草津スノーシュー研修会 常布の滝遠望&蟻の塔渡り
今日は草津温泉(草津町)でのスノーシュー研修会。この研修会はこの冬、ホテルクアビオ様とのお付き合いから始まりました。ホテルクアビオ様のスタッフの方々と浅間・吾妻エコツーリズム協会との共催実施で、12月、1月とシリーズで実施し、この2月が最終となります。
元々、草津温泉にご宿泊したお客様に対しての2-3時間のネイチャーウオッチングを想定して行ってきましたが、最後は少し大がかりにスノーシューハイキング(雪上アウトドアランチ付)を実施しました。半日かけてたっぷり遊びました。このイベントは当協会の冬の風物詩にしようと思っています。
自然公園財団草津支部の天狗山ネイチャーセンター前の広い駐車場に集合しました。
初めのうちは除雪もされていますので、靴のまま歩いて行きます。10分位歩き、除雪がされていないところまで来たらスノーシューを履きます。
そして今日の秘密兵器、大型のソリです。雪上アウトドアランチで使う器具や食材が積んでありますこれを交代で引いて行きます。しばらくはなだらかな道が続きます。
今日のエコツアーガイドは大嶋知美さん。昔から「ともとも」と呼ばれていたそうです。
野生動物の足跡は、キツネでした。どちらに進んでいるのかな?
ヤシャブシの実を眺めてみたり、白根火山の火山灰の露頭を眺めてみたり。
そして谷沢川の橋まで来ました。橋の上部には飛び散った水により氷爆が生まれていました。
綺麗な氷爆です。アコーディオンのように見えます。
谷沢川に見覚えのある装置があります。以前、ここに車を止めて渋峠まで登った思い出があります。かつての、ダムをつくるために開かれた道を上がります。徐々に急斜面になってきます。
先頭のともともガイドが何かを指差しています。
おや、この樹はウリハダカエデです。この樹にふさわしい名前をつけさせているようです。「ウズラの樹」「スイカの樹」など、いろいろな案が出ていました。
約30万年前の太子火砕流(おおしかさいりゅう)を谷沢川が浸食してできた急崖を通って行きます。太子火砕流は溶結したりしていなかったり。黄色っぽく見えているのが硫黄ではないかとの声がありましたが、どうやら地衣類のようです。
活火山データベース(草津白根火山)
http://riodb02.ibase.aist.go.jp/db099/volcmap/03/text/exp03-1.html
右側の急崖も気になります。この洞穴には、以前お地蔵さんがあったはず…と思っていましたが、ともともガイドに聞くと、やはり確かにあったようです。この道は現在通行止めにしているため、町が撤去したのでしょうか。
硫黄鉱山時代の鉄索でしょうか。ここでひと休憩し、右にカーブしてさらに登ります。
途中、塩ビパイプで水を引いているところがありました。これが、今日の見所の一つ、五郎清水です。崖から浸み出ているように見えます。
資料が配布され、ともともガイドさんが草津の昔話を聞かせてくれました。
五郎清水 安仲五郎次
弘化2年(1845年)新潟県南蒲原軍牛尾村生まれ。
明治7年ころより草津温泉に出稼ぎに来て、養父母や妹たちに仕送りをしながら、わらの雪草履、わらじ、杖、こう約薬などを作り、共同浴場で無料配布したり、貧しい人や病人には救助の手を差し伸べました。
また、旅人の無事を願い、防風林や道標、橋、道路、避難小屋を作ったり、毒水しかなかった道中、安心して飲める湧水を探しあて、道端まで引き入れ、旅人の疲れをいやす安らぎ場所を作り、大変喜ばれました。
今でも「五郎清水」「桜清水」として残っています。
明治43年、国より表彰され、大正6年73歳でこの世を去りました。
昭和59年には草津町民により、顕彰碑と墓石が建立され、篤志家「安仲五郎次翁」の遺志を今に伝えています。
なんと、ともともさんは、安仲五郎次さんのお孫さんだったのです。ペンション五郎次の若女将さんです。
安仲五郎次と五郎清水の資料はこちらをどうぞ→annaka_gorouji.doc
五郎清水を飲んで、さあ、出発。
谷沢川ともしばらくお別れです。右下の急崖も見ものでした。
楽しそうに歩いていますね。
五郎清水から約20分歩くと、渋峠へ行く登山道(旧草津道)の看板があり、これを直進すると常布の滝遠望地です。大沢川に出るのです。
常布の滝がやけに近く見えます。冬なので空気が澄んでいるからなのでしょうね。
常布の滝を眺めていたら、目の前の枝にコゲラが留まりました。かわいいですね。
さて、ここで昼食にします。雪上アウトドアランチ作戦開始!イグルー作りは干川さんと今井さんが指導を担当します。
みんなでグルグル回りながら踏み固めて、ブロック状にして切り出す…はずでしたが、やはり数日前の雨の影響もあり、良い形のブロックとして切り出せません。
それで、別のデザインで作り始めました。何ができるか楽しみです。女性陣は予め昨日、佐藤さんが下ごしらえしてくれたクラムチャウダーの仕上げにかかります。
大きなテーブルと、高い風除けができました。このまま残しておきたい位です。
リサイクル回収箱からいただいた牛乳パックを、箱型に戻し、その箱の中にアルミホイルでくるんだホットドックとコロッケサンドを入れて、箱に火をつけます。
燃やし方は人それぞれ。火傷しないように気をつけましょう。縦に置くと、まんべんなく燃えるという意見が出ていました。
佐藤さんが、特製スープ(豆乳クラムチャウダー)を器に盛ります。冬の野外で温かいスープをいただけるのは身にしみて美味いです。
みんなでワイワイ、ガヤガヤ食べる雪上アウトドアランチ。熱々のホットドッグとコロッケサンド、そして豆乳クラムチャウダースープです。至福のひととき。今日はこのためにここに来たようなものです。
さんざん楽しんだので、下山します。帰り道は別ルート、谷沢川の急崖の上を歩きます。まずは、常布の滝が見えるもう一つのポイントを紹介してもらいました。
今日の見所の一つ、蟻の塔渡りです。谷沢川と大沢川の急崖に挟まれた、川で浸食されてできたやせ尾根です。下を見ると足がすくみそうです。
蟻の塔渡りを次々に歩いて行きます。本当に蟻の行列みたいです。
大型ソリ&荷物も無事通過しました。カラマツ林を少し歩くと、
物見のナラの前で昔話を聞かせるともともさん。ほのぼのとしたお話を聞かせてくださいました。この枝の上で草津に来る湯客を見ていたと言われています。
昔話には山賊が出てきました。すると中世、700年位前の話でしょうか?ではこのミズナラは2代目とか…。ナツハゼの実が天然ドライフルーツになっていて美味しかったです。
55号線に出る前に、登山者用の地図看板があります。ともともさんが気になっているのは先ほどの「蟻の塔渡り」の看板です。ここでは蟻のトワタリ、戸渡りとして使われているのです。どちらが正解なのでしょうか?
最後の道路に出るところは急斜面です。気をつけて!
いやいや、さんざん遊びました。っていうか、当協会の研修会なのですけれどもね。
今日のエコツアーガイドは大嶋知美さん(ともとも)
雪のテーブル作りは干川満さんと今井真行さん
特製クラムチャウダースープは佐藤英恵さん
ホットドック&コロッケサンドは私、赤木道紘が担当しました。
このイベントは、実施してとても楽しく、完全に癖になってしまいましたので、今年から毎年やることにします。
まずは3月11日(日)に、万座カラマツ天然母樹林で実施いたします。詳細は後日発表します。お楽しみに!
常布の滝遠望と蟻の塔渡り スノーシューは、3月下旬までご案内が可能です。
皆様のお申込みをお待ち申し上げております。
常布の滝遠望と蟻の塔渡り スノーシュー
http://ecotourism.or.jp/snowshoe/kusatsu_jouhunotaki01/index.html