熊川の滝を探しに part-3
川原湯温泉不動の滝を訪問した後、そのまま小池さんと「熊川の名瀑」を探しに行きました。
まずは、上毛新聞などでたびたび取り上げられる長野原町・与喜屋の氷壁へ。熊川の岸壁から湧き水が浸み出していて、それが凍っています。しかし周辺は人家が多く、護岸工事もなされていて自然度は0%。これは道路からそのまま撮ったものです。エコツアー向きではありません。
熊川沿いの林道を上流方面に走り、原生林ぽくなってきたところで川床に降りてみます。
おお、これぞ自然の氷瀑です。
しかし、熊川の水量はとても多く、沢登りのように川を遡ることはとてもできません。おや、カバ?
仕方がありません、また高い位置に戻ります。
上流を目指しつつ、降りられそうなところを探しつつ。
おや、大きな樹洞ですね。ドングリの食べかすがいっぱいです。
ここなら降りられそう。もう一度、熊川に降りてみます。
わわわ、崖が崩壊しそうです…
水量は相変わらず多く、浅瀬は続きません。また崖上に退散です。
登ってみると、見事な断崖が現れました。恐らく、吾妻渓谷を含む碓井火山列のベースとなっている中新世後期〜鮮新世(せんしんせい)の、非常に古い火山岩なのでしょう。
このスケールのでっかい崖の下を歩けるなんて、はっきり言って感激です。なかなか体験できないですね。
そしてこの先、15分ほど進むと…
ついにありました、熊川の名瀑「仙峨滝」です。ヾ(感'∀'激)ノ゙
いやあ、しかし遠かった…っていうか、何度も川床に降りては上に登りを繰り返してしまったので、何倍も時間がかかってしまったのです。仙峨滝の落差は30mはありそうです。上部には「不動の滝」が見えていますね。
それにしたってピッケルと12本爪アイゼンが必要なエコツアーは、うちの協会が取り扱うべきではありません。こんなに近くに寄らずに、「遠望」程度にすべきでしょうね。
少し戻って、上部に見えていた巨木に寄ってみます。
近づいてみて、やっぱり普通じゃありませんでした。トチノキ巨木が二本並ぶだなんて、なかなかありませんよね。
太い方は幹周530cm位あります。この巨木は二本仲良く並んで、この熊川渓谷の変遷を見守ってきたのでしょう。樹齢300年だとしたら、浅間山が大噴火(1783年)し、浅間高原がリゾート開発されて、滝原部落の子供たちが滝壺で水泳を覚えて、牧場ができて水質が濁ったりしたのをずうーっと見守ってきた訳です。ただ見てるだけ、300年間見守っているだけって凄いことですね。仙峨滝も見守り続けられて良かったですね。
帰り道はもう一直線。川に降りたりはしません。この岩壁沿いに歩くのが一番。
数十メートルの岩壁。段差となっているところは、溶岩流の境目でしょうか。鬼押出し溶岩の縁にあるような細かいギザギザが見られます。232年前の溶岩と、250万年前の溶岩で、表面に同じものが見られる…なんてことは、ないですよね。