摘み草・摘み菜料理研究会 始動しました。




さて、摘み草・摘み菜料理は今年こそ、本格的にものにしたいと思っています。今年、協会で実施する摘み草・摘み菜料理イベントは、嬬恋では鎌原在住の片岡さん、草津では草津在住の渡部さんと組んで実施する予定になっています。


草津味体験(くさつみたいけん)−草津温泉で摘み草・摘み菜料理体験
http://aaes.heteml.jp/event/?p=292


嬬恋干俣の自然を味わう(摘み草・摘み菜料理体験)一般募集イベント
http://aaes.heteml.jp/event/?p=328


暖かい春の日となった今日、安市から帰って来てから、片岡さんと現地下見をしてきました。




  


摘み草・摘み菜は、森の中に入って採る…というようなことはあまりしません。山菜料理とは違って、道端に生えている草花を美味しく調理して食べるのです。ところが嬬恋・草津では、その道端にあるものが、都会ではほとんど見られなくなったものが多いかもしれません。


今日はキビタキが私たちを迎えてくれました。相変わらず綺麗な鳥です。
この時期は、里山ではカンゾウの群落があちこちに見られます。利用しない手はありません。




  


オヤマボクチは、食物繊維の多さから、蕎麦のつなぎにも使われています。以前、おひたしで食べてみたところ、繊維が口の中でごわごわした覚えがあります。天麩羅で食べてみようと思います。


コゴミも、たくさん出ていました。多くのシダ植物は毒があるので野生動物が食べないそうですが、コゴミはどうなんでしょう。アク抜きをしないでも食べられますから、毒はあったとしても軽微なものでしょうね。今日も、野生動物が食べた跡を確認しました。




  


ふきのとうは雪解けと共に顔を出す山菜ですから、嬬恋ではもう時期が遅いのですが、干俣の上の方まで来てようやく見つけました。それでも、道路脇は採りやすく、先に誰かが採取している様子が見られました。


Uターンして戻ろうとした時、目の前を猛禽類が悠々と滑空して行きました。







これはノスリです。道路上は上に樹木が無いために、猛禽類にとっては滑走路みたいなものです。いつもあまり車が通らないので、安心して利用していたのでしょう。




  


ギシギシにも挑戦してみようと思います。水が浸み出ているところには、たくさんのつくしやクレソンが自生していました。クレソンは野生動物にずいぶん食べられていました。





その後、秘密の場所に移動して、わさびの地上部の葉・茎・花を少しだけいただいて帰りました。ここにミズバショウがあったとは知りませんでした。ますます、秘密にしたいと思います。




  


ワサビは、漬物系にすると、それは美味しいことでしょうが、今回は摘み草イベントとしての研究会なので、すぐに食べられる物を作ります。篠原準八さんの本によると、70℃のお湯にさっとくぐらせ、刻むそうです。







これを急冷させ、醤油をかけて食べるそうですが、私はちょっと長く煮すぎてしまいました。また、刻み方も、5mmよりも、1cm位の方が食べやすいと思います。出汁をかけ、醤油を少し垂らしていただきましたが、とても美味しいです。ワサビ好きの人にはやめられない一品です。




  


次はカンゾウを食べ比べです。さっと湯通しし、酢味噌和えに。ヌタの分量は、味噌大さじ4、酢大さじ2と1/2、砂糖大さじ1です。




  


カンゾウでもう一品、バター炒めを。途中で味見したところ、バターだけでは物足りなく感じてしまい、塩コショウと醤油を少しかけました。まずまずの味に落ち着いて、美味しくいただいたのですが、後で冷えたものを食して「なんて濃い味なんだ」と思いました。バター炒めって、温度によってこんなに味は変わるものなのでしょうか?




  


さて、ギシギシを使ってちょっと手の込んだことを。まずギシギシを軽く湯通しし、4cm位に切ります。糸を引く、このヌメリがギシギシの特徴です。これを、キュウリとワカメの酢の物に加えて一緒に和えるのです。調味料は少しずつ加えましたが、最終的には酢3:砂糖1:出汁2〜3位の割合で落ち着きました。






ギシギシとキュウリとわかめの酢の物です。


これがなかなかイケます (´∀`)




素材自体が素朴なものですから、ガッツリ食べたくなるようなタイプの美味しさでは無いのですが、ギシギシのヌメリの特徴を生かして、やさしい味付けに仕上がりました。片岡さんのアイデア最高。これ採用です。




  


ふき味噌は、味噌と出汁でふきのとうを炒めました。子どもの時に食べた吹き味噌は、どうもお肉の味がしました。みりんが入ると、そうなるのかな?




  


次に天ぷらに入ります。片岡さん的な摘み草・摘み菜料理では、しっかりしたコロモをイメージしているようです。天麩羅粉だけを一度しっかり食材にまぶしてから、水で溶いた天麩羅粉(コロモ)の中を通します。なるほど、篠原巨匠のやり方とは違いますが、形が崩れていない揚げたてを熱々で食べられるわけでもないし、小麦粉も栄養なのですから、こういう摘み菜の天麩羅もありですね。さて、いろいろと揚げてみて、一番美味しかったのは…







なんと、クレソンの天麩羅でした。独特の癖のある味は、揚げると程良い風味へと変わりました。これも、クレソンが手軽に採れる状況ならば、ぜひやりたい一品です。




  


さて、近所で伍長の仕事をしている間に、ふきも料理してくれていました。ふきの筋取りは軽く下ゆでしてから行うと楽なそうです。はじめて知りました。その後、だし汁、醤油、みりんで煮詰めたらできあがりです。





ふきの煮物は、嬬恋ならそこいら中にあるし、無難に体験できる料理です。でもちょっとメジャーな素材すぎかもです。家庭でもやっている料理ならば、イベントではもの足りないので、何か工夫が必要だと思いました。




  


さて、ではつくしもやってみます。まず、袴を一つ一つ丁寧に取り除きます。この作業が大変なので、皆さん手を出さないのだと思います。つくしは苦いので、いったん煮て、流水にさらします。




  


卵二つ分のレシピとして、フライパンにだし汁100cc+砂糖小さじ2+みりん小さじ2+醤油小さじ2を入れ、つくしを煮ます。半分くらいに煮詰まったら溶き卵(2個)を入れて、蓋をして火を止め、卵が半熟程度になればできあがりです。


今日は、醤油がドバっと入ってしまったのでしょっぱかったことと、つくしの量が少なかったことで、若干風味に欠けていました。袴を取るのが大変なので、イベント時以外ではちょっと尻ごみする一品です。







いやーいや、採取から料理研究、食事まで、たっぷり6時間は研修しました。今日の摘み草・摘み菜料理は、

  • 葉ワサビのおひたし
  • ふき味噌
  • ふきの煮物
  • ギシギシとキュウリ、わかめの酢の物
  • コゴミのおひたし
  • カンゾウのバター炒め
  • カンゾウの酢味噌和え
  • 摘み菜天麩羅盛り合わせ
  • つくしの卵とじ(テーブルには乗っていない)


さらに、







片岡さん特製、クレソンのピザ アボガドソースです。アボガドソースがスーパー美味いです。うーん、摘み草料理イベントでやるにはどうしたら良いものか…




食べ切れなかったことは言うまでもありません。明日一日かけて、お腹の中に入れたいと思います。


次の摘み草料理研究は5月2日です。ご期待ください。




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