毛無峠イワカガミハイキングと高山村湯倉洞窟
相変わらず、森林セラピストと行く○○ツアーのコース考察を続けています。今日は万座温泉時代に私が最も好きだった場所の一つ、毛無峠へ。
毛無峠に着く少し前、道路沿いに御飯岳から湧き出る名水「ジロー清水」があります。いつもながら透き通って美味い水です。
どうですか?ここ、いい場所でしょう?道路際にある、私の取って置きスポットなんです。
ここからの景色はこういう感じです。夕日を見に来るのもオススメです。思わず寝っ転がってしまいますよね。
私は地形図を見るに、この湯沢の深い渓谷は、かつての破風岳火山の噴火口だと思っています。そうでないとこの深い馬蹄形地形はあまりにも不自然すぎます。向こうに見える破風岳の長い稜線と続く断崖は、どうみても火口壁です。
また、私が座っているこの岩も特徴があります。渦を巻いた流理構造で、地表に出て固まった溶岩タイプとは少し違っています。もう少し深いところでゆっくり冷えたように見えます。だから硬かったので、アンカーボルトが打たのでしょう。
この辺にある白いイワカガミはヒメイワカガミです。破風岳の山頂付近の群落はお見事ですが、登らなくても探せば見つかります。右側は紅の強い普通のイワカガミ。
ピンク色のイワカガミもあります。そして、この谷では、さまざまな色が混じって咲いているのです。葉の形も中間種的なものが多く、交配している可能性もあります。進化の途中かも?驚きの谷です。
とにかく、イワカガミの群落地としてはかなり大規模です。高木がない、偽高山帯の風景ですから、背の低いイワカガミは尚のこと目立つのかもしれません。
毛無峠に着きました。いつ見ても、破風岳はいい形の山です。ジグザクの登山道も見えています。
小串鉱山方面。昭和46年に閉山したこの鉱山は、今はバイカーが訪問する場所として人気だそうです。CM等のロケ地としても使われています。
かつて掘削された硫黄は長野県側、須坂の街へと運ばれました。当時の遺構の鉄索が立っています。そして毛無峠の現在のもう一つの顔は、ラジコングライダーのメッカになっているのです。偽高山帯の草原風景に車で来られる立地、そしてラジコンが着地時にガンコウランの絨毯でやさしく着地できるからなのでしょうね。監視人もいないし。自然保護の人が聞いたら大騒ぎしそうなのですが、この方々は万座温泉の宿に宿泊し、地元を経済的に潤していることもまた事実なのです。
さて、ぶらぶらしたものの、あまり時間は稼げていません。道路際にある、もう一つの絶景スポットに立ち寄ってみました。断崖から向こうを眺めていると、
おや、道がある?
いったん峠に戻って、道肩を見つけ、下に降り進みました。これはいいセラピーロードになるかも…期待に胸は膨らみます。
しかし、間もなく笹で行けなくなりました。対岸に見える大平山には仏のような姿の岩があって、「残念でしたー♪」とベロを出しているようです。うーん参った。
コケモモの花はこれからです。満開は一週間後ですね。
やはりこのままではイマイチもの足りません。こういう思考になっている時点で、セラピーツアーではなく、好奇心をあおるエコツアーになってしまっていますが…
高山村の湯倉洞窟に向け、林道に入ってゆきます。
林道を走っている途中、左下に目をやると、何かブリキの機械が見えます。結構古そうですが、果たして小串鉱山時代ほど遡るかどうか…
毛無峠付近の分岐点から20分くらい下ると、右側に湯倉洞窟の看板があり、路駐気味に車を止めて入ってゆきます。もちろん登山道はありますが、あまり使われていない模様…。
この道がずっと片斜面の険しい道で、沢もあり足元もぬかるんだりします。「森林セラピストと行く〜」系のプランでは無理ですね。
林道から15分ほどで湯倉洞窟。近いものです。…え!?なんか縦縞の動物が動いている!こいつは…
おやまあ、ウリ坊くん!
あーなんかすごい可愛い。なんてキュートな目なんでしょう。思わず、連れて帰りたくなっちゃいました。
…でも近くに親がいるのでは?と思い、湯倉洞窟の写真撮影もおっかなびっくり。イノシシはブタの原種ですから、捕まえた初めはブギャーブギャーって泣くんです。いい状態で掴みあげると静かになりましたが。それにしても湯沢には野生動物がいますね。自然が豊かとはこのことです。
毛無峠に戻って、牧干俣線から来た道を帰ります。今年最後のムラサキヤシオを見ることができました。冨貴の滝はダイモンジソウがあるところ。まだずいぶん早いようです、花は8末か9月位かな?また、花の時期に寄りますね。