笹の花について解明(有田良幸さん来訪)



藤岡市の有田良幸様という方から突然のお電話をいただいた。笹の開花について独自で調査をされているそうで、私の知っているエリア、特に万座や草津方面の笹の開花状況を聞きたいそうだ。




  


お会いしたところ、なんと、高崎市新町にお住まいで、藤岡市岡之郷にお勤めのお方でしたか!私の藤岡の本家のすぐ近所とは!何か御縁を感じます。藤岡市で友人のマダケ林や、勤務先工場のホテイチク林を整備し、地域の子供たちに竹細工の作り方や遊び方をご指導されているそうだ。ご自身は剣道家でもあり、竹とは生涯のつきあいとしているそうだ。なるほど。




  


そんな有田さんが草津白根方面の笹の開花に興味を持ったのは、なんと2007年7月9日に、中沢ヴィレッジの中沢康治元社長を取材した「60数年ぶりササ開花」という記事だった。中沢さんは小学校の頃に草津周辺の山全体で笹の花が咲いた後、一斉に枯れたことを覚えており、人生で二度目の経験ということで上毛新聞に投稿したのだろう。


それでただちに有田さんは現地に飛び、中沢さんに案内してもらい、確かに花が咲き枯れ出しているのをみた。その写真も見せてくれた。




  


いろんな写真を持っていた。なんとササウオ(ヒメササウオ?)についても深く調べている。


ここ数年、草津白根地域を調べた有田さんの見識では、笹の一斉開花は3年くらい続き、その後は本当に一斉に枯れてしまうそうだ。草津大谷地草津白根山の一部、野反湖入山、みんな枯れてしまった。山にある全ての笹が枯れてしまう訳ではないが、確かに一地域においていろんな場所でそこそこ大きな面積で枯れる。しかしチシマザサの結実は確認できたが、クマイザサの結実は確認できなかった。しかし、笹には実と一緒に麦角(ばっかく)という毒の実の様なものが付いており、一緒に採って食べて死んだ例もあるので要注意…とのこと。


私は、ここ数年毎年花が咲く場所があり、笹の花はかなりいい加減なものだと思っていた。笹の種(実)が発芽する場合、あんなにたくさんの種が同じ年に発芽するわけがなく、翌年はおろか3年先や10年先に発芽するものもあるであろう。その場合、同じ場所に生えている笹は同世代のものとも、同じ地下茎による同個体によるものとも考えにくい。むしろ、個体の違う地下茎の層がいくつもあると考えるのが妥当…と思っていたが、案外、同個体であり、本当に一斉枯死するのだった。しかも枯れるのに数年かかり、その間花を咲かせ続けるとは…恐れ入りました。


有田さんのおかげで、笹の花について理解を深めることができました。ブログをやっていると、こういうことがあるので嬉しいですね。