冬プログラムでの安全対策研修




浅間山麓国際自然学校より、冬プログラムでの安全対策研修のお知らせをいただきました。エコツアーガイド養成講座の準備等で立て込んでいる最中ではありますが、講師は清水実さんだということでした。清水実さんは浅間山麓国際自然学校のメインインタープリターの1人で、私も何度かご一緒させていただいたこともあり、その豊かなお人柄と確かな技術に関心を寄せていました。清水さんの世界を見せていただけるチャンスなので、今回参加させていただきました。









この人が清水実さんです。なかなかの山男のお顔です。いい年の取り方をしていらっしゃいますね。マッターホルンモンブランへの登頂経験をお持ちだそうです。




  


まずは浅間山麓国際自然学校事務局の清水さんより、緊急事態発生時の連絡体制についてや、「見きわめ」「救命処置」について説明があり、清水実さんにバトンタッチ。苗字は同じですが二人は親族ではありません。登山用具がいろいろと並べられています。




  


まずは清水さんの登山靴。プラスチック製で冬用の登山靴で、スキー靴ではありません。二重構造になっているので、状況によってプラスチックの部分は脱ぐこともあるそうです。アイゼンも楽々、ワンタッチ装着でできます。清水さん的にはこのタイプがお勧めだそうですが、どうも最近ではプラスチックよりもいい素材でこのタイプ(アイゼン楽々装着)の登山靴があるようです。




  


ピッケルの使い方。清水さんは富士山で、人が滑落していくのを何人も見ているそうです。滑落したら5m以内にくるっと回転してピッケルを刺さなくては止まらないそうです。…いやー、そういう日に登山はすること無いと思うんですけど…
そしてお楽しみのロープワーク実習。




  


基本的なもやい結び(ブーリン・ノット)。しかし最近では、もやい結びは非推奨となっているそうです。結び目が小さいので、強度が弱いためです。しかし、片手で結べるのはもやい結びだけなので、体得しておく必要があります。
それで、右側写真の二重8の字結び(ダブル・フィギア・エイト・ノット)が強度があるので、こちらで結ぶようにとのことでした。




  


こちらはプルージック。引っ張り方によって結び目を移動させることができます。ツリークライミングで、こんな結び方をしていたのを思い出しました。とても使える結び方です。
そして、これらのロープワークを有効に使うためには、常にすぐに出せるようにしておくこと。ハーネス(安全ベルト)にカラビナを装着し、そこにシュリンゲを吊っておくべきだと仰られました。




  


巻き結び(クローブ・ビッチ)は、杭などに素早く巻きつける時に有効です。二つの輪が互いに締め付け合うので、ただのぐるぐる巻きとは違い、きちっと決まります。カラビナの実際の説明があり、




  


移動・運搬法の訓練。二人いる場合や、一人しかいない場合。




  


二人にストックを持たせて向かい合わさせ、上着を脱がせてストックに着させると、あらま、なんと簡易担架のできあがり!これには驚きました。




  


シートをシュリンゲを使った担架の作り方。ここではブルーシートを使っていますが、通常はツエルトを使うそうです。
そして、負傷者を背負っての下山方法。後ろの二人が持っているロープの長さは変えて、登山道が細くなっても一列に並んで歩けるようにします。




  


昼食後、現地訓練のために高峰山へ。天気が良くて何よりでした。




  


八ヶ岳、富士山も私たちの訓練を応援してくれています。




  


8環(エイトカン)は、下降の際の器具で、ザイルと自分を結び調節しながら下りていく大切な器具。しかし、最近はATCという下降器があるので、それを使っても良い。そして登る際にはプルージックがかなり有効です。




  


引き上げの訓練。ここでもプル−ジック、そしてシュリンゲの大切さを思い知らされました。





最後は、負傷者を背負っての下山の訓練です。高峰山の見晴台から、標高差100m・距離500m間を女性を背負って下山しました。いやいや、いい訓練になりました!


でも、正直言って人を背負って下りるのはやはりかなりきついです。こういう目にだけは遭いたくありません。やはり、こういうことにならない様なツアーをするべきであり、事前の安全対策を万全にすることが一番大事なことですね。




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