黒斑山登山&鬼押出し園溶岩・自然ウオッチング下見会



今日は月末に対応する学生団体のガイド下見日です。まずは黒斑山の状況を確認しに来ました。




  


浅間山麓国際自然学校の浅間火山インタープリターでもある清水実さんが、ご自分のガイド術を披露。とても参考になります。




  


途中で見つけたゴヨウマツの球果。あれ?中の実は、ゴヨウマツにしては大きいし、羽も退化しているように見えます。一瞬チョウセンゴヨウかと思いました。




  


前半はほとんど雪は無かったのですが、中盤から日陰部分に残雪が現れます。




  


そして槍ヶ鞘手前の急な階段部分。ここがかなり荒れてしまっていました。これは恐らく、今年は雪解けがあまり進んでいない状態で5月の登山シーズンに入ってしまい、地面がぐちゃぐちゃ状態でたくさんの人が登ったために、ますます荒れてしまったのでしょう。例年よりも2週間雪解けが遅いだけで、こんな状態になるとは思ってもいませんでした。







槍ヶ鞘から見る浅間山。この景色を見れば、来て良かったと思ってくれるはず。




  


アマツバメが飛んでいます。なんとアマツバメは採餌はもとより、飲水、水浴、排泄、睡眠、交尾、巣材集めまで飛びながらするといいます。そのアマツバメがあの岸壁で見えなくなりました。つまりは、あそこには巣があり、雛を育てているということです。おお、これは見に行きたいが…。
清水さんは要所要所で「火山の仕組み紙芝居」を披露します。いやいや、本当に準備がいい。頭が下がります。





「火山は危険なだけでは無くて、私たちにたくさんの恵みを与えてくれるんだよ」と、最後は締めくくるそうです。いいインストラクターですね。




  


清水さん的には、トーミの頭手前の上りが3つの急斜面の一つと数えているそうです。トーミの頭の絶景。相変わらず、足がガクガク震えてきそうな凄い景色です。




  


ここには、説明にちょうど良い火砕岩があります。お昼時、昼食をとる一般の方々も聞き入っていました。この先の登山道は、まだ残雪があります。







黒斑山山頂からの景色。トーミの頭からの浅間山景との違いは、釜山火口が良く見えるということ。あと、2004年の噴火で現れた100トン岩も見えます。




  


昼食を予定していた、黒斑山山頂裏手の林はかなりの残雪。場所によっては40センチ近くもありました。こういう中でランチをとるのも良い思い出になると思うのですが、仲介業者や教師がなかなか首を縦に振ってくれません。困りました。




  


ちなみに、黒斑山山頂ではdocomoは通じないようです。黒斑山山頂の近くで昼食をとれそうなところを下りながら探します。トーミの頭近くまで来ると、登山道の山側で小グループ単位なら食べられそうです。




  


あ、いい場所みっけ。ここは私の秘密の場所にしよう。
まだ高山植物も芽が出てない状況なので、こういう所で食べるのもありですね。あとは当日ガイドさんの腕次第です。




  


しかし、問題は帰りの中コース。ここの残雪も上部は30センチ以上あります。10日後の5月31日までに融けてくれるかどうか…。溝を避けられる場所もいくつかはありますが、充分ではありません。





お、ツキノワグマの足跡。かなり上部の方にありました。この辺りではまだ食べ物もないので、冬眠穴が近かったのでしょうね。




  


次に鬼押出し園へ。ミネズオウが満開です。




  


溶岩には、いろいろな地衣類が着いています。ユオウゴケのようなものがあったので、触ってみると、何と動き出しました!







驚きの生物。なんと溶岩に着く地衣類に擬態していたのです。しかも、ここで食べ物と言えば地衣類しか無いはず。こういう生き物がいたのですね。




  


奥の院 炎観世音」だそうです。あれー、こういうのあったんですね。そして、ヒカゲツツジの群落地まで来ました。





うーん、私はこのヒカゲツツジ、大好きですね。清楚で上品なレモン色の花の色は、他にはありません。ヒカゲツツジ観賞ツアーもやりたいのですが、アスファルトの上を歩くのはちょっと…と、躊躇しています。




  


透明感のあるレモン色の花の中に、時おり紅色が混じる個体があります。周囲にあるミツバツツジに影響されたのでしょう。紅色も少し混ぜてみたくなったようです。




  


赤紫色のトウゴクミツバツツジの花芽。大きく膨らみ、ヒカゲツツジとの交代を今かと待ちわびています。おや、溶岩にへばりつく蛾を発見。もしかしたらこれが、先ほどの薄緑色の幼虫の成体かもしれません。




  


溶岩は進行方向への流理構造を持ちます。これが、私は板目石の元の姿だと思っています。安定した状況下で冷えて固まるとこうなるのですが、鎌原土石なだれのような激しい力がかかり、麓まで岩塊が転がり落ちた結果、あのような板目石ができると思います。だから世界でも嬬恋村鎌原にしか板目石は無いのです。




  


そんなことを、みんなで考察しながら歩きます。コメバツガザクラも綺麗でした。




  


おや、ここはカップルのお客様をご案内した時に、お二人だけのランチ場所として最適ですね。覚えておきましょう。




  


願いが叶うとされる岩。日本人はこういいうものにすぐお金を入れたがる…と思いきや、かなり外国のお金がありました。外国人旅行者も、こういうの好きなんですね。ここで汎神論とか八百万の神とかの話から、縄文人浅間山をどう感じ取っていたか…?などのお話しに持っていっても良いと思う。
浅間山観音堂は東叡山寛永寺の別院で北白川宮能久親王さまと関係があります。よく見ると徳川家の家紋があります。




  


「楽な道を苦しみながら歩いている人は近くても到達できない。苦しい道を楽しみながら歩いている人は遠くても到達できる。」いい言葉ですね。荒了寛という人のオリジナルかどうか知りませんが、この言葉頂きました。
蜀山人の碑を最後に見て、研修会は終了しました。皆さん、長い一日、お疲れさまでした。




人気ブログランキングへ にほんブログ村 環境ブログ エコツーリズムへ にほんブログ村 アウトドアブログ 野遊び・森遊びへ にほんブログ村 アウトドアブログ 自然体験へ