湯ノ丸渓流コース下見と、東御市シナノキ巨木「弘法大師のさかさ杖」





森林セラピストと行く○○ツアー、浅間・吾妻にはどんなコースがあるのか、模索は続いています。今日は、県道94号線、東御嬬恋線沿いにある「湯の丸渓流コース」を下見してきました。車の中から眺めていた限りでは、マイナスイオン漂う癒しのコースに見えました。ところが…


  


まずは湯の丸高原地蔵峠を越えて、四十一番観音から登山道がつけられています。ここは、駐車場が狭いのが問題です。




  


コースに入ると、しばらくの間、道が不明瞭のために戸惑ってしまいます。それでも足元には白く清楚な花、コンロンソウが群落をなしていて、まあまあの気分で進みました。




    


エボシ沢を上流へと上ります。ミヤマハコベがありました。




  


段々になっているのはクリンユキフデです。いく度も川を渡り、味のある木の橋を渡りました。




  


ここで、いったん県道に出ます。五十二番観音からすぐにまた森に入ります。





エボシ沢とコンロンソウの風景。とにかく、ずうっとこれでした。このコントラストは清楚ではありました。




  


さらに上流へと進みます。しかし、あまりというかほとんど手入れをしている様子がありません。このまま、夏になったら完全に藪になってしまいそうに見えます。サンリンソウが咲いていました。




  


そしてまた道路に出ます。ここは少し道路を歩くことになりました。




  


この入口のところにある五十五番観音は、ちょっと雰囲気のある観音様でした。隣には看板があり、観音様のことかと思いきや、まったく別の内容でした。

【あづき橋】
昔、この付近に五郎と呼ばれた年老いた「むじな」あり。
冬は穴を掘って土の中におり、ふだんはおとなしく、人間には危害を及ぼさないが、雨が降ろうとすると、急に猛々しくなり、橋の上に現はれ、「小豆とごうか人取って喰おか」とさけんで村人を驚かしたと伝えられる。


なるほど、この先の五郎ノ滝に関連する伝説だったのですね。




  


森に入ってすぐに小さな滝がありますが、これは名もない滝です。でも、冬はいい氷爆になっていそうな気がします。このまま上っていくと、鉄分が流出した赤くじめじめした土壌があり、とても嫌な思いをして進みます。




  


さらに!まったく整備されていないので、足元はほとんど藪化しています。気分がダウンしたところで、道路に出ることになります。




  


道路を少しのぼると、六十番観音があって、その向かい側に、五郎ノ滝があります。




  


五郎ノ滝は、実は道路からしか見られなかったのです。ガードレールを越えて、下に降りてみましたが、古く壊れた橋が架かるのみでした…





名勝・五郎ノ滝です。早春、この滝を通る時、素敵だな〜って思っていつも通りすぎていました。その理由は、駐車場がないからですが、沢沿いを歩いても、滝のたもとに行けないとは残念です。




  


さて、それでも、この癒しスポットにどうにかしてお客様を連れてくることを考えたいもの。道なき道を沢沿いに降りてみましたが、岩の上でツルッと足を滑らせ、




ドッポーン!




ガーン、新しいデジカメが川の中に… ハァ━(-д-;)━ァ...




  


それ以降はデジタルビデオカメラのキャプチャーで撮影。もう登山道以外の道は歩きませんが、やはりこのコース、岩場が多いし、開けた沢じゃないし、


はっきり言って、癒されません! ゛(`ヘ´#)




お客様にこのようなお顔をさせないためにも、あまりこのコースはお連れしたくないです。ハイ。






あまり見ないラン科の植物は、アオチドリでした。
途中から、渓流コースを歩くのをやめて、道路を降りることにしました。その理由は、この下にある巨木に会いたかったからです。









森の巨人たち100選のシナノキ弘法大師のさかさ杖」です。


樹齢300年以上、周囲3.7m、高さ17m、枝張り18m、堂々たる巨木なのです。このシナノキが渓流コースに含まれていないのも、このコースをご案内する気持ちが萎えてしまった理由でもあります。




  


このシナノキの隣にある五十番観音の馬頭観音も、他のものとは違って大きく、威厳がある気がします。説明看板によると、



このシナノキは別名、「弘法大師のさかさ杖」とも呼ばれている。平安の昔、嵯峨天皇の御代に弘法大師諸国行脚の折、大師がこの峠にさしかかり、この地で休まれた。その時、手にしていた梨の木の杖を大地にさしたところでその杖がさかさに根付き、このシナノキの大木になったと伝えられている。
また、他の伝説には「義仲雨宿りしな」とも伝えられ、この付近に木曽義仲の駒返しという場所がある。


そうです。森の巨人たち100選の裏付けには、大木なだけではなく、人々が長い間慕ってきた信仰の重みがあるのですね。


そんなことで、湯の丸渓流コースは、癒しのコースとしてはあまりお薦めできませんでしたが、早春、山野草および樹木の葉が一切出ていない時期は、もう少し開けていて気分がいいかもしれません。機会があれば、5月に再チャレンジしたいと思います。






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