伊豆大島のジオガイドを浅間山にご案内



新堀さんの紹介で、伊豆大島で自然ガイド事業をされている西谷香奈さんを浅間山にご案内することになりました。


グローバル・ネイチャー・クラブ(海ガイドのページ)
http://www.global-ds.com/ryoukin.html


グローバル・ネイチャー・クラブ(陸ガイドのページ)
http://www.riku-guide.com/


元々は伊豆大島の海でダイビングやスノーケリング事業を展開する会社だったそうですが、火山を含む陸の案内事業も展開中で、伊豆大島ジオパーク(日本)に認定されたのは西谷さんの働きが大きいのです。




  


お互いの過密スケジュールの合間を見繕っての浅間山ガイド。お話しする時間をなるべく取るためにも、今回は我が家にお泊り頂くことにしました。軽井沢ツルヤに寄って食材を購入し(ていただき)、夜は明日の向かって精をつけるためにキムチ鍋にしました。「なんで夏なのに鍋なの?」と島の仲間から言われたそうですが、来て見て納得。嬬恋の夜は涼しいのです。




  


夕食後、伊豆大島ジオパークの概要をお聞かせいただきました。伊豆大島三原山は中学校の教科書には、楯状火山と載っているようだとお話ししたところ、かなりガックリと来ていました。やはり三原山は現在の区分では成層火山で間違いないそうです。しかし、日本では数少ない玄武岩溶岩の活火山で、割れ目噴火などのハワイ式噴火など、興味深な映像を見せて頂きました。


翌朝、心配していた天気もなんとか持ちそうだったので、基本的には黒斑山塊周回コースでご案内することにしました。




  


高峰高原ビジターセンターでトイレ等お世話になり、出発しようとしたところ、暖炉の前で動物の毛皮が目に留まりました。おお、これが杉山さんがFBで公開していた野生動物の毛皮剥製ですか!どうやら、交通事故にあった動物たちをこのようにしたそうです。なんと大した技術です。




  


雲の中、雨が降らないことを祈りつつ、出発します。多くの人が休憩地点として使っている赤い岩ポイントに来ました。ここで、赤い岩=鉄分の酸化の考え方と解説方法について、私と伊豆大島ジオガイドのお二人との間に共通点が見られました。やはり、「高温だったマグマは、外側だけが酸化して赤くなる傾向がある。」だけだと間違いとなる。私は発泡要素が大きいスコリア等において中心部が長く高温を保つので赤くなる傾向を見つけていましたが、伊豆大島ジオガイドのお二人に言わせると、緻密な溶岩においてもそのようなケースが認められるそうです。




  


糸魚川世界ジオパークに認定させた時に、厳しい査定委員の口を黙らせることに成功したという、なかなか溶けない飴!?いただきましたが、話ができなかったのは、飴玉が大きくて呼吸が苦しかったからだと思いました。


伊豆大島には、このような鉄平石(板状節理)は見られないそうです。玄武岩溶岩だから節理ができない理由は無いので、島全体が新しい溶岩に埋もれてしまっており、たまたま欠片が露出していないのだろうと思いました。




  


トーミの頭手前でハクサンイチゲと出会いました。この花を見ると浅間山に来ている気になります。ネジバナに似て異なる右の花は、名前が良く解かりません。




  


黒斑山山頂に到着です。嶋田さんは浅間山を持ちあげているイメージで写真に写っています。今日はうちの新人ガイド、唐沢さんも参加してくれています。




  


黒斑山到着時点でお昼に近かったので、もう湯ノ平に降りることはできません。それでももう少し先に進んでみました。当然ながら島には無いシラビソの林を進むと、嶋田さんがその芳香に感激しまくってくださいました。蛇骨岳からさらに先を目指します。







白ゾレと呼ばれる崩壊地まで来た時、目の前の雲がスッと引いて湯ノ平が見えました。伊豆大島ジオガイドのお二人は歓喜の声を上げています。浅間山は見えませんでしたが、地球のスケールは感じていただけたようです。




  


蛇骨岳の手前にある、急な岩場の登りを越えて、ようやくお昼ごはんです。今日は唐沢さんがキャベツの浅漬けを差し入れしてくれました。嬬恋村らしいおもてなしに大変感謝されました。唐沢さん、さすがです。




  


この後、蛇骨岳のスフィンクス岩にお祈りしながら浅間山が見えるのを待ったのですが、残念。タイムリミットです。裏コースで下山することにしました。(ただし裏コースは閉鎖の予定らしく、手入れが全くされていませんので通行はおやめください)




  


黒斑山北斜面にある、広大な痩せたシラビソ林。さすがにこの辺りまで伐採はされなかっただろうし、この大きさまでしか成長できない状態をキープしながら更新され続けていることになります。なんとも不思議な現象ですが、私には、この森にはそういう意識が流れていることを感じています。このシラビソを中心とした生物群が、こういう森で継続していこうと決めているのです。理由は解かりませんが、ここの生物群が望んでこの森の形態を作っているのです。

苔の上から芽生えたシラビソの赤ちゃん。あなたも、この意識の中ですくすく育ち、祖先が築いたこの森の姿を継承する一員として命を全うするのでしょう。どうぞご無事に、大きく育ちますように。


※西谷さんがブログで紹介してくれました!


グローバルネイチャークラブのガイド日記
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/62170f4ae45de834f7c5824a50f9113f






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