たかやま満喫ツアー〜昼間の星空観察会と三島神社の杉並木〜



平成26年度吾妻東部町村連携講座「ふるさと探訪」、今日は最終回の高山村会場です。表題のとおり、「たかやま満喫ツアー〜昼間の星空観察会と三島神社の杉並木〜」に参加してきました。



  


ぐんま天文台に行くには、一般人は長い散策路と階段を上らなくてはならないのですが、この講座では時間短縮のためか玄関まで車で連れて行ってくれました。入館するとすぐそこに「熊鈴回収箱」が。前に来たとき、こんなのあったかな?高山村でもくまが増えているんですかね?



  


館内展示物を見学。「宇宙図」というポスターに目が引かれました。人間の材料はどこから来たのか…そう、宇宙からにほかなりません。星を見るということは、自分自身の素を見つめるということ。そして宇宙を探るということは、身体の内部を探ろうとすること、なのです。

● 人間の材料はどこから来たのか?

私たち人間をかたちづくる身体。それは「小さな宇宙」ともたとえられ、元素という材料から成り立っています。現代の科学は、この元素が、宇宙に輝く星々の中で生まれ、まき散らされたものであることを明らかにしました。宇宙と人間の不思議なつながりを、時間をさかのぼりながらひもといてみましょう。


○ さまざまな元素から、生命が生まれた 〜地球上生命の誕生と進化〜

現在の地球では、私たち人間をはじめとして、陸上にも多くの生命が繁栄しています。しかし、かつては海だけが生命の世界でした。地球最初の生命も、太古の海中で誕生したのです。海に含まれるさまざまな元素が組み合わさり、しだいに複雑な有機物となるという化学反応が、やがて最初の生命の誕生につながったと考えられています。こうして生命を生み出した地球は、では、どのようにしてこの宇宙に生み出されたのでしょうか?


○ 生命を生み出すステージが整う 〜太陽系及び地球の形成〜

地球を含む太陽系の仲間たちが誕生したのは、およそ46億年前。宇宙を漂うガスやダストの集まりからしだいに太陽がかたちづくられ、同じ頃、その周囲をまわるガスやダストが、地球やその他の惑星となっていったのです。では、このガスやダストはどこからやってけいたのでしょうか?それは、いまはもう消えてしまった星々が宇宙に残した“かけら”だったのです。
※宇宙には、空気のような気体(ガス)と、砂粒よりも細やかな個体(ダスト)が大量に漂っている場所があります。


○ 元素をばらまく、星の大爆発 〜宇宙の錬金術超新星爆発

太陽系の材料となった“かけら”たち。それを作り出し、宇宙にばらまいた原因のひとつは「超新星爆発」でした。太陽の10億倍以上も明るく輝く爆発は、恒星の中の元素を一気に別の元素へと変えてしまいます。2種類ある超新星爆発のうち、太陽よりずっと重い恒星が起こす爆発では、内部で作られた酸素などの元素が飛び散ると同時に、金や銀のような元素が生み出されます。一方、私たちの身体に欠かせない鉄は主に、白色矮星を含む連星系の、ごく一部が起こす超新星爆発によって生み出されます。



文部科学省科学技術週間」(http://stw.mext.go.jp/series.html)より、「宇宙図2013」をダウンロードしました。


私たちに今見える宇宙の半径は470億光年。ビックバンから137億年が経過し、こんなに大きく広がっています。




● 宇宙図の見方 〜4つのルールで、宇宙を感じてみよう〜

この「宇宙図」は、最新の研究や観測にもとづく宇宙の姿を、私たち人間を中心にして描いたものです。縦方向には、人間からさかのぼって宇宙の誕生までの「時間の流れ」が表され、横方向には宇宙の「空間の広がり」が表されています。全体のすり鉢のようなかたちから、宇宙は生まれてからずっと、膨張を続けていることがわかります。この宇宙図は、あなたがはるかな時間と空間を旅するためのガイドマップ。4つのルールを味方につけて、あなたの眼で、宇宙の姿にせまってみてください。


○ルール1 宇宙を見ることは、昔を見ること

不思議なことに、地球から宇宙をながめると、そこに見えるのは昔の宇宙の姿です。例えば私たちに見える太陽は、8分ほど昔の姿。すばる(散光星団M45)は400年ほど昔の姿なのです。なぜ、そんなことが起こるのでしょう?私たちにものが見えるのは、そこから発した光が、私たちに届くから。けれど宇宙の星々はとても遠いので、光でさえやってくるのに時間がかかります。そのため、こちらに届くころには、その光が伝える星の姿はもう「昔の姿」になってしまっているのです。


○ルール2 見える宇宙と見えない宇宙がある

宇宙図の中心に描かれた私たち人間の前後左右には、「現在の宇宙」が広がっています。しかし私たちに、その宇宙の姿はみえません。ルール1を忘れずに。見えているのは、昔の宇宙なのです。私たちが肉眼や望遠鏡で捉えることのできる天体をこの宇宙図に並べていくと、図の中心にあるような、きれいなしずく形の裏面になります。宇宙のこの部分だけを、私たちの眼は見ています。それぞれの天体は、何千年前、何億年前と、違う時代の姿を私たちに見せているのです。


○ルール3 宇宙では、遠くの距離は要注意

天体までの距離を表す時によく使われるのが、「光が旅をしてきた道のり」です。例えば、私たちに見える宇宙の中で一番遠くからきた光は、137億年をかけて「137億光年」の距離を旅してきました。しかしその長い旅の間にも宇宙は広がり続けたため、光が進んでこなければいけない道のりは、スタート時点よりもどんどん伸び、光が放たれた場所自体も、はるかに遠ざかってしまいました。光が届いた現在、その場所は、もう私たちから470億光年のかなたに離れていると推測されています。


○ルール4 宇宙は「科学の眼」で見えてくる

私たちに見える宇宙は、広大な宇宙の、ほんのひとしずくです(しずく形の表面)。しかし「科学の眼」は、それを手がかりに、さまざまなことを明らかにしてきました。私たちに見える宇宙が、どうやって誕生したのか(すり鉢形の底の部分)。それがどのように広がってきたか(すり鉢形の表面のかたち)。そしてすり鉢形の向こうにも、宇宙は遠く広がっているという可能性。この宇宙図には、そうした科学的発見の成果がたくさんに詰まっています。宇宙は、あなたに読み解かれるのを待っています。

  


研修室(映像ホール)で、ぐんま天文台の初回ムービーを鑑賞してから、館内を案内していただきました。



  


「太陽展示コーナー」では、なんと現在の太陽の様子を映し出すスクリーンがあって驚きました。天井から下に向かって投影しています。



  


職員さんが太陽の解説をしてくれました。太陽は燃えていない。太陽には炭素も酸素もないが水素はふんだんにある。太陽は核融合反応で光っている。中心部で水素爆発したエネルギーは数万年〜1000万年かかって表面に出てきて宇宙に出ていく。太陽の色は本当は白色。それにやや黄色がかっている。



  


2階の展示コーナーを通って、「150センチメートル反射式望遠鏡(11mドーム内)」へ。別の職員さんが解説してくれました。この望遠鏡の重さは22トン。鏡だけでも1トンあります。室内にはビョーンビョーンと機会を冷やしている音が鳴り響いています。-200度まで下げなくてはならないのだそうです。



  


150cm望遠鏡=1500mmの目=人間の目の300倍の長さ=面積は9万倍になる。頭の上には何億年からの太古の歴史が綴られている。宇宙のページをめくっていくのが望遠鏡。来年、冥王星に探査機が届く、とても楽しみ…とのこと。



  


そして、「65センチメートル反射式望遠鏡(7mドーム内)」へ。また別の職員さんが、水星、アルクトゥールス、ベガの3つの星を見せてくれました。アルクトゥールスはややクリーム色がかかり、ベガは完全な純白に見えました。見る星を変える際に、ドーム全体がぐるっと回ります。酔いそうになりましたが、良い経験になりました。




その後、屋外にある、18世紀のインドの不思議な天体観測施設群「ジャンタル・マンタル」についても解説してくれました。



  


この建物は「サムラート・ヤントラ」という、日時計だったのです。丁寧な解説に頭が下がります。



  


お話しを聞いている間にも、日時計の示す時刻が変わっていきます。ところが、腕時計の時間とはちょっとずれています…。理由の一つは、日本列島は東西に広がっていますから、実際に日の出・日没の時刻は場所によって異なります。それでは時計設定ができませんので、東経135°(兵庫県明石市がある)に合わせています。東経135°の時差がいくらかあります。


  


もう一つ、「均時差」という言葉があります。これは、地球が太陽の周りを回っている、公転しているので

 1. 公転軌道が楕円形だから
 2. 地軸が23.4°傾いているから

という理由で起こります。詳しくは以下のサイトを見るのが良いでしょう。


均時差が起こるわけ… - 浅野太志の占い鑑定
http://www.asano-uranai.com/kinjisa.html



  


昼食後は、高山村ガイドボランティアの方々の案内で三島神社へ。高山村ではとても由緒ある神社で、社伝によれば創建は宝亀2年(771)、元亀元年(1570)に再建されたそうです。御祭神は大山祇神(主神)、大国主命事代主命だそうです。木村会長の笑顔の素晴らしいこと。



  


道が狭くてバスが通れないので、参道を歩くことに。一の鳥居、二の鳥居へ。木村さんの話は続きます。高山村は現在人口は3800人、三島神社は三島さま、権現さまと呼ばれ、祭りの日はかつて、とても賑わっていたのだそうです。この辺もイノシシが出るが、猪はミミズを食べるので放射能が出て食べられない、名久田川の源流脇を今歩いている…




三島神社の杉並木は27本。群馬県の天然記念物に指定されていて、多くは元亀元年(1570)、真田氏戦勝祈願の際に植えられたもので樹齢400年以上、そして最も大きな一本は目通り4.6m、根回り8.7mもあり、平安時代中期に平将門の乱(935年〜940年)を鎮めた藤原秀郷(ふじわらの ひでさと)の戦勝祈願に植えたと伝わっています。だとしたら樹齢1100年以上の古木となります。まさかとは思いますが、「泉龍寺のコウヤマキ」「新田本陣の大ケヤキ」などの仰天巨木がある高山村ですから、まんざらではありません。

※ちなみに、樹齢400年以上の方は昭和48年(1973)に伐採した際に年輪400余年を数えているそうです。



  


木村さんが曰く、権現造りと言って屋根がつながっている…そうですが、本殿を覆うのは一般的な「覆い屋根」に見えます。



  


境内に「御仮屋」っぽい社がありましたが、特に神様を遷座する行事はありません。ガイドさんに聞くと稲荷社だと思うが…とのことでした。

二の鳥居近くにある神主さんのお家は兜のような造りで雰囲気があって良かったです。






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