石樋、源流の森、バラギ湖、野地平下見会




今日はバラギ高原の下見会。石樋と源流の森、バラギ湖と野地平の状況を確認する。






  


東海大学嬬恋研修センターの野外調理施設。近いうちに、ここを使ったプログラムを提供したいと考えている。現在咲いている白い花はミヤマザクラ




  


脱皮中のセミを発見。エゾハルゼミだろうか。2011年6月7日午前9:30、まだエゾハルゼミの鳴き声が聞こえてこない。
笹にも蝉の抜け殻が。バランスを取るのがさぞ難しかったことでしょうね。





石樋の滝に到着。新緑と滝のコントラストがいい。
…ただし、獣の匂いがプンプンしている。熊鈴は必要だなこりゃ。




  


ここでは、ハコネサンショウウオを観察。上からも、横からも観察できる。足の指の数は前が4本、後ろが5本。肺を持っていないために上半身?がやけにスリムだ。





観察させてくれてありがとう。元気に水の中に帰って行った。




  


次は石樋の沢歩き。“龍の壺”と言われるところを探したい。
右の写真の場所が、昨年子供たちが滑り台にして大はしゃぎし、上から下までべしょ濡れになった場所。




  


今日の水量なら、登山靴でも全く濡れないで登れてしまう。
岩魚は、水の溜まるような場所で上から餌が流れてくるのを待っているというが…




  


トウゴクミツバツツジと石樋。途中、綺麗に一枚岩に見えるところがあった。




  


登山道合流地点についた。ここを左へ、宇田沢の本流へと進む。





ここが“龍の壺”か。


んー、いい場所だ。夏なら岩の上に座って足をパシャパシャさせたい。




  


その後、少し下に戻って別の小さな沢から少し登ると登山道に出る。




  


足元にはニシキゴロモ(シソ科キランソウ属)が。
老木のミズナラはいったいおいくつでいらっしゃるのだろうか。




  


ダケカンバの幹…と思いきや、上を見上げるとミズナラだった。ダケカンバの樹皮が横の結合力が強くビニールテープのようになっているのは、寒さや乾燥を防ぐためだけではなく、雪圧により枝が折れても細胞分裂地点である形成層の破壊を最小限に食い止めるため…という私の持論を決定づけるものだ。つまりこれは、ミズナラの高山進化型であろう。





源流の森に到着。もののけの森だ。




  


周辺の湿原には、クリンソウの群落があった。一部土が露出している場所は、動物のヌタ場なのか、人間の盗掘跡なのか…




  


源流地点には、動物の足跡が見られる。このおいしい湧き水を動物が見逃すはずもない。




  


帰り道の登山道で熊棚を発見。そのミズナラにダケカンバが倒れて引っかかっている。ツキノワグマミズナラを登ったのか、ダケカンバを登ったのか?




  


石樋合流地点。少人数なら、ここでも少し時間を取りたいところだ。
ムラサキヤシオと新緑のコントラスト。向こうにはミツバツツジも見える。今が石樋の一番いい時期なのかも。




  


足元のショウジョウバカマは、今頃新たなシュートが出てきた。花はひと月前だったはず。よく考えるとこの植物は、花を咲かせる時に、新しい葉を出してこない。茎と花だけだ。昨年の越冬葉があるのみ。早春、半分土に埋もれた越冬葉は開花の際、光合成をしているのだろうか。そして他の草本春植物でも、葉の無い茎と花だけを伸ばしてきて咲かせる植物は、あまりないんじゃないだろうか?実はショウジョウバカマは、かなりしたたかに、そして効率よく子孫を繁殖させる術を持っていると言える。




  


森のエビフライ(リスの松ぼっくり食痕)もあるし、オトシブミも落ちている。




  



次にバラギ湖へ。気のせいかヤマドリゼンマイの、胞子葉の数が多いように見える。ただ単に大きな根を持っているだけだろうか?
右上が胞子葉、左下が栄養葉。同時期に両方出ると山菜採り初心者の人は間違うこともあるのかな?








  


お昼ご飯を食べて野地平へ。みたらし団子は安いのに腹もちが良い。
野地平の道は、荒れているところが結構ある。雨の日は、あまり使いたくない。




  


コメツガの花粉の時期だったみたい。たくさんある雄花に対して雌花はごくまれだった。




  


野地平に到着。看板を見て、今日は8の字に回ってみることに。
標高1,700m付近。ここではまだショウジョウバカマが咲いている。




  


浦倉山登山道との分岐点。数年前、ここはたくさんの灌木に覆われていたが、笹刈り&除伐作業により、驚くほどの見晴しになっている。もう湿原から森に還っていくのは見て当然だったが、高山植物を戻そうと頑張っているようだ。





今の時期、なーんにもない野地平。しかし福田さんも櫻井さんも、この景色で十分なんじゃないか、と仰る。私は欲張り過ぎているのか。




  


東側のルート奥にはツキノワグマのうんちが。小さいので小熊のだろうかそれとも若い熊のものか。親熊が出て来るのだけは勘弁してもらいたい。
大きなモミ属の樹はウラジロモミと同定。




  


お、この橋はかなり傷んでいる。これは危ないと見た。横の沢を渡らせよう。
登山道横に、古い橋が放置してあった。何十年前のものだろう。そこからいくつもの若木が育とうとしている。倒木更新と同じ現象だ。放置材木更新…というところだ。




  


野地平の説明看板には1,610mと書いてある。もう少し高いような気がするが…
最後に、良い香りのする草を確認。ヒトツバヨモギだ。草も、樹と同じように高所にあるものの方が香りが強いのだろうか?