門松づくり(嬬恋村・横澤流)
「ものづくり伝道師 浅間・吾妻塾」第三回は門松づくりです。
http://ecotourism.or.jp/monodukuridendoushi/kadomatsudukuri.html
門松(Wikipediaより)
門松(かどまつ)とは、正月に家の門の前などに立てられる一対になった松や竹の正月飾りのこと。松飾りとも。古くは、木のこずえに神が宿ると考えられていたことから、門松は年神を家に迎え入れるための依り代という意味合いがある。
神様が宿ると思われてきた常盤木の中でも、松は「祀る」につながる樹木であることや、古来の中国でも生命力、不老長寿、繁栄の象徴とされてきたことなどもあり、日本でも松をおめでたい樹として、正月の門松に飾る習慣となって根付いていった。能舞台には背景として必ず描かれており(松羽目・まつばめ)、日本の文化を象徴する樹木ともなっている。
また、竹が選ばれている理由は、「松は千歳を契り、竹は万代を契る」と言われ、依代(よりしろ=神の宿る場所)が永遠に続く事を願っての組合せだそうです。また、竹も常緑で繁殖力が強い植物なので、生命力と長寿の象徴でもあります。
しかし、なぜ、マダケの少ない嬬恋村で門松作りをやるのか…?
それは、門松づくりの名人・横澤高一さんが嬬恋村にいるからです。
しかし、考えてみると、お隣の草津町のお宿さんはみんなお正月は門松を立てています。鹿沢温泉なども昔からありましたし、門松を立てる風習がなかったわけではありません。当地方でも確実に伝統文化としてあったものです。
【材料】
☆飾り物
- しめ縄の飾り物(通称メガネ)2つ …見通しが効くように
- 福扇 2つ …末広で縁起が良い
- 紅白御幣 2つ …厄除け
- 梅の造花(白)4つ …梅は先駆けて咲き、「気高さや長寿」の象徴
- 梅の造花(赤)4つ
- ナンテンの造花 2つ …難を転じる
- ウラジロの造花 2つ …後ろ暗いことがないように、一対で夫婦円満など
- 飾り紐(金色) 2本
☆工具
剪定鋏 各自
ブルーシート 数枚
藁の束を二つに分けて、裏側に荒縄をまわします。
広げた藁の真ん中に缶を置き(藁の下側が缶の底)、わらで包みます。荒縄は缶の真ん中でふた回りさせ、まずひと結びし、
それを引っ張ったまま腕の前後を逆にすると、手を離してもなかなか緩まなくなります。
この状態で、均等にわらが廻っているかどうかをチェックし、大丈夫なら本結びします。
缶の上下にも縄をふた回りさせ本結びします。この時、上下の縄は最初の結び目(真ん中)の裏側になるように結びます。藁の下の方が短か過ぎる場合は引っ張って整えます。15〜20センチ出ているのがベストです。
缶の底側のわらを折り曲げていきます。一回り全部折ったら缶を立てて、上にずれ上がった縄を下にぐっと押し下げます。
缶に巻いたわらを適切な長さにカットします。上は缶の約2cm上で、下の袴になる部分は8〜10cmの長さにします。下の部分は長さがまちまちになりやすいので、何か定規を作りそれに合わせてカットします。
マダケを違う長さ3本を一セットにして麻紐で結びます。本結びでゆるむ場合はこのように一度、束になった部分を巻き込むようにして結びます。
河原砂をベースとした土に籾糠をまぜ、さらに、どんどん焼きの際に抜けやすくするために塩化カルシウムを入れた土を缶に詰めます。満タンにまででは無く、竹が動かなければOKです。
これで、門松の骨格ができました。竹を縛った麻紐の結び目は裏側にするといいでしょう。あとは飾り付けです。
しめ縄の飾り物(通称メガネ)を、麻紐にくくります。飾り紐の真ん中でしめ縄をはさみ、折り返した先を麻紐の上から下に通します。通した先をちょうちょ結びすればOKです。飾り物ですからちょうちょの形を整えてください。
次にウラジロとナンテン。この造花の場合は、ナンテンをウラジロの穴のようなところに刺して、それを缶に巻いた三本の縄の一番上に差し込みます。そしてメガネの袴部分を上に垂らします。
福扇をメガネの後ろに刺し入れ、紅白御幣をその後ろに挟みます。
梅(紅・白)の造花を、真ん中の縄の、左右に飾ります。剪定鋏で葉のついた松の枝を切り、後ろ側や左右を飾ります。
できました! 横澤高一流・門松です。
しかし門松は二つで1セットなので、20名分の門松は40個あるということです。並べると壮観。
このあとの注意事項としては、小正月のどんど焼きには缶や土は出さないで、横澤様のところに持ってきてほしいとのことでした。
皆様、大変お疲れ様でした。後日送付するマニュアルを楽しみにお待ちくださいませ。