小野子山にゴヨウツツジを見に行こう!登山



先日、道の駅中山盆地(高山村)でチラシを見て、今日の「小野子山にゴヨウツツジを見に行こう!」登山イベントに参加させていただきました。



      


道の駅中山盆地に集合。先着30名様との条件だったはずですが、50人程参加者がいる模様。昨年、あざみの会の行事で中山城を解説してくださった市村様の姿があります。


それにしても、この人数だと小野子山赤芝登山口は完全に飽和状態。今日は日曜日ということもあって、一般の登山者もいらっしゃるようです。あれ?手持ちの地図を看板に合わせると真逆になってしまいますね。うーむ。



      



小野子山は小野子火山の一部です。小野子火山の形成史をたどると、約200万年前頃(前期更新世)の時代に小野子火山か榛名火山の噴火によって生まれた古中之条湖のことをあげなくてはなりません。この湖はただ単なるせき止め湖ではなく、「陥没盆地」といわれており、規模も直径15〜30kmの広さで、旧小野上村全域をはじめ、中之条町、旧子持村渋川市の一部を含むものであったそうです。地殻に割れ目を生じさせ、マグマは湖中にも繰り返し噴出しました。割れ目に入り込んだマグマは岩脈となり、湖中に噴出した溶岩は急に冷やされ直径数メートルの丸い形の岩塊となり分裂しながら湖底を流れました。この岩塊には中心部に向かって割れ目が多数入り、断面は菊の花びら状になっています。この岩塊は、岩井堂手前の吾妻川沿いで見ることができるそうです!


しかしその現象は、小野子火山の噴火史としては含まないようで、その地質の上に数十万年前(中期更新世)から、十二ヶ岳成層火山形成期−山体崩壊期−山頂溶岩類流出期の3ステージから形成される複成火山だそうです。山体崩壊期の岩窟なだれは55万年前の草津白根山太子火砕流の上にあり、小野子火山は並んでいる子持火山とほぼ同じ時期に活動したそうです。


いやはや、この山の斜度はかなりありますね。「溶岩ドームと比べて、成層火山は斜度が緩やかなんですよ」なんてインタープリテーションはやめた方がいいですね。特に山体崩壊した火山の場合は。



      


ヤマグワの花が満開です。



      


ヒノキの人工林を登ります。足元にはオカスミレ。



    


ほとんどのヒノキに着けられているこのロープ、実はシカの食害対策なのだそうです。シカが嫌う匂い物質を放っているらしく、紐は簡単に緩むようになっていて、幹の肥大成長に悪影響を及ぼさないそうです。



    


白い花はタチカメバソウ(ムラサキ科キュウリグサ属)。子持山に見えた断崖は獅子岩だそうです。



  



ヤマツツジが綺麗だこと。



      


尾根に出てひと休憩。うーむ、やはりこういう大人数を連れて行くイベントではガイドさんに質問ができないし、登山ペースも調子が狂いますね。ペースもかなり遅くなるし…チゴユリでも眺めながら時間を潰して登山です。



      


途中にあったマムシグサの仲間、高山村では「ヘビノコシカケ」というそうです。本当?騙してない?

そんなこんなしている間に、ゴヨウツツジに着いたようです。






これが、 群馬県天然記念物「高山のゴヨウツツジ です。







本来は、この近くにもう一本ゴヨウツツジがあって、そのために「高山の姉妹ツツジ」という名前で天然記念物指定を受けていました。しかし、一本は枯れてしまったのだそうです。地域住民で、苗を作り、この近くに植えたそうですから、やがては、姉妹どころか家族ツツジとなることでしょう。



      


ゴヨウツツジとは実際には標準和名シロヤシオのことで、太平洋側の山地に多いツツジです。枝先に5枚の葉が輪生状に付くことから、別名としてゴヨウツツジ(五葉躑躅)とも呼ばれています。シロヤシオツツジとも言います。

赤城山シロヤシオを見慣れている奥様達は、「赤城のとは少し違うわよ」と仰っていました。今現在、小野子山にはこの一本しか認められないのですから、もし、この分布が自然のものであれば、数万年以上の遺伝子隔離があったとも考えられ、すでに亜種の域にまで達している可能性はあります。



    


ゴヨウツツジの先は、すぐに尾根になり、ラクラク登山コースに変わります。ゴヨウツツジを真上からのぞき見することができる場所がありますから、押さえておいた方が良いでしょう。



    


尾根まで出ると、これまでと打って変わってゆったりとしたコースになり、癒されます。ヤマツツジも多いですしね。ホソバノアマナ(ユリ科チシマアマナ属)、久しぶりに会いました。そして山頂です。



  



小野子山(1208m)でのランチタイムです。繋がっている十二ヶ岳よりは景色は劣る…そうですが、そんなに悪くはないですね。小野子山も山体崩壊する前は、1,800m以上あった火山だと見られています。



    


高山村ボランティアガイドの市村様、富沢様にお礼と、今後の構想を申し伝え、これにて失礼いたしました。明るいうちに次のエコツーリズム素材を調査しに行って参ります。今日はありがとうございました。



    


帰り道はヤマツツジに癒され、急な登山道に膝を心配しつつ…でした。ゴヨウツツジはピークを1〜2日過ぎた感じでしたし、ヤマツツジは2〜3日早いような気がしました。


そんな訳で、次のポイントからレポートいたします…






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