門松づくりを終えて



「ものづくり伝道師 浅間・吾妻塾」の『門松づくり』が終わりました。
http://ecotourism.or.jp/monodukuridendoushi/kadomatsudukuri.html


この報告はまた後でするとして、夕方、お世話になった横澤高一師匠の所に、届け物をしに伺ったところ、素晴らしいものがありました。







宝船です。


山盛りの米俵と小判を載せて、正月らしい縁起の良い作りものです。思わず「来年のものづくりに…!」と進言しましたが、横澤師匠でも3日間かかる代物だそうで、素人にはとても無理そうです。今年は2隻お作りになられました。







そこで、見せていただいたのが注連縄(しめ縄)です。横澤師匠は二種類の注連縄をお作りになっていました。毎年、周りの人から200本はあてにされてしまっているそうです。


通常、神社神道では「社(やしろ)」の中であることを意味します。神域と現生を隔てる結界の役目を持っています。有名な神話に、須佐之雄命(スサノオノミコト)を恐れて天照大神アマテラスオオミカミ)が天の岩戸に隠れてしまい、まっ暗闇になってしまった世界に太陽を取り戻すために神々が力を合わせて天照大神を岩戸からおびき出すお話があります。一つの話は天照大神がすき間からちょっと外をのぞいた瞬間に、手刀雄命(たぢからおのみこと)が隙間に手を入れて岩戸を放り投げた…というのが、私の知っている神話で、この辺りだとその岩戸は戸隠山になったとされています。ところが、注連縄に関する神話だと、その岩戸は二度と中に入れないように太玉命(フトダマ)が二重に岩戸を括られてしまった…というのです。


現代、大晦日に家々の神様はその家から神の大社に帰ってしまうので、家の中は神なしとなってしまいます。家にいる神様が外に出て行ってしまわないように、注連縄で家の門を縛るのが、注連縄の由来だそうです。







しかし、正月にセットで飾る門松は降りてくる歳神様を家に招き入れるためのものです。家を守っている神様が出て行ってくれないと、正月の間は、お社には複数の神様がいらっしゃることになります。その辺りは神道っぽいところですが、禍神(まがかみ)が家の中に入ってこられなくするための呪としての役割も果たしているそうです。







以前、11月に横澤師匠のお家を訪ねた際にすでに作成に入っていた、注連縄をメガネ状に組み合わせた飾り(通称メガネ)は、見せていただいた二種の注連縄のうち、細い方、4本分かかるのだそうです。細やかな作業だったのですね。今回は横澤師匠が全てパーツを作ってくださっていたのですが、そういう組立キット的な門松づくりでは無くて、来年は、もっと初めから作らせてほしい…とお願いしたかったのです。でも、メガネは素人には作れないそうです。







この、細い方の注連縄4本分かかってしまう…のであれば、メガネは師匠にお願いして、この注連縄づくりをさせてください!とお願いしました。これなら、少しくらい不格好になっても、問題無いそうです。


注連縄の稲は、食べる米用とは別の背の高い品種を植え、夏に刈り取るので緑色になるそうです。来年はさすがに注連縄用の田んぼを減らそうとしていたそうなので、私たちのは稲を取った後のものにしてほしいとお願いしました。なるべく負担なく、ご指導いただきたいと思います。


よーし、来年のものづくり塾は、午前中は注連縄づくり、午後は門松づくりになります。斯うご期待。






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