湯の丸山−烏帽子岳 下見登山




湯の丸山は嬬恋村の中でも国指定の天然記念物・レンゲツツジ群落や穏やかな山容から、登山客の多いコースだ。しかし簡単な山なので、湯の丸山単独では教育旅行での登山需要しか見込まれないのも実態である。今日は湯の丸山から烏帽子岳まで足を延ばしてみて、どの位の運動量なのか確かめてみることにした。




  


まずは湯の丸山に登る。ゲレンデで出迎えてくれるのは八十一番、十一面観音様。
第一ロマンスリフトがある第一ゲレンデから登ろうと思ったのだが…




  


なぜか右の片斜面に進んでしまった。理由は、長くても第一ゲレンデよりも緩斜面を歩けそうだったから。ところがどっこい、この上部はポール専用バーンで結構な急斜面。そして特に自然と触れ合える要素は見つけられなかった。




  


この後、少しカラマツ林を通って、いつもの第一ゲレンデ上部に出る。




  


カラマツ林の向こうから、次第に湯の丸山が姿を現す。




  


高山蝶の看板がある。以前、看板があることでなおさら密売者が増えるという声があったが、私はそうは思わない。逆に注意してくれる住民の目が増え、安全になると思う。
登山道のあずまやは、少し椅子が傾いているものの、充分に使えそう。




  


平坦な道が鐘分岐点まで続き、ここからが溶岩ドーム特有の急坂を上る。そう、湯の丸山は浅間・烏帽子火山群の溶岩ドームなのだ。





途中、すれ違った親子の登山者。家族そろってカラフルにコーディネート。




  


溶岩ドームの斜面は、普通の火山よりも急なのが特徴。一度の休憩では厳しい。また、高木が無くて景色が良い分、直射日光に晒されることになる。




  


湯の丸山山頂(南峰・2,101m)に到着。ここから、北峰に向かう。





途中、篭ノ登山と湯の丸山の間に、いくつかのもっこりした山が見える。村上山、桟敷山、小桟敷山。これらは、みんな浅間・烏帽子火山群の溶岩ドームだ。




  


北峰(2,098m)に到着。北峰から四阿山方面の景色はこんな感じ。




  


振り向いて南峰方面。溶岩ドームの山は、真ん中が凹み、このように双耳峰となりがちだそうだ。





湯の丸山山頂(北峰)付近は岩場となっている。これも、溶岩ドームの特徴。
烏帽子岳方面に下りる登山者は少なくない。




  


烏帽子岳へ行くには、まずは登った分と同じ量を一気に下りる。足元は、鐘分岐からよりもややマシな状態。




  


下りたところが鞍部。ここから次の山(烏帽子岳)に向かってもう一度登りなおすのだから、かなり山好きじゃないと精神的にキツイ。





カラマツの間から三方ヶ峰の山々が見える。




  


烏帽子岳への登山道は、下から見た目よりもキツクはない。適度にジグザクになっているからだ。登山者にとってはやさしいコース。ただし、稜線に出る直前、最後にちょっと滑るところがあるので注意して。




  


稜線に出ると、子供が何人もいるパーティーや、親子三代で登っているご家族がいらっしゃった。この位の山は、ファミリー向けなのだろうか?湯の丸山とダブルでは登っていないと思われるが…





烏帽子岳の頂が見えてきた。ここからだと、本当に烏帽子(和装での礼服着装の際に成人男性が被る帽子のこと)の形に見える。




  


湯の丸山の遥か西麓で、紅葉の美しいところがある。稜線を丁寧に登って、烏帽子岳山頂(2,065m)に到着。





烏帽子岳から見た湯の丸山。西側の紅葉がこんなにいいとは知らなかった。




  


山頂から北方向を見る。目の前に邪魔が無い分、湯の丸山よりも四阿山は近く見える。
北側のこの絶壁は、太古の火口跡だというのだからおどろく。沢が上ってくる浸食の影響は大きく、そして原型は全くとどめない。しかし、それで良いと言える。次の世代に美しい山容を成させるためには、古い山体は無い方が良い場合があるからだ。ところが、良い土台があってこそ、類まれな山容になる場合がある。浅間山の姿がそれといえる。








くどいですが、烏帽子岳山頂からの展望動画です。




  


烏帽子岳の稜線は本当に気持ちの良い雲上散歩なので、帰るのが惜しいようだ。




  


湯の丸山に向かって下りていき、中間の鞍部に出る。ここを右へ進む。




  


片斜面だが、道の状況は、初めは歩きやすい。途中では岩場も出てくる。




  


中分岐まで来ると、あっちこっちに矢印があるが、とりあえずまっすぐ進むと良い。きれいに枝打ちされたカラマツ林の中を歩く。ここは極上のカラマツ林。スラッとした、完満材のカラマツ。




  


カラマツ林を抜けたすぐ右側にあるのが臼窪湿原。一周する場合は、奥側が入口になるので左から回り込みます。




  


湯の丸自然休養林キャンプ場を通り、最後に砂利道の林道を通って地蔵峠へ。


湯の丸山と烏帽子岳をW登山してみたところ、タイトな半日で間に合ったので、体力的には初級者でも行けるコースだと思う。ただし、二つの山を上るのならば、烏帽子岳を先に上るコース取りが正解だと思う。烏帽子岳の西側−北側は視界をさえぎる山が無いので、すこぶる景色が良い。午前中の空気が澄んでいるうちに、北アルプスの眺望を楽しむべきだ。


最初からそれに気づいていれば、今日の逆コースで歩いたのに…。でもまあまあ、今日撮った写真でも烏帽子岳湯の丸山登山コースの商品WEBページは充分に作れそうだ。


年内にはコースをアップしようと思います。