っても我慢しながら。最終的には耳たぶよりもちょっと固い位の硬さになり、一塊にまとまって割り箸にまとわりつきます。また、この黒みつは草津温泉まんじゅう屋さんから分けていただいたもので、沖縄の黒糖を溶かしたものです。普通の店頭で売っている障テみつだと十分な茶色が出ないことがあるのでご注意を。




  


一塊になったら、手粉を使って球のように丸く形を整えます。





丸い球は濡れたクッキングペーパーに包んで10分間ねかせます。ここでは皿の上で。もう一方の笹まんじゅうの方は、水だけを使ってまとめていきます。笹まんじゅうは小麦粉も薄力粉ではなく中力粉を使っています。味や食感の違いも楽しんでいただきます。




  


寝かしが終わったら、手粉をひいてもう一度揉みます。程よい硬さになったら、二つに分けて、さらに円盤状に伸ばして、真ん中にあんをのせます。べたつくので手粉は随時使います。




  


生地であんこを包みます。最後、包んだ生地の端部分は指先で寄せてくっつけ、あんが見えないように閉じます。この閉じ口が下になるので、あまり厚くすると火が通りにくくなりますし、薄くし過ぎると割れてしまいます。これを全て行うと4つの温泉まんじゅうができます。




  


蒸し器にクッキングシートを敷き、まんじゅうを閉じ口を下にし、少し膨らむのでくっつかないように空間を開けて並べます。蒸し器を温め、充分に蒸気が上がったら強火で10〜15分蒸すとできあがりです。







おお、本当のまんじゅう屋さんよりも上手に蒸しあがりました!やはり、中力粉で作った笹まんじゅうの方は、普通の薄力粉で作った茶色いまんじゅうよりも膨らみが弱い様に見えます。







当日の温泉まんじゅうづくりの様子をYoutubeにアップしました(3.03)。これは子供用の体験プログラムとして最適かも。草津温泉に合うプログラムです。






  


では次のプログラム、草津味とうじうどんづくりです。講師はそばきち店主・川島武様です。しかし、うどんは寝かせるために、初めから手順通りにつくってしまうと約8時間はかかってしまいます。なので、皆さんが今日試食していただく草津味とうじうどんの玉は、朝のうちに川島さんが打っておいてくださいました。赤ちゃんの耳たぶほどの硬さにするのだそうです。




  


こね鉢に中には300gの粉が入っています。ここに塩15g位と120〜130g(42-43%)位の水が入るので、今日皆さんに打って持って帰っていただく分は約200gちょっとです。





粉がこね鉢に入りました。ここに、川島さんが例の草津産笹パウダーを入れていきます。目安は小麦粉1?に対し笹パウダー40gほど。白い粉に緑色の笹が入ると綺麗ですね。笹の風味を味わっていただきます。




  


小麦粉と塩水をなじませていきます(「手合わせ」という)。今日はこね鉢1つを二人で使用します。小麦粉一粒まで塩水が行き渡るように撹拌します。水分が多くビー玉状になった塊を、ちぎったり砕いたりしながら粉っぽいところと混ぜ合わせていきます。


小麦粉に含まれるたんぱく質の大部分は”グルテニン”と”グリアジン”という物質で占められています。この2つのたんぱく質に水を加えてこねることによって”グルテン”が形成されます。グルテニンはゴムのような弾力性のある物質に、グリアジンは流動性のあるネバネバ物質に変わる性質を持っています。その2つが合わさって弾性と粘着性の両方の性質を持つグルテンができるのです。塩は、グルテンの弾力性(コシ)を強くします。


小麦特有のたんぱく質グルテン〔(財)製粉振興会ホームページより〕
http://www.seifun.or.jp/kisochishiki/tanpakusituguruten.html







粉っぽさが取れないようならほんの少しずつ手水を加えて様子を見ます。全体的にそぼろ状にすることをまず目指します。




  


全体的にそぼろ状になったら、少しずつ寄せながらまとめていきます。一塊になったら、利き腕の力を使い、さらに強く押し揉んでやります。ここで、玉を相方と半分こしました。捏ねながら形を整え、ビニール袋に入れて寝かせます。よく捏ねたり、寝かせたり、また踏んだりすることで、時間をかけてグルテンを成長させるのです。




  


さて、しかしこのイベントでは寝かせる時間を取っていないので、川島社長が朝のうちに打っておいてくださった玉を使い、伸し(のし)を行います。まずは掌で押して、円盤状の形にします。それから麺棒の端の方を使って生地の端の方からのばしていきます。生地が寄って膨らんだところを「耳」といい、耳を潰しながら回して行きます。打ち粉はその都度、必要な時にふります。また、打ち粉は、同じ小麦粉を使うと生地に吸い込まれてしまうので、別の材料、ここでは片栗粉を使っています。




  


一周回って30?程の円形になったら、多めに打ち粉をふり、麺棒に巻いて伸ばしていきます。




  


ここで川島社長にバトンタッチ。程よく伸びたところで生地が巻きついたままの状態で麺棒を縦向きにし、ぐるぐる回して麺棒を外すとこう広げられます。横に長いひし形です。また手前から生地を巻き取り、




  


転がして伸ばします。伸びたらスッと麺棒を縦に回して




  


今度は斜めに広げます。正方形に近い形になりました。




  


また巻いて伸ばします。




  


状況によっては、裏返して巻き伸ばします。ちょっと弛めて生地の先端を手間に置き、




  


奥に向かって逆回転で弛めて広げます。




  


そうしてまた手前から巻けば、裏側を伸ばすことができます。




  


見よ、この華麗なる麺棒さばきを!ササッと立ててスッと生地を落とし、




  


くるっと回してパラリと広げる。




  


横長になった生地を、また手前から巻きます。




  


何度か転がしてのばしたら、広げて最後の仕上げの伸ばしを行います。




  


麺棒の端の方を使い、生地の端を伸ばします。ここでは左側から。




  


次にもう一方の端を伸ばします。ここでは右側。




  


最後に全体的に大きく伸ばして、




  


手前から巻いて何度か転がし、




  


「たたみ」に入ります。巻きを手前に弛め打ち粉をふり、包丁の幅より少し短いところで折りたたむようにして麺棒を奥へ運びます。




  


麺棒を奥で置いたら、たたんで下になる場所にまた打ち粉をふり、




  


奥に置いた麺棒を手前に戻すようにして、もうひと折りします。




  


麺棒を使うまでもないところは、手で折りましょう。







たたむ時は、上に行くにつれて幅が狭くなるようにたたみます。何段もたたむと、上に登る階段状、ピラミッド状になるようにしてたたみます。




  


打ち粉をして、角の方において、のばし〜たたみまでの作業が終了します。また次の玉を伸ばします。




  


さて、テーブルの上も麺台にして、全員でのばしを体験します。中にはプロの人もいましたが…




  


ここで、黒岩智絵子女将の教養タイムが入ります。「草津味とうじうどん」と「とうじ篭」の復元についてのお話しです。
元々、明治時代までは草津温泉は春から秋までしか営業をしていなく、冬になると店を閉めて六合村の主に小雨地区に住み、冬を越していました。その間、各部落でたくさんのうどんを打ちましたが、一度に大量のうどんを打つので、固まったり、伸びたりするうどんを上手に食べるのに、湯通しするために作られたのがこの「とうじ篭」でした。水やお湯で通すのではなく、温めたつゆで通すのが長野県や雪国の草津付近での食べ方で、今日も当時の様につゆの中で麺を湯がいて温めて食してください…とのことでした。







そして、お待ちかねの試食タイム。今年は時間の都合上、「切り」の作業ができなかったことが残念。
でも、美味いし良いんじゃな〜い?




  


正しい「とうじ篭」の使い方はこうです。さすがは和実さんのチームは基本ができていますね!
では、私にも一杯下さい!ごちそうさまでした〜







草津味とうじうどん作りの、Youtubeアップです。こちらは川島社長の美しい麺棒さばきと説明を取り込みたかったので9:18あります。少し長いので超暇な人だけご覧ください(笑)。








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