草軽電鉄廃線跡を下見会
浅間・吾妻エコツーリズム協会のエコツアー、「草軽電鉄廃線跡を歩く」は、間もなく始まる群馬デスティネーションキャンペーンでも、商品として組んでいただいている。今日はその下見会を実施した。
竜返しの滝駐車場に車を置き、徒歩開始。幸せの青い鳥「オオルリ」のさえずりが響き渡る。
長倉山林道から入る。白い花を上側につけた樹はミヤマザクラかと思いきや、それにしては葉が出るタイミングが遅い。花も、おしべの葯がピンク色で綺麗。種の同定は今日はできず。次回に持ち越しとした。
ニワトコの葉の匂いを嗅ぐ福田さん。何の匂いだろ?
モミジイチゴの花をじっくり見ると、おしべの花糸が花柱をま歩く取り囲んでいて綺麗。その部分はツバキの花のようだ。
さて、長倉山林道分岐点。どっちに行きますか?
この場所は、草軽電鉄廃線跡の中では比較的道が良い。きっと誰かが手入れしてくれているのだろう。
「アンコールワットの遺跡みたい」ですって。
草軽電鉄は建設費用をできるだけ抑えようとしたため、急曲線やスイッチバックがいくつも存在し、山岳地帯を走るにもかかわらず、トンネルは存在しなかった。それに加え、本来軌道敷に必要な砕石も敷かれない区間もあった。線路規格も極端に低いものであったことから、55.5kmを走破するのに2時間半 - 3時間を要した…
らしいが、噂によると走っている最中に女の人は草花を摘みに降りたり、男の人は用を足しに降りて、終わったら走って戻って電車に乗り込むことができたと聞く。この噂を、実際に乗ったことがある山崎さんがぶった切る。
だ、そうです(笑)。でも、古い映像を見ると場所によっては本当に遅いところもあったので、そういうところでは(早い人なら)できたかもしれないですね。
足元にはフデリンドウの花。林道に戻って進むとまた怪しい旧道が。これを左に進む。
旧道は灌木の繁茂が激しく藪化しているが、テープを辿っていくと楽なルートを見つけられる。
そして、二つ目の橋梁跡に到着、橋脚がドミノのカーブのようになっている。
ちょっと喋りがおかしい?…が、廃線跡を林道として使えなかった理由は、これがあったからでしょう。
川を渡り、橋脚に触れてみます。当時の思い出が伝わってきますか?
石を積んだ際にはみ出たコンクリートは、外から見えるところが綺麗に線を入れてある。繊細な気配りと技術を持つ日本人らしい仕事っぷりだ。
逆側から見る橋脚は、目視ではカーブが解るが写真では見えてこない。橋を渡った後、軌道敷は徐々に今の林道と合わさっていく。
景色の良いこの場所ではコーヒー&スイーツで休憩したい。
しかし周囲には熊棚が。熊撃退スプレーは持っていったほうが良さそうだ。
長日向駅があったと思われる場所から、下に降りて長日向のバス停へ。
北軽井沢駅舎に到着。国指定登録有形文化財。お腹も減ったことだし、まずは昼食を。駅舎前の「ますや」に入る。
シンプルな店内。注文したみそラーメン700円は懐かしい味で結構旨い!また来ようっと。
昼食後、北軽井沢観光協会へ。最近ここは「北軽井沢ふるさと舘」の看板が上がった。
1/25000サイズの地図プレートに、草軽電鉄廃線跡が赤線で示されていた。この地図ほしい!しかし見ると、川を横切っている場所はまだまだある。他にもまだ見ぬ橋脚、橋梁跡があるに違いない。
そして北軽井沢駅舎へ。中に入ると、手作りの草軽電鉄廃線跡地図ポスターがあって、そこにはかつての北軽井沢駅舎とカブト虫(電気機関車)の写真も、おお、今の外見とそっくりだ!
嬬恋村三原の吾妻川鉄橋の写真もあった。
最後に、嬬恋村芦生田へ。道路沿いにはっきりと解る橋脚が残っている。以前に唐沢雅夫先生に教わった場所だ。
ここでは、橋脚の石の積み方を見ることができた。外側は平らに仕立ててあるが、中側は違う。そしてコンクリートで充填された石の隙間は、結構広い。三角形の石が転がっていたが、みんな三角形に加工したのだろうか。
調べることは、まだまだありそうですね。