赤谷の日
ネイチャーガイド、長浜陽介さんは頼りになる人物。今日はつきっきりで僕達をガイドしてくれた。写真は古い炭窯跡。
コース中、猿に樹皮をすっかり食われてしまったヤナギの木や、モミの球果を見せながらリスやネズミのお話をする。長浜さんは動物と野鳥の詳しさは群を抜いている。まさに「いきもの村」の自然案内人として相応しい人物だ。
赤谷周辺ではちょうど芽吹きの季節を迎えている。
コナラ(ブナ科ブナ属)の新芽もいい。
クロモジ(クスノキ科クロモジ属)がずいぶんあった。高級は爪楊枝は今でもこの木を使うのだ。この仲間はアブラチャンやダンコウバイなどで、とても良い香りがする。
相俣森林官の目黒美紗子さんは才能のある森林官。皆が解らない木もすんなり回答。これはアオダモ(モクセイ科トリネコ属)だった。バットに使うらしい。僕はこの木のシャープペンを使用している。
ツタウルシ(ウルシ科ウルシ属)の上手な覚え方も教えてくれた。
しかし、専門はなんと「きのこ」なのである。アミガサタケ(アミガサタケ科アミガサタケ属)を今日の夕食にするとか言って軽〜く持って帰る強者である。どうですかこのキノコ、食欲をそそりますか・・・?
最後に、川古展望台へ登りプロジェクトエリアの全貌を見せてくれた。この場所は身近にある秘境中の秘境と言える。
山頂ではヤマツツジやトウゴクミツバツツジが咲き乱れ、その向こうには高い自然度を維持する赤谷の森が広がる。この谷はイヌワシの繁殖地にもなっている。ブナの若葉は葉緑体がまだ不十分で、森は若草色に芽吹いている。新緑が眩しい好季節だったとはいえ、なんと美しい谷かと思った。人里近くでこんなにいい森が残っているのは奇跡だと思った。
この赤谷の森で本プロジェクト関係者があんなにも情熱をかけて取り組んでいる理由がやっと理解できたような気がした。