長野原町林地区・カタクリの里散策と王城山登山(森林セラピー的に歩いてみる)



「森林セラピストと行く…」ツアーコースを検討中。長野原町林地区のカタクリの里は、以前から目をつけていたスポットです。今年のカタクリの開花時期・4月下旬はまだ寒かったので、商品設定すべきか躊躇していましたが、いつまでも手をこまねいている訳にもいかないので様子を見てきました。




  


長野原草津口駅から林地区に向かうと、まず左に墓地があります。「滝沢観音石仏群」の看板があったのでここに車を止めて、様子を見に行きました。いくつかの石仏がありましたが、80体あるらしい石仏群を見つけることができませんでした。先に進みます。







里山モクレンの風景。あれ?今時モクレン?ちょっと開花が遅い様な気がします。




  


他には低木のヤマブキや足元のオオアラセイトウが見頃です。







王城山神社です。そもそも王城山は今から約2000年前、日本武尊が東征の帰りに御駐屯なされた旧跡で、山頂に祠を建ててこれを祀り(奥宮)、里宮として王城山神社を建てて祀ったのが縁起です。




  


社殿の彫刻は、このような鄙びた山奥の集落には似つかわしくない程立派なのは、日本武尊の伝説があるからなのです。境内の道祖神は、一番左のものが最も古く、1706年のものだそうです。







さらに左には、石板に掘られた道祖神がありました。とてもかわいいですね。癒し度アップです。




  


シャクナゲが咲き始めました。神社の隣には、8月に行われる伝統行事「だんご相撲」の土俵があります。







推定樹齢400年、目通り4,64m高さ36mの大杉です。ただし23年前の測定なので、今測ると凄いことになっていそうな気がします。次に訪問する時に巻き尺を忘れないようにしたいです。




  


王城山神社の前にあった林地区相談センターは取り壊されていました。その分、駐車場が広くなり、奥の温泉施設「かたくりの湯」が目立っています。







「かたくりの湯」です。ぷうんと硫黄のにおい。これはいい湯です。村外の人は300円かかります。王城山神社の手前だし、ここを訪問する時はここに駐車し、帰りに温泉をいただいて帰るのが良いでしょう。




  


王城山入口の岩は約300万年前の火山活動によって流れてきたデイサイト(安山岩流紋岩の間の溶岩)だそうです。三原34番札所の33番がここにありました。ということは、下屋将藍幸房が治めていた荘園としての三原荘の東端は近いということが考えられます。




  


その少し上にあるのが薬師様(左)と神明・稲荷様。この裏側に回ったところにある大石が「つぶらっこ」様。子宝縁起とされています。




  


見どころたくさんの林地区を後にして、王城山へ向かいます。分岐を左に進み、カタクリ群生地を経由していきます。途中の小川のゴミは、なんとかならないものでしょうか…




  


カタクリ群落地に到着。さすがに花はもう終わっていました。




  


春植物、スプリングエフェメラルではヤマエンゴサクがまだ見られます。先に進みと、あずまやがあります。ここで休憩できるとはありがたいですね。







あ、まだありました。カタクリの花。きっと最後の花です。私たちを待っていてくれました




  


このカタクリ群落地は、私が思っていたよりもずっと大きいものだったようです。その先にも、その上にも広がっていました。ゴールデンウィークの初め、暖かい日があればぜひ来たかったです。




  


畑の横を通って通常の登山道へ出ます。しばらく舗装された道を歩きます。




  


このあたりは三合目鳥屋坂(とやさか)というそうです。登山道横に、黒っぽいブナを見つけました。これがイヌブナです。ようやく会えました。




  


四合目は柴峰(しばみね)というそうです。ヤマツツジが綺麗でした。




  


その後も、舗装された道は続きます。やがて、砂利道となり行き止まり。その上に新たに山道らしい登山道が出現します。





この広い場所にベンチがあるのはありがたいです。本格的登山道の前にひと休憩です。




  


山の道に入って間もなく、岩の崩壊地を進みます。それにしてもこういう所は高地ではコメツガなどの針葉樹林帯になることが多いのですが、なんとガレ地にブナの若木とは恐れ入りました。こういう自然環境もあるのですね。その先には、六合目炮碌岩(ほうろくいわ)の石柱があります。




  


右上に見えるこの巨大な崩壊岩壁が炮碌岩なのでしょうか?崩れ転がり落ちた岩が樹の幹に衝突し止まっています。




  


しかし、左下の景色が開けているせいか、あまり怖くはありません。これから、葉が繁ってくると暗くなり圧迫感があるかもしれません。この炮碌岩を回り込むようにして登って行きます。







見てください、この巨大な岸壁を。これが炮碌岩です。




  


不思議な穴を見つけました。樹木の根の下にある穴です。かつて城があった時に、物資を置く場所として使った様な気がします。この先にはずっとウッドチップが敷いてあります。よく運びましたね。




  


長い長い階段を歩きます。それにしても、この立地でここまで整備されているのは驚くべきことです。20分位歩いて尾根に出ます。程良い汗をかきました。八合目中棚尾根(なかだなおね)です。




  


この尾根は、何となく不自然な盛り土がなされているように感じます。昔、城があった場所に共通する要素です。恐らくこの先には物見台があったことでしょう。看板を見て、先に左下の道を進むことにしました。







左下は崖ですが、落ちても止まりそうな斜度であることと、葉が繁る前なのであまり怖くはありません。




  


この道が、コースの中では最も狭い道です。九号目お籠り岩(おこもりいわ)・御手洗の池の石柱があります。







この白い岩がお籠り岩だそうです。同様な質感の岩が続いていました。




  


お籠り岩を過ぎて、左下にあるのが御手洗の池です。水は、ほとんど枯れていました。城として機能していた頃、よっぽど貴重な水源だったことでしょう。石柱の文字は私には読めませんでした。




  


ここを越えたところにもあずまやとベントがあります。至れり尽くせりの登山道です。左方面、奥宮へと進みます。




  


奥宮に到着しました。キュートな社に感激です。




   


隣にあるのは、王城山登山記念の札所でした。その近くには、スミレという名前のスミレが咲いていました。







それにしても、あまりにも立派なオキナグサがあることに驚かされました。これは、誰かが植えたのでしょうか?この写真、右側の札所は入れること無かったですね(笑)。




  


さて、本来の王城山山頂を目指します。あずまやまで戻り、少し登ります。







ぐんま百名山・王城山山頂です。祠が三つ並んでました。




  


左は川原湯温泉方面、右は浅間山方面です。山頂の景色が良いと聞いていましたが、そこそこ、まあまあと言ったところでした。これから葉が繁ってくると、もっと見通しは悪くなってしまうでしょう。




  


それにしても、うけたのはこの二つの旗です。日本武尊にちなんで日本国国旗は解かるのですが、もう一つは、やはり登山道の整備資金を出している国土交通省にちなんで…ということでしょうか!?




  


ここからの帰り道も、険しい尾根道を歩いて行きますが、左側の景色が開けているので、気持ち良く歩くことができます。







そしてこの道。草津にある「蟻の戸渡り」を彷彿させる場所です。




  


長い下り道も、ウッドチップのおかげで膝も苦しくありません。炮碌岩を回り込んで、




  


崩壊地を降り進むと、本格的に景色が開けてきます。







整備された道まで来ました。こういう風景の中を降り進んで行きます。




  


あとは、舗装道を降り進んで楽々スタスタ帰りました。




今回、「森林セラピストと行く…」シリーズのコース策定にあたって、長野原町林地区散策とカタクリ群落訪問を商品として検討しに来たのですが、思わぬ予定の王城山登山をすることになり、その整備された環境やコンケイブ地形など、王城山登山道は癒しのプログラムを展開しえる素晴らしい登山道であったことを発見してしまいました。


このコースは、今日の条件ならば最高にいい癒しコースです。ゴールデンウイーク前後はここを一押しの商品にしようと思います。




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