万座水源方面へ



万座水源付近には、ミズナラのとんでもない巨木がある。あそこの森に連れて行って喜ばない人はまずいないだろう。しかし、実際人を連れて行けるのか?調査に入ってみた。

森に入ったとたんに、天然カラマツの巨木がある。直径1mのカラマツは、みんな見たことないだろうなあ。

そしてこの人が万座の水源を何十年も守っている松本さん。この人のおかげで万座の名水が飲めるんです。

旧ゲレンデから万座川渓谷を見下ろす。あの右に見える御飯岳の手前の森にたどり着けるかどうか…。


  


旧ゲレンデを一気に下ると、かつての熊池に到着。振り返れば2001年9月台風による山滑りの惨状が。まずはこれを見るべきだ。

樹洞ができるほどの太いコシアブラは見たことはあるだろうか。

コース前半では、ウラジロモミの巨木が目立っていた。


  


まずコガラ(スズメ目シジュウカラ科)がそばに来てくれた。

そして、遊歩道から見えていた、以前から気になっていたミズナラがある。形状が美しく安定感がある。笹が邪魔していない今ならそばに行ける。

近寄ってみると、予想をはるかに上回る巨木だった。どうりで安定感があるわけだ。熊棚のあとも見られるし、案内の際はこの樹には立ち寄っておこう。


  


そして、まだ予定の半分も進んでいなかったのに、先ほどのミズナラ以降、どういう訳か道がさっぱり解らなくなってしまった。ミズナラが私に術をかけたのか、それとも森の神の悪戯に翻弄されているのか。しかしそれで良いのだ。少々迷ったってへっちゃらなのだ。なんてったって私には森に深い畏敬の念があるから。森の護りが及ばなくなってきたら素直に引き返せば良いのだ。ガキの頃からそうやって森を歩いてきた。だから森はいつでも私を護ってくれる。そうやって来たから、危険な森には私は一歩の足を踏み入れることすらできない。

迷っていたら、いいブナの森に出た。ああそうか、万座川を渡らなくてもこんなにいいミズナラやブナがあるのか。半日コースならここで十分だな。---そう思った。

大きな凍裂のブナがあった。これでもしっかり生きている。今年はブナの実が豊作だったから、ブナの木に熊棚ができているかもと期待して上を見て歩いたが、ブナでは熊棚は見つけられなかった。


  


迷いつつも万座川に近づいてみたすると川の水が堰き止められていた所にマガモ(カモ目カモ科)が群れでいた。もう万座からだいぶ離れているからPHもある程度中性に近づいているのだろう。

そして、万座で初めて見る樹があった。夏にこんな所来れる訳ないからあたり前だが、どうも現在のところイヌガヤ(イヌガヤ科イヌガヤ属)ではないかと思う。


  


さて、今日は万座川は渡れなさそうだ。素直に戻ろう。サルノコシカケウォッチングでもしながら。

左はツリガネタケ(タコウキン科ツリガネタケ属)
中はコフキサルノコシカケ(マンネンタケ科コフキサルノコシカケ属)
右は不明。いつも見ているツガザルノコシカケとちょっと違うような気がする。雪が解けてからまた逢いましょう。


  


たいていはカラ類の混群に囲まれ、その中にシジュウカラ(スズメ目シジュウカラ科)を見るのだが、今日は純粋な群れを見た。しかし争っているようにも見えた。

ダケカンバの幹を自由自在に歩いていたのはゴジュウカラ(スズメ目ゴジュウカラ科)。

「ガーガーガー」と聞き覚えのある声は、ホシガラス(スズメ目カラス科)。ちょうど出発(ゴール)地点付近の樹上で鳴いている。お帰りなさいと言ってくれているのか。それとも術をかけたのはあなただったの?