昇龍岩と中之条ボランティアガイドセンター訪問。プロとボランティアの差別化とは…
源泉徴収税のことなどを教えてもらいに中之条税務署に行ってきました。約1時間半…遠いです!
途中、吾妻渓谷の臥龍岩を通り過ぎたところで、左の吹き付けをしてある法面崖に不自然な部分が見えました。
もしや…と思い、車を止めて見に行くと、やはりそうでした。国指定の天然記念物、昇龍岩(しょうりゅうがん)です。
ググってみると、かつてここに文化庁と長野原教育委員会が設置していた看板の写真が出てきました。それには、次のように書いてありました。
岩床の河原湯層の割れ目に地下の輝石安山岩の溶岩が流入してできた。となりの臥龍岩(がりゅうがん)よりも古い。角材を積み重ねたような形が龍の腹に似ているのでこの名前がつけられた。
とすると、これは火山学では「ダイク」と呼ばれるもので、同じく天然記念物の的岩(四阿山)と同じ現象でできたものですね。
国道沿いで駐車場は無し、さらに案内看板は無し、大昔に設置した杭が残るのみ…やはり寂しい気がしますね。ここは、やがてやんばダムに沈む運命にあるそうです。もし、それが確定した時には、四阿山のダイク(的岩)と河原湯岩脈のダイク(臥龍岩と昇龍岩)を採取し、比べてみると何かわかるかもしれませんね。火山学者の方はすでにマークしていらっしゃるのでしょうか?
その後、中之条税務署でお話を伺った後、吾妻では名の通っているガイド組織、中之条ボランティアセンターを訪問してみました。
中之条ボランティアガイドセンター(キララ☆あがつま)
http://www.kirara.ne.jp/guide/
駅前を歩くガイドさんらしき人に声をかけると、近くの喫茶店「キャロリヤ」に案内されました。そこのオーナー、湯浅昌雄さんが作り上げた団体で、80人位の会員がいます。お店の写真を撮るのを忘れましたが、お店の外壁にも「中之条町ボランティアガイドセンター」の看板が大きく掲げられていました。
「うちのことは参考にならないよ」と仰る湯浅さん。確かにその通り、ガイドで生計を立てている私たちとは全く違い、一切無償で行っているそうです。「おらが街を案内するのにお金なんていらないよ!」と仰られ、駅の様子を見せに連れ出してくださいました。お店の前の駐車場は、3台分、町がボランティアガイドのために借りてくださっているとのことでした。
ボランティアガイドのためにJR駅の待合室に案内コーナーが設けられ、そこに常時2〜3名のボランティアガイドが10時から15時までの間、詰めているそうです。
そして会員のコレクションなどを披露する場としての駅前ギャラリーも人気で、取材や感謝状などかなりの反響をいただいているそうです。
…確かに、真似はできません。でも、全く無償のボランティア活動は、この分野の金銭的価値を下げてしまうことになるので心配ではあります。
そして、中之条ボランティアガイドセンターのガイドさんたちは定年退職した、いろんな意味で余裕のある高齢の方々だとお見受けしました。では、その方々では対応できないサービスをする…あたりまえですが、これが差別化です。
プロのエコツアーガイドには細やかな対応、気配り、技術、体力、知識、そしてフォロ−も大切ですね。そしてそれは、ハングリー精神を持つ現役世代だからやり切れるのだと私は思っています。
湯浅様、いい刺激をありがとうござました。私たちも、「ボランティアガイドと変わらない」といわれないように、プロとしてますます研鑽に励みたいと思います。お達者で!