茨木山〜鬼岩〜四阿山登山道 往復下見


8月に都内の少年消防団相手に企画提案した現地自然体験プログラムの中に、以下のようなものがあった。


■ 企画6.
 四阿山登山と奇勝「鬼岩」、ロープワーク実習

■ 内容:
深田久弥日本百名山の一つ、四阿山(あずまやさん、2354m)。上信高原では浅間山の次に高い山で、壮大な裾野を広げ、孤峰のため山頂からは360度の大パノラマを楽しむことができます。ゴンドラを利用し簡単に山頂まで行った後、急な下りのある茨木山経由のコースにチャレンジ。段差のある岩場で、ロープワークを実習します。村指定天然記念物「鬼岩」を見て、茨木山を経て帰ります。

■ 見所とポイント:
 ・四阿山まではゴンドラ(片道800円)を使って楽々登山
 ・孤峰のため四阿山山頂からの景色は360℃どこでも見える
 ・段差のある岩場でロープワークの実習
 ・地下の岩盤の割れ目に貫入したマグマが固まった奇勝「鬼岩」
 ・登山としては提案コースの中で最もきついコース(大人の一般登山者的には中級コース未満)

■ 体験料:
 一人3,600円(またはインタープリター派遣料1名25,000円)

■ 持ち物:
 動きやすい服装、登山靴、雨具、飲料水、おやつ

インタープリター:
 2人(10人に対して1人)

■ 所要時間:
 8時間(ガイド付添時間8時間)

■ モデルコース:
 08:00 宿舎出発
 08:10 パルコール駐車場着 ゴンドラ乗車
 08:40 山頂駅 登山開始
 10:30 四阿山山頂
 10:40 登山再開
 11:20 急な岩場 ロープワーク実習
 12:20 鬼岩着 昼食
 13:10 登山再開
 14:20 茨木山山頂
 15:40 県道登山口着 バス迎え
 16:00 宿舎到着

 ※「事前準備」
  ・登山用携帯品、ファーストエイドキッド、自然観察用具など。
  ・ロープワーク実習用器具各種
 ※このコースは十分な所要時間と運動量があるので、クラフト等の体験プログラムと掛け合わせるのは適切ではない。
  単体で実施する。
 ※天候の状態と参加者の体力の状況を見て、帰路でロープワーク実習を行うか検討する。


これは実は机上の上だけで提案したもの。鬼岩コースを実際に踏破していなかったのだ。ようやく今日、下見をすることができた。

登山口の駐車スペースは3台位しか置けない。とりあえず駐車してスタート。しばらくは緩やかなコースを進む。石樋に続く、宇田沢本流には大きな橋がかかっていた。


  


梅雨は昨日で完全に明けたらしいが、先週・先々週の大雨続きで登山道が川となってしまっているところもあった。

宇田沢の支流をいくつか越えて進むのだが、最も大きい支流で、なんと足を川に落としてしまった!靴の中までびっしょり。これで最後まで行かなきゃならんのか…。先が思いやられる。

沢沿いにあるのはヤマタイミンガサか。ヤブレガサやモミジガサの群落は嬬恋では本当に見ないよねえ。


  


茨木山までは、いかにも手作りっぽい階段が置いてあったり、作業用林道が横切っていたりする。

茨木山山頂は、見通しが良くない。ボーイスカウトなどの団体が登頂記念の看板を掲げていたが、こういうことはみんな許可を取ってやっているのだろうか?


  


茨木山から鬼岩にかけてのコースでは、上っていきたいのに何度か下りがあってガクッとする。しばらくは登山道の草刈りが行われているのだが、そのうち草刈りもしていない様になってくる。笹の中を掻き分けていく状態。

すると、笹に潜んでいたマダニが、ズボンの上を大量に上ってくるのだ。ギエー!

この先は茨木山以降は人ともすれ違わなかったし、ほとんど人が上っていないコースなのだろう。しかしマダニがこれだけいるのは、この登山道をイノシシやカモシカがけもの道として使っているからなのだろう。


  


そしていよいよ鬼岩に到着。これはかなりでかい。地下の割れ目を水平に移動したマグマが固まってできたという。こういう現象は世界的に結構あるらしく、火山用語的にはダイクという。

早川由紀夫 フィールド火山学 用語紹介 「ダイク」
http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/kazan/field/0801.html

長野県側の的岩は国指定の天然記念物だが、こちらは村指定の天然記念物。的岩に勝るとも劣らないほど、立派なもの。群馬県側はあまり宣伝しないからな〜

上に乗って歩いてみようかとも思ったが、幅もそんなにないし、ちょっとだけ上ってやめ、そこでおにぎりを食べることにした。足元にはホツツジっぽいツツジが。あれ、こんなに葉が毛深かったかな?


  


ちょこっと上った鬼岩の場所からでも、なかなかの風景が味わえる。「鬼岩と浅間山」なんて風景もいいなあ。

しかし、地図をみると、予定の浦倉山からの四阿山登山道分岐点まではまだまだありそうだ。しかもこれからが急崖になるみたい。うぐぐ、どうする?今日下見しきれるか?


  


トウヒの枝先が真っ赤になっている。これは球果ではなくてアブラムシの虫えい。割ってみると、確かになんかいる!ルーペも持ってきているのだが、どうも覗く気にはなれなかった。

途中の稜線沿いで、なかなかの絶景を味わえるところもある。しかしこういうところにコマクサは咲いていなかった。


  


ちょいと足元のショウジョウバカマを観察。春の花の時期は茎が短かったのに、夏の種の時期には茎が伸びている。風に揺られやすくなって、種を遠くに飛ばしたいのだろう。軍手を履いた手の上に種を散らすとこんな感じ。とても小さい種だ。


  


そして最後の急崖付近に到着。下から見上げて、どんなに急かと思い心配していたが、登山道がジグザグになっていたので、案外問題なく登ることができた。

そして鬼岩の小さなものを発見。「小鬼岩」とでも言うべきだろうか。ここなら、ロープワーク実習のようなこともできるのではないか?パルコールからの四阿山登山帰りにここに寄ってみて、イベントを実施できるほどの体力を温存できるかどうかも調べてみる必要がある。

今日の折り返し地点まであと少し。おいっちに、おいっちに。


  


ようやく、今日の目標地点、パルコールからの四阿山登山口との分岐点に到着。はあ〜疲れた。

できれば、このままパルコール方面に行ってゴンドラで降りたかったのだが、茨木山登山口に車を置いてあるのでそうもいかない。現在15:00、登りで3時間半はかかった道を、下りではどのくらい短縮できるのか?行くっきゃないのだ!

茨木山登山口に着いたのは17:00前。ちょうど登りの半分くらいで下ってきた。とにかく、暗くなる前、雨が降る前で助かった〜。